Motor Bella 2021: 自動車メーカー各社が米国でのEVラインナップを拡大

フォード「Maverick」「F-150ライトニング」、トヨタ「Tundra」などのピックアップトラック、GMC「Hummer EV」、VW「ID.4」などのSUV

2021/11/08

要約

  デトロイト自動車販売店協会(Detroit Auto Dealers Association)は、新型コロナウイルス流行のために中止された2021年デトロイトモーターショー(北米自動車ショー North American International Auto Show (NAIAS))の代替として、1回限りの屋外自動車展示会「モーターベラ(Motor Bella)」を開催した。2021年9月21日から9月26日までミシガン州ポンティアック(Pontiac)のMIコンコースのイベント会場とトラックで開催されたモーターベラでは、従来の自動車ショーとは異なるアプローチを取り、同乗デモや会場周辺の試乗会など、来場者との交流が図られた。モーターベラは、新しい自動車ショーのスタイルに対する人々の関心を測るための予備実験として機能した。

  排ガス規制の厳格化や、環境の持続可能性ニーズの高まりに対し、OEMは電気自動車(EV)の開発に注力してきた。各社は米国の市場動向に合わせ、EVのラインナップをSUVや小型トラックのセグメントに拡大している。この傾向はモーターベラでも鮮明だった。電気ピックアップではフォード「マーベリック(Maverick)」、トヨタ「タンドラ(Tundra)」、フォード「F-150ライトニング(F-150 Lightning)」、電気SUVではGMC「ハマーEV(Hummer EV)」、マスタング 「マッハE(Mach-E)」、VW「ID.4」、ジープ「ラングラー4xe(Wrangler 4xe)」などが展示された。なお、アウディは「eトロン(e-tron)」ファミリーのみを出展した。

Toyota Tundra GMC Hummer EV SUV
Toyota Tundra GMC Hummer EV SUV


  モーターベラでは、AutoMobili-Dの技術展示会の一環として、業界の専門家を招いたさまざまな討論会も催され、自動車モビリティの動向が議論された。その中には、バッテリーEV導入促進の課題に焦点を当てたセッションや、企業がEVの成長に合わせて開発を加速する方法を紹介したセッションがあった。また、主要なモビリティの将来の方向性を論じ、電動化と自動運転を発展させる上で起こりうる変化に焦点を当てたセッションもあった。

  本レポートは、モーターベラで展示された内容に焦点を当てた2つのレポートの後編である。今回は主にEVの展示車両に焦点を当てるとともに、いくつかの専門的なセッションの内容を紹介する。なお、前回のレポートでは、モーターベラで展示された主な内燃エンジン車を取り上げた。

 

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