タイ:2018年生産予測は200万台、輸出減だが内需は拡大

OEM各社はEV投資インセンティブを申請

2018/04/04

要約

  2017年のタイの生産台数は前年比2.3%増の199万台。車種別では、乗用車が前年比1.7%増、商用車が2.7%増となった。乗用車のうち、タイ政府が認定する低燃費小型車のエコカーは1.4%増にとどまった。商用車では1トンピックアップトラック(乗用ピックアップ(PPV)を含まない)が5.4%増加し、生産全体に占める比率は48.3%となった。2017年のタイでの販売台数は前年比13.4%増の87万台で、2013年以来初めて増加に転じた。好調な販売の背景には、景気回復、新型車の投入のほか、2011-2012年に実施されたファーストカー減税を利用して購入した消費者が、5年間の転売禁止期間終了に伴い買い替えが可能となったためもある。一方、輸出は4.1%減の114万台となった。オセアニア向けは増加したが、政情が不安定な中東向けが大幅に減少した。

  タイ工業連盟(FTI)は、2018年の生産台数は前年比0.6%増の200万台、販売台数は3.3%増の90万台、輸出台数は3.5%減の110万台と予測している(2018年1月時点)。控えめな予測となったのは、世界経済の見通しが不確かなこと、各国の貿易政策について懸念があること等が理由である。

タイの車種別自動車生産台数 タイの車種別自動車販売台数

 

  タイ政府は高付加価値型・先端型産業の外資誘致と環境に配慮した車の普及を目指し、タイをEV生産のハブとする計画を策定。2017年3月に電動車(ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)を含む)生産に対し一定期間の法人税を免税とする等の投資インセンティブを承認。既にトヨタ、日産、ホンダ、マツダ、スズキがHV生産、BMWがPHV生産、DaimlerがPHV・EV生産で投資インセンティブを申請した。

  生産拠点の動きでは、SAIC Motor-CPが2017年12月に年産能力10万台の新工場を建設し、年産能力5万台の旧工場から生産を移管した。Tataは2017年10月から新たな委託先で組み立て生産を開始、スバルは2019年からTan Chongグループと合弁生産を開始する計画。マツダは2018年1月、パワートレイン工場にエンジン機械加工工場を開所した。

 

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タイ: 2017年の生産台数は前年比2.6%増の200万台の見通し (2017年1月)

 



2018年の輸出はベトナム・米国等の貿易政策も影響

タイからの仕向地別自動車輸出台数

  タイからの完成車輸出は、2015年まではアジア (日本含む)、オセアニア、中東が主な仕向け先であったが、2016年からは政情が不安定な中東向けが減少。2017年も中東向けは前年比28.1%減と大幅に減少した。一方、2017年10月に国内での自動車生産を終了したオーストラリアを含むオセアニア向けの輸出は前年比7.8%増、北米は6.1%増となったが、2017年の輸出全体では前年より4.1%減少した。同年の自動車部品の輸出額は前年比15.5%増の198億ドル。

  FTIによる2018年の輸出見込みは前年比3.5%減の110万台であるが、各国の貿易政策に影響される可能性がある。ベトナムへの完成車輸出は近年増加しつつあり、2018年初めからASEAN経済共同体の完全実施で輸入車の関税が撤廃され、さらなる輸出拡大が期待されていた。しかし、ベトナム政府は関税撤廃に合わせて輸入車に対する煩雑な検査など非関税障壁を導入。タイからの輸出が困難になっている。タイの自動車部品の最大輸出先である米国でも、トランプ大統領の関税方針がタイからの輸出品目にも影響する可能性があり、今後の動向が懸念される。ただ、2018年1-2月の輸出台数は前年比3.3%増と好調で、FTIはこの傾向が続けば、年央に2018年の予測を見直すとしている。

 

タイの自動車生産・輸出・新車販売台数

(台)

