CES 2021:ユーザーエクスペリエンスの向上

GMはモビリティ・コンセプト、Mercedes-Benzは最新のMBUXを発表、BMWはiDriveをプレビュー

2021/02/24

要約

  CES 2021は新型コロナウイルスの感染拡大に対応し、オンライン展示会として2021年1月11日から1月14日まで開催された。およそ700社のスタートアップを含む約2,000社がデジタル展示スペースでバーチャル出展を行った。また、基調講演、パネルディスカッション、参加企業からのプレゼンテーションなど、100時間あまりに及ぶプログラムも提供された。

  GMの出展は主に電気自動車に焦点を当てたものだったが、Cadillacブランドのもとで、自動運転ポッドとVTOL(垂直離着陸)ドローンの2つのユニークなモビリティ・コンセプトが紹介された。またGMは今回、ラストマイル配送用ユニットであるEP1を始めとするBrightDrop電動モビリティ・エコシステムを発表した。コンセプトや将来モデルを披露したGMとは対照的に、FCAのバーチャル展示では、Uconnectユーザー体験プラットフォームの第5世代など、同社が現在持っているテクノロジーで、現行車や将来モデルに搭載されるものが紹介された。

Mercedes-Benz MBUX Hyperscreen
Mercedes-Benz MBUX Hyperscreen
(出典:Mercedes-Benz)

  Mercedes-Benzは今回のCES 2021で、MBUX Hyperscreenインフォテインメント・システムを発表した。同社は3年前のCES 2018でオリジナル版のMBUXシステムをデビューさせている。Hyperscreenは2021年前半に発売予定のEQSセダンを始めとする今後のMercedes-Benz EQラインアップに採用される予定。BMWは次世代iDriveインフォテインメント・システムのプレビューを行い、AudiはAudi AI:MEとその人間主体(human-centric)の室内照明システムのコンセプトを紹介した。

  サプライヤー各社からは、ユーザー体験の向上を目的とした様々なテクノロジーが出展された。Visteon、Continental、Bosch、Gentexは、各種の車載ディスプレイ/スクリーンを紹介した。アイシン、Mando、Continentalなど、大手OEMと同様にコンセプト車両を出展して独自のモビリティ・アプリケーションを打ち出すサプライヤーも多く見られた。AptivとVisteonは、Android OSに基づく新たなインフォテインメント・システムを紹介した。

  本編は、CES 2021における自動車関連の展示に焦点を当てたレポートの第2弾となるもので、車載ディスプレイ、インフォテインメント・システム、革新的モビリティ・ユニットなど、OEM/サプライヤーから出展されたユーザー体験向上のためのテクノロジーを中心に報告する。


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