GM、Ford、StellantisのバッテリーEV戦略

デトロイト3は2021年に大規模な投資でEV開発を加速

2021/12/02

要約

Battery Org Chart
デトロイト3と主要電池メーカーとの合弁事業と将来の電池工場計画

  気候変動に対する社会的認識が高まり、各国政府が公害や排ガスを削減するための規制を実施する中で、自動車メーカー(OEM)各社は環境保護や持続可能性の向上に向けたコミットメントを発表している。これらのコミットメントには、車両の電動化のための多額の投資や、一定の期日までに一部またはすべての車両ラインアップで完全電気自動車(フルEV)を提供することなどが含まれる。OEM各社は近年、政府からの圧力と、市場の変化に伴うEVの潜在的競争力の優位性から、電動化戦略を加速している。米国の自動車メーカー3社(デトロイト3)は過去2年に主要バッテリーメーカーと合弁会社を設立し、国内に複数のバッテリー工場を設立する準備を進めている。

  2021年1月、ゼネラル・モーターズ(GM)は、2035年までにライトビークル(light-duty vehicle)の排出ガスを全廃するという目標を発表した。2020年11月に発表された、同社のそれ以前の目標は、2025年までに米国のラインアップの40%をフルEVとする、というものであった。フォードは2021年2月に、商用バンとピックアップトラックのセグメントを中心に、2025年までに220億米ドルをバッテリー電気自動車(BEV)に投資することを発表した。これは、2022年までに115億米ドルとしていた2020年6月発表時点の投資額と比べて増加している。ステランティスは、2021年7月に開催されたイベント「EV Day」において、最新の電動化戦略を発表し、2025年までの電動化への300億ユーロの投資と、2030年までに米国での販売台数の40%以上を低排出ガス車とする目標を発表した。

  本レポートでは、GM、フォード、ステランティスの米国における電動化戦略について、主にバッテリー電気自動車(BEV)への取り組みを中心に紹介する。また、OEM各社が行った最近の投資に関する情報や、現在および将来のBEVモデルのプレビューを紹介する。

 

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