2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
(見通し)
2017年
1-2月
2018年
1-2月
生産台数 1,880,007 1,913,002 1,944,417 1,988,823 2,000,000 306,757 344,433
輸出台数 1,128,102 1,204,895 1,188,515 1,139,696 1,100,000 178,334 184,284
国内販売 881,832 799,632 768,788 871,647 900,000 125,689 142,011
(輸出/生産) 60.0% 63.0% 61.1% 57.3% 55.0% 58.1% 53.5%

資料:生産と輸出はタイ工業連盟 (The Federation of Thai Industries: FTI)、国内販売は小売販売台数で Toyota Motor Thailand (TMT)
(注) 1. 国内販売には輸入車も含む。
2. 2018年の見通しはFTIが2018年1月に発表した予測。

 

タイの車種別自動車生産台数

(台)

2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
乗用車 957,623 1,071,076 742,678 760,688 805,033 818,440
商用車 1,496,094 1,385,981 1,137,329 1,152,314 1,139,384 1,170,383
(内数) 1t pickup 1,291,641 1,220,096 999,733 966,919 911,360 960,413
自動車生産 2,453,717 2,457,057 1,880,007 1,913,002 1,944,417 1,988,823
1t pickup 比率 52.6% 49.7% 53.2% 50.5% 46.9% 48.3%

(注) 1t pickup はPPVを含まない(PPVは商用車に含まれる)。1t pickup 比率は、乗用車を含む自動車生産に占める比率。

 



タイの国内市場:乗用車販売が23.7%増、ピックアップトラックも7.7%増

  2017年のタイの車種別販売台数は、乗用車が前年比23.7%増と好調。乗用車のうちエコカーは36.9%増と大幅に拡大。最近、人気が高まっているSUVは18.1%増となった。商用車は前年比7.5%増だったが、そのうち1トンピックアップトラック(PPVを含む)は7.7%増、他の商用車(中・大型商用車)は6.6%増加した。

  タイの自動車市場シェアの約9割は日系メーカーが占めている。トップのトヨタは2014年に37.0%を占めたシェアが徐々に縮小。代わっていすゞ、ホンダ、Ford等がシェアを拡大している。2017年はトヨタがピックアップトラックHiluxの販売減により、シェアを2016年の31.8%から27.5%に減らした。第2位のいすゞはピックアップトラックD-MAXが引き続き好調だが、シェアは前年から微減の18.4%。第3位のホンダは乗用車のCityやSUVのCR-Vの販売が増加し、シェアは14.0%から14.7%に拡大した。

タイの自動車市場シェア Toyota Hilux Revo Rocco
Toyota Hilux Revo Rocco
(バンコクモーターショー2018)


タイ政府:HV、PHV、EV生産を対象に投資インセンティブを承認

  タイ政府は、高付加価値型・先端型産業の外資誘致と環境に配慮した車の普及を目指し、タイをEV生産のハブとするため、2016年3月にEV普及に向けたロードマップを作成。2036年までにタイ国内のEV保有台数を120万台、充電ステーションを700-800カ所以上整備するとした。2017年3月には、タイ投資委員会(BOI)が電動車生産に対し、一定期間の法人税を免税とする投資インセンティブを承認した。対象は電気自動車(EV)だけでなく、ハイブリッド車(HV)とプラグインハイブリッド車(PHV)も含まれる。HVに対する優遇措置はEVやPHVより少ないが、日本メーカーの多くはタイでの販売や輸出がある程度期待できるHVについてインセンティブを申請している。

 

