GM (2) 売上は中国市場、収益は米国でのトラック販売が貢献

米国では販売トップの座を失い、EV販売比率も1%にとどまる

2022/06/07

要約

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GMC Hummer EV(出典:GM)
ミシガン州のFactory Zeroで生産、2021年末に納車開始

 いち早く電動化への大胆な戦略シフトを打ち出したGMは、2035年までの新商品の完全なEV化方針を掲げ、それによる大幅な売上の増大を目指している。しかし、米国販売の実績(2021年)を見ると、販売台数の約4割を占めるピックアップトラックへの依存が続く一方で、EV比率は1.1%にとどまっている。さらに、半導体不足の影響を大きく受けてマーケットシェアが14.3%に後退して米国販売トップの座をトヨタに奪われるなど、目標との乖離はまだ大きい。

 また、グローバル販売では、不採算市場からの撤退を進めた結果、中国と北米の二大市場での販売比率が約87%まで高まっている(2021年)。特に販売台数での中国シフトが顕著に進んでおり(グローバル販売比率46%)、合弁事業を中心とする中国市場への依存には今後の経営リスクも指摘される。

 一方で、最近の業績では、販売車種や市場の絞り込みが収益性を改善させる結果をもたらしており、今年後半以降に市場導入が本格化するEV商品や新技術と併せ、GMが掲げる野心的な計画の進展にこれらを繋げていけるかが注目される。

 本編は、GMのEV展開や関連投資をめぐる最近の動きやグローバル販売の状況を整理するレポートの第二部として、米国、並びにグローバル市場での販売動向、企業業績などについて報告し、併せてLMC AutomotiveによるGMの販売予測を掲載する。


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