CES 2021:EVおよび電動化テクノロジー

GMは電動化に移行する戦略を示し、Audi、BMW、FCAは今後発売するEVを披露

2021/02/09

要約

GM Ultium battery platform
GMのUltiumバッテリー・プラットフォーム(出典:GM)

  CES 2021は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、これまでの米国ネバダ州ラスベガスでの開催を取りやめ、代わってオンラインでのバーチャル展示会として2021年1月11日から14日までの期間実施された。デジタルテクノロジー分野で最大のイベントとされるCES 2021には、37カ国から約700のスタートアップを含むおよそ2,000社が出展し、また100時間以上に及ぶプログラムが提供された。

  展示会のプラットフォームは変更されたが、CESでの自動車関連の展示は、今年も引き続き車両の電動化とサステイナブルな輸送といったテーマが中心となった。GMのMary Barra(メアリー・バーラ)CEOはCES 2021の基調講演で電動化への戦略転換と「エグジビット・ゼロ(Exhibit Zero)」バーチャル展示を強調し、「炭素ネットゼロ」への移行を目指すテクノロジーと車を紹介した。Audiは、高性能e-tronコンセプトモデルを前面に打ち出し、BMWはiX電動クロスオーバーに搭載されるテクノロジーのプレビューを行った。IM Motors(上海汽車、張江高科技園区、Alibabaの共同出資による電気自動車ジョイントベンチャー)は今回のCES 2021で複数の発売予定モデルを出展した。

  Sono MotorsとHyperion Motorsのスタートアップ2社は革新技術を備える将来のモデルを披露した。Hyperion Motors「XP-1」は水素燃料電池を搭載するハイパーカーであり、Sono MotorsのEV「Sion」は通常の充電ステーションでの充電に加えて、ボディ全面に組み込まれたソーラーセルによる充電も可能である。また、パナソニック、Schaeffler、Bosch、Genthermなどの自動車部品サプライヤーは、バッテリー、eアクスル、クライメートコントロールなど、各社のEV関連技術を紹介した。

  本編は、自動車関連に焦点を当ててCES 2021の内容を報告するレポートの第1弾となるもので、主にGM、FCA、Audi、BMWなどのOEMや、パナソニック、Bosch、Schaeffler、Genthermなどサプライヤーから出展されたEVと電動化テクノロジーを中心に取り上げる。

 

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