タイ政府のEV投資インセンティブ

概要  タイ投資委員会(BOI)は2017年3月、電動車生産に対し一定期間の法人税を免税とする投資インセンティブを承認した。電動の乗用車、ピックアップトラック、バスが対象。免税内容は、導入する電動車の技術レベル(EV、PHV、HV)により定められる。申請期限は、HVが2017年12月末、PHVとEVが2018年12月末。
車両生産への免税 ・EV生産:法人税を5~8年間免除。主要部品も生産する場合は、部品1種類につき1年間、最長10年まで法人税免除期間が延長される。
・PHV生産:法人税を3年間免除。機械設備の輸入関税も免除。主要部品も生産する場合は、部品1種類につき1年間、最長6年まで法人税免除期間が延長される。
・HV生産:機械設備の輸入関税のみ免除。
部品生産への免税  10種類のEV主要部品を生産する企業に対し、法人税を8年間免除。対象部品は電池、トラクションモーター、電池制御システム、DC/DCコンバーター、インバーター、ポータブルEV充電器、サーキットブレーカー、EVスマート充電システムなど。
追加インセンティブ  2017年12月に追加のインセンティブを承認し、東部経済回廊(EEC)エリアに工場を設立すると、さらに5年間法人税を50%減免する(申請期限は2017年12月末)。

 

HV生産投資インセンティブ計画への参加OEM (2018年3月時点)

トヨタ  2017年7月、トヨタはタイ投資委員会(BOI)からHV生産投資インセンティブの承認を受けた。190億バーツを投じ、チャチェンサオ県のGateway City工業団地に工場を建設し、車両組立工場は2018年、バッテリー工場は2019-2020年に稼働開始予定。新工場ではHVを年間7,000台、バッテリーを70,000個、ドア、バンパー、フロント/リアアクスル等の他の部品を910万個生産する。
 HV生産投資インセンティブ計画のもとで初めて投入されるモデルとして、トヨタは2018年3月、C-HR Hybridを発売。今後、100カ国以上に輸出する計画。
日産  2018年2月、BOIは日産のNote e-PowerをEVではなくHVとする結論に至ったと報じられた。日産はEV投資インセンティブ申請に際して、同モデルをEVに分類するよう要請していたが、BOIの決定を受け入れる見込み。日産は2017年末が申請期限だったHV生産投資インセンティブを既に申請している。
ホンダ  ホンダは2018年1月、HVの生産投資インセンティブを申請したと報じられた。HVの生産開始は2019年の予定とされる。
マツダ  マツダはHV生産投資インセンティブを申請した。2018年1月の報道によると、Rayong工場に114億バーツを投資し、設備を刷新する計画。
スズキ  スズキは2018年2月、HV生産投資インセンティブを申請したと報じられた。Rayong工場にHVを導入する計画。

 

PHV/EV生産投資インセンティブ計画への参加OEM (2018年3月時点)

Daimler
(EV/PHV)
 Mercedes-Benz Thailandは2018年1月、EV生産投資インセンティブを申請したと報じられた。PHVとEVの2プラットフォームを申請した。2018年にEVの新モデルを発売する計画。
 Daimlerは2018年3月、バンコクにPHV向け電池パックを生産する工場を建設すると発表した。車両の生産を委託しているThonburi Automotive Assembly Plant (TAAP)と共同で2020年までに1億ユーロを投資し、既存の乗用車工場の拡張と電池工場の建設を行う。電池生産は2019年初めに開始予定。年産能力は5,000台分。Daimlerの電池工場は、ドイツや米国、中国に続き6拠点目。
 タイで販売するPHVは、C350e、S500e、GLE500e、E350eの4モデル。DaimlerはタイにおけるPHVの販売比率を総販売台数の30%とすることを目指している。
BMW
(PHVのみ)
 BMWは2018年1月、PHV生産投資インセンティブを申請したと報じられた。2018年3月の報道では、4億バーツを投資し、電動車の生産拡大に向けRayong工場を拡張する計画。建屋の面積は現在4万5,000平方メートルだが、5,000平方メートル拡張する。また、同工場では2019年にPHV用電池の生産を開始する計画。
 BMWはタイで330e、530e、X5 xDrive40e、740Le等のPHVを販売している。BMWのタイにおける2017年のPHV販売比率は総販売台数の13%。

 

