ポルシェTaycan搭載用(想定)システム電圧800V対応用インバータ

~日立オートモティブシステムズが紹介:自動車技術会・2020年春季大会学術講演会講演予稿集から~

2020/07/27

要約

システム電圧800V対応インバータとパワーモジュール
システム電圧800V対応インバータとパワーモジュール
(東京モータショー2019 日立のブースに展示)

  5月に開催が予定されていた自動車技術会・2020年春季大会は新型コロナウイルスの世界的流行を受け開催中止となったが、自動車技術会から講演予稿集が発売されている。

  本稿では日立オートモティブシステムズ(以下、日立AMS)の畑中 歩氏による「車載用インバータの高電圧・高パワー密度化技術」から800V対応インバータの新技術について紹介する。

 

  日立AMSは直接水冷の両面冷却型パワーモジュールによるインバータの小型化を進めており、2019年3月発売のAudi e-tronに採用されている。新開発のインバータはバッテリー電圧800Vのシステムに対応したもので、ポルシェのEV Taycanに向けて開発し、2019年第2四半期から量産を開始しているとみられる。

  800V対応インバータはパワーデバイスの700Vから1200V耐圧品への変更に代表される各部品の高耐電圧化に加え、絶縁構造部品の工夫による大型化を回避しながらの耐電圧確保、パワーモジュールの端子形状の最適化、導体積層型絶縁シートの採用等によって実現されている。

 

関連レポート:
新型ヤリス搭載の電動パワートレインの技術 (2020年7月)
日本電産製 広州汽車 Aion S 搭載E-Axle インバーター (2020年6月)
ELIV 2019 – 自動車エレクトロニクスの国際会議 (2019年12月)
東京モーターショー2019:サプライヤー各社の電動化関連展示 (2) (2019年11月)

このレポートは有料会員限定です。 残り 4 章
無料会員登録により、期間限定で続きをお読みいただけます。