EVに関連する他のOEMの動き

三菱  三菱自動車は2018年末までにEVおよびPHV生産投資インセンティブの申請を行う計画。
日産  日産は2018年4月以降、EVの新型LEAFを豪州、香港、マレーシア、ニュージーランド、シンガポール、韓国、タイの7カ国・地域に順次投入する計画。さらにフィリピンとインドネシアへの投入も検討中。
FOMM  日本の電気自動車ベンチャーFOMMは、タイ企業との合弁会社FOMM Asiaを通じて2億600万バーツを投資し、チョンブリ県Amata Nakorn工業団地にEVの組立工場を建設。2018年末からコンパクトEVを生産する計画。年産能力は1万台。ニーズが高ければ年産能力を1.5万台まで引き上げる(2018年3月報道)。
 FOMMは2018年3月のバンコクモーターショーで、コンパクトEVの正式名称をFOMM ONEとすると発表。全長2.5m、全幅1.3m、全高1.6mの4人乗りタイプ。モーターは車輪に内蔵するインホイールモーター方式、リチウムイオン電池は着脱可能なカセット式を採用。最高時速は80km。6時間の充電で最大航続距離は160km。洪水などの緊急時には水に浮き、水陸両用車として機能する。タイでの販売価格は66万4,000バーツ。今後1-2年で欧州とASEAN地域向けの輸出開始を検討する。


生産拠点:SAIC Motor-CPは新工場を建設、スバルは2019年からタイで生産

  タイには自動車メーカーおよび組立メーカーの生産拠点を合わせると、約330万台分の生産能力があるが、稼働率は60-70%にとどまっている。そのため、新たな生産投資は少ないが、SAIC Motor-CPが2017年12月に年産能力10万台の新工場を建設し、年産能力5万台の旧工場から生産を移管した。また、Tataは2017年10月から新たな委託先で組み立て生産を開始。スバルは2019年からTan Chongグループと合弁生産を開始する計画。マツダは2018年1月、パワートレイン工場にエンジン機械加工工場を開所した。(巻末に「タイの主要メーカーの自動車生産拠点」の表を掲載)

 

SAIC Motor-CP:2017年12月に年産能力10万台の新工場を開所

  SAIC Motor-CPは2017年12月、チョンブリ県のHemaraj Eastern Seaboard工業団地2に建設した新工場の稼働を開始した。投資額は100億バーツで、年産能力は10万台。東部経済回廊(EEC)に位置しており、MGブランドの右ハンドル車のグローバル生産ハブとする計画。新工場稼働後は旧工場の生産を新工場に移管し、旧工場は使用を中止した。11月に発売したサブコンパクトSUVのMG ZSをはじめ、サブコンパクト車MG3、サブコンパクトセダンMG5、中型セダンMG6、SUVのMG GSを生産する。

MG GS MG3
MG GS (バンコクモーターショー2018) MG3 (バンコクモーターショー2018)

 

Tata:新たな委託先で組み立て生産を開始

  Tataは組立メーカーのThonburi Automotive Assembly Plant Coとの生産委託契約を2017年4月末に満了し、新たにバンコクの組立メーカーBangchan General Assembly Co., Ltd. (BGAC)と生産委託契約を結んだ。同年5月の報道では、5億バーツを投資して新工場を設立し、2017年10月に生産を開始。契約期間は5年間で、ピックアップトラックのXenonを年間8,000台、小型トラックのSuper Ace Mintを同2,500台生産する。BGACは福田汽車のピックアップトラックやトラックも生産している。

 

スバル:2019年からTan Chongグループとタイで合弁生産へ

  スバルは2017年2月に、マレーシアのTan Chongグループ傘下のTC Manufacturing and Assembly (Thailand) (TCMA TH) と合弁会社Tan Chong Subaru Automotive (Thailand)を設立。Tan Chongグループが1億5,000万ドルを投資して、タイで年間1万台のスバル車を生産する計画。まず、2019年からSUVのForesterのCKD生産を開始する。現在大型トラックを生産しているTan ChongグループのLat Krabang工場で生産する見込み。

 

マツダ:タイのパワートレイン工場にエンジン機械加工工場を開所

  2018年1月、チョンブリ県にあるパワートレイン生産拠点Mazda Powertrain Manufacturing (Thailand) Co., Ltd.(以下、MPMT)のエンジン機械加工工場を開所したと発表。221億円を投じて、エンジン機械加工工場の新設とエンジン組立工場における生産ラインの能力増強などを実施し、MPMTにおけるエンジン年産能力を3万基から10万基に拡大する。また今後、ガソリンエンジンSKYACTIV-G 2.0の量産を開始し、タイに加え、マレーシアとベトナムにあるマツダ車生産拠点に輸出する。


トヨタ、いすゞ、ホンダ、三菱、日産、マツダ、スズキの動向

トヨタ:2018年の販売計画は30万台、Yaris ATIVとC-HRを投入、Hiluxを日本へ輸出

2018年計画  2018年のトヨタの販売計画は前年比24.9%増の30万台。内訳は乗用車が17.0%増の113,000台、商用車が30.3%増の187,000台。商用車のうち、乗用ピックアップトラックを含む1トンピックアップトラックは17.6%増の157,000台。
 2018年には、新世代ハイブリッド技術、TNGAプラットフォーム、安全パッケージのToyota Safety Sense、テレマティクス技術のToyota T-Connect Telematicsをタイへ導入する計画。
Yaris ATIV  小型セダン。2017年8月に発売。Viosをベースに外観を変更。小型ハッチバック Yarisと同様、1.2L 4気筒ガソリンエンジンにCVTを組み合わせる。価格は46万9,000バーツから。
C-HR  コンパクトSUV。2017年11月に発売。新世代ハイブリッド、TNGAプラットフォーム、安全パッケージのToyota Safety Sense、テレマティクス技術のToyota T-Connect Telematicsを採用。競合車はホンダHR-V、マツダCX-3。価格は約100万バーツから。
Hiluxの日本への
輸出開始
 2017年10月、タイのBanpho工場で生産するIMV (Innovative International Multi-purpose Vehicle:新興国向け戦略車)シリーズのピックアップトラック Hilux の日本への輸出を開始した。トヨタは1トンピックアップトラックの全生産の60%をタイで生産している。Banpho工場ではIMVシリーズを生産しており、世界122カ国に輸出している。

 

いすゞ:2018年の販売・輸出計画

・2018年のいすゞの販売計画は前年比4.6%増の168,000台。タイ市場は3.4%増の90万台と予測している。
・2018年の輸出計画は、CBUとCKD合計で前年比3%増の165,000台。豪州や英国など既存仕向地への輸出を拡大するほか、イランやアルゼンチンなど新しい仕向地への輸出を開始する。また、タイで2017年4月に初公開した重量級トラックのCKD輸出を開始し、インドネシア、フィリピン、ベトナムの3カ国に試験的に輸出する。

 

ホンダ:新型Civic Hatchbackと新型CR-Vを発売

新型Civic Hatchback   2017年3月発売。スポーティなデザインと優れた走行・燃費性能を両立。ホンダのEarth Dreams Technologyのもとで開発された1.5L VTEC TURBOエンジンとCVTを搭載する。価格は116万9,000バーツから。
新型CR-V   5代目となる新型SUV。3列シート7人乗りモデル。2017年3月発売。初めてディーゼルエンジンを採用し、ディーゼル仕様は1.6L i-DTECディーゼルターボエンジンに9速ATを組み合わせる。ガソリン仕様は2.4L DOHC i-VTECエンジンにCVTを組み合わせる。

 

日産:Noteを3車種目のエコカー認定車として投入

Note   小型ハッチバック。2017年1月発売。1.2L 3気筒ガソリンエンジンにCVTを組み合わせる。燃費は20km/L、CO2排出量は120g/km。日産としては、March、Almeraに続き、第1期Eco-Car計画認定車の3車種目。価格は56万8,000バーツから。

 

三菱自動車:2018年の市場シェア・輸出計画

・2018年には新型ミニバンXpanderなど2車種の新型車を投入予定。市場シェア8%以上を目指す(2017年は8%)。
・タイからの輸出は、2017年の27万台から32-33万台に引き上げる。

 

マツダ:2018年計画、新型CX-5を発売、次期型ピックアップはいすゞから調達

2018年計画   2018年の販売計画は前年比15%増の58,000台。
新型CX-5   2世代目となる新型SUV。2017年11月発売。旧型車とプラットフォーム、エンジン、トランスミッションは同じだが、内外装を変更した。2.2L ディーゼルターボエンジン、2.0L ガソリンエンジンを搭載し、6速ATを組み合わせる。価格は129万バーツから。
BT-50の生産終了   マツダは2017年10月、Fordとの合弁会社Auto Alliance (Thailand) のRayong工場でのピックアップトラックBT-50の生産を終了。次期型ピックアップは、いすゞのD-MAXをOEM調達する。いすゞがプラットフォームおよびエンジンを開発し、マツダはデザインを行う。いすゞはChachoengsao工場で年間4万台の生産能力をマツダに振り向ける。

 

スズキ:新型Swiftを第2期エコカー認定車として発売

新型Swift   小型ハッチバック。2018年2月発売。1.2L 4気筒ガソリンエンジンにCVTを組み合わせる。より環境基準の厳しい第2期Eco-Car計画の認定車。競合車はマツダMazda2、三菱Mirage、日産March、トヨタYarisなど。価格は49万4,000バーツから。

 

Suzuki Swift Nissan Note Honda Civic Hatchback
Suzuki Swift
(バンコクモーターショー2018)
Nissan Note
(バンコクモーターショー2018)
Honda Civic Hatchback
(バンコクモーターショー2018)


Ford、GM、SAIC Motor-CPの動向

Ford:主力ピックアップRangerの高性能バージョンを発売、エコカー計画から撤退

Ranger Raptor   新型ピックアップトラックRangerの高性能バージョン。2018年2月に発表、同年内に発売予定。タイで生産し、タイ国内のほか豪州などアジア太平洋地域で販売する。シャシー、ブレーキ、サスペンションを強化し、標準のRangerより悪路走破性を向上させた。2L直列4気筒ツインターボディーゼルエンジンを搭載。
エコカー計画から撤退   2017年12月、Fordはタイの第2期エコカー計画からの撤退を決定したと報じられた。Fordは2014年に182億バーツを投資してエコカー計画認定車を生産するとしていた。その後、タイ市場の状況と重点セグメントを再検討し、エコカー計画からの撤退を決めた。タイにおけるFordの2017年販売台数は56,156台。そのうちピックアップトラックのRangerが44,533台で、79.3%を占める。

 

GM:タイでの乗用車の生産・販売を終了へ

  2017年3月、GMはタイでセダンの生産・販売を終了する計画と報じられた。タイでの生産・販売はピックアップトラックのColorado、SUVのTrailblazerおよびCaptivaのみにする。セダンのCruzeについては現行モデルのライフサイクル終了まで販売を続ける予定だが、生産は2017年に終了している。今後、乗用車の新モデルをタイに投入する予定はないとされる。

Ford Ranger Raptor Chevrolet Colorado
Ford Ranger Raptor
(バンコクモーターショー2018)
Chevrolet Colorado
(バンコクモーターショー2018)

 

SAIC Motor-CP:2018年販売計画、MG ZSを発売

2018年の販売計画   SAIC Motor-CPの2017年のMGブランド車販売は、前年比45%増の12,013台。2018年は3万台を目標とする。同社は2018年のタイの自動車市場が95万台以上になると予想。また、SUVの比率が前年の20%から30%に拡大すると予測し、SUVのZSとGSの生産・販売に注力する。
MG ZS   サブコンパクトSUV。2017年11月に発売。1.5L 4気筒ガソリンエンジンに4速AT、1.0L 3気筒/1.5L 4気筒直噴ターボエンジンに6速トルクコンバーター付きATまたは7速DCTを組み合わせる。価格は67万9,000バーツから。


(資料) タイの主要メーカーの自動車生産拠点

組立工場 年産能力
(1,000台)
2017年
生産実績
(1,000台)
生産車種
Toyota Motor Thailand (TMT) Samrong 230 532 Toyota Hilux Vigo, Fortuner
Ban Pho 220 Toyota Hilux Vigo, Fortuner
Gateway 1 220 Toyota Camry, Camry HV, Vios, Corolla,
Wish, エコカー (Yaris)
Gateway 2 80
Toyota Auto Works Samutprakarn 20 Toyota Hiace
Hino Motors Mfg. (Thailand) Bang Pakong 27
(2017年3月-)
12 Hinoトラック、バス
Nissan Motor (Thailand) Samutprakarn 1 220 132 Nissan Navara, Teana, Sylphy, Pulsar, X-TRAIL,
X-TRAIL HV, エコカー (March, Almera/Latio, Note)
Samutprakarn 2 150 NP300 Navara
Honda Automobile (Thailand) Ayutthaya 1 150→0
(2017年4月)
107 エコカー (Brio, Brio Amaze)
(2017年4月以降はAyutthaya 2で生産)
Ayutthaya 2 150 Accord, Accord HV, Mobilio, CR-V, HR-V, BR-V
Prachinburi 120 119 Civic, City, Jazz (Fit), Jazz HV
Mitsubishi Motors (Thailand) Laemchabang 1 90 212 Lancer EX, Pajero Sport
Laemchabang 2 220 Pajero Sport, Triton (L200)/Fiat Fullback/Ram 1200
Laemchabang 3 200 131 エコカー (Mirage, Attrage)
Isuzu Motors Company (Thailand) Samrong 260 248 Isuzu D-Max, mu-X, mu-7, 小・中型トラック
Gateway 180
(2017年-)
Isuzu D-Max, mu-7, マツダ向けピックアップ,
ピックアップ (輸出向けKD部品)
Suzuki Motor (Thailand) Rayong 100 57 エコカー (Swift, Celerio, Ciaz)
AutoAlliance (Thailand) Rayong ピックアップ:
100
201 Ford Ranger, Everest
(Mazda BT-50は2017年末で終了)
乗用車:120 97 Mazda2, Mazda3, CX-3
Ford Thailand Manufacturing Rayong 150 22 Ford Focus, EcoSport, Fiesta, Ranger
General Motors (Thailand) Rayong 180 57 Chevrolet Captiva, Colorado, Trailblazer
BMW Mfg. (Thailand) Rayong 20 20 BMW 1/3/4/5/7 Series, X1, X3, X4, X5,
MINI Countryman, BMW PHVモデル
Thai-Swedish Assembly Samutprakarn Volvo: 4.5 Volvo: 0.4 Volvo トラック、バス
UD: 20 UD: 4 UD Quester, Croner
Tan Chong International Bangkok 北汽福田:20.2 N/A Aumanトラック
Subaru: 0→10
(2019年-)
- Subaru Forester (2019年-)
Thonburi Automotive Assembly Plant Samutprakarn 19 12 M-Benz C/E/S/M/GLE-Class, PHV(C, E, S, GLE)
(Tata車の生産は2017年4月に終了)
Y.M.C. Assembly Bangkok 24 N/A Mitsuoka 車, VW車
SAIC Motor - CP Rayong 1 50→0
(2017年12月)
12 (2017年12月に使用中止、Rayong 2 に生産移管)
Rayong 2 0→100
(2017年12月-)
MG6, MG3, MG5, MG GS, MG ZS
(2017年12月稼働開始)
Bangchang General Assembly Bangkok 20.5
(2017年10月-)
N/A Tata: Xenon, Super Ace Mint
福田汽車: Tunland, Aumark 4, Aumark 6, View CS2
Scania (Thailand) Chachoengsao 0.8 0.6 Scania トラック、バス
RMA Automotive Laemchabang 0→3
(2018年-)
- FUSO トラック (2018年に稼働開始予定)

資料:各社ウェブサイト、リリース、各種報道

 



LMC Automotive 生産予測:タイの生産台数は2021年に226万台となる見通し

(LMC Automotive, 2018年2月)

タイのグループ別ライトビークル生産予測

  2017年のタイのライトビークル生産台数は前年比2.2%増の196万台で、同年上期の4%減の状況より改善した。これは主に第3四半期の輸出が増加したためである(前年同期比3%増)。輸出台数は、第1四半期は8%減、第2四半期は12%減となっていた。

  中長期的には、2つの重要な要因がタイの生産台数に影響を与えると考えられる。(1)トヨタはYaris ATIVの投入後、Viosの生産台数を削減する予定である。タイの消費者の間でYarisのセダン版であるYaris ATIVの評判が良ければ、トヨタは次世代Viosを生産計画から外す可能性もある。(2)Fordはタイでの生産努力をピックアップトラックとピックアップベースのSUVセグメントにのみ向け、すべての乗用車の生産(FiestaやFocus)を終了するかもしれない。LMC Automotiveの予測(2018年2月)によると、タイのライトビークル生産台数は2018年に前年比微増の198万台となる見込み。その後、生産は増加を続け、2021年には2017年比15.1%増の226万台に達する見通し。

  タイでのトップメーカーであるトヨタは、2017年8月からピックアップトラックHilux Revoの日本への輸出を開始した。これは、日本でのピックアップ生産をすべてタイに移管するとした2002年の決定に従うものである。トヨタは、月間約300台のピックアップトラックを輸出することを目指している。2017年のトヨタのタイにおける生産台数は前年比4.3%減の53万台となった。LMC Automotiveの予測によると、2018年以降の4年間、トヨタの生産台数は増加を続け、2021年には2017年比28.2%増の68万台となる見込み。

 

タイのブランド別ライトビークル生産予測 (LMC Automotive, 2018年2月)

(Units)

SALES GROUP GLOBAL MAKE 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021
Total 1,891,927 1,921,319 1,963,556 1,978,547 2,019,864 2,172,896 2,260,834
Toyota Group Toyota 632,887 555,907 531,937 606,249 661,631 671,228 682,940
Hino 255 1,618 1,893 1,384 1,427 1,421 1,397
Toyota Group sub-total 633,142 557,525 533,830 607,633 663,058 672,649 684,337
Renault-Nissan-Mitsubishi Mitsubishi 330,170 368,795 355,878 320,409 324,635 341,921 344,770
Nissan 139,951 113,197 131,895 128,483 145,305 198,227 205,104
Renault-Nissan-Mitsubishi sub-total 470,121 481,992 487,773 448,892 469,940 540,148 549,874
Isuzu Motors Isuzu 229,752 233,789 236,725 233,385 240,645 269,146 268,786
Honda Group Honda 170,598 200,004 225,540 213,015 206,493 220,216 252,102
Ford Group Ford 138,473 166,148 185,216 169,966 140,971 154,863 173,868
Mazda Motors Mazda 121,130 134,981 134,931 132,491 124,291 111,183 112,963
Isuzu 0 0 0 0 0 23,972 35,191
Mazda Motors sub-total 121,130 134,981 134,931 132,491 124,291 135,155 148,154
Suzuki Group Suzuki 54,371 56,275 57,142 69,600 61,163 65,111 67,359
General Motors Group Chevrolet 51,077 55,227 56,830 49,077 56,191 58,197 62,729
BMW Group BMW 8,447 15,843 19,981 19,730 21,111 21,388 19,921
MINI 593 486 114 206 495 539 469
BMW Group sub-total 9,040 16,329 20,095 19,936 21,606 21,927 20,390
Daimler Group Mercedes-Benz 7,850 8,900 12,272 15,131 12,713 12,377 12,688
Fuso 1 37 0 0 0 0 0
Daimler Group sub-total 7,851 8,937 12,272 15,131 12,713 12,377 12,688
SAIC Group MG 4,538 8,603 11,768 15,200 11,440 11,593 9,572
Roewe 559 171 20 921 905 1,023 801
SAIC Group sub-total 5,097 8,774 11,788 16,121 12,345 12,616 10,373
Subaru Corporation Subaru 0 0 0 0 6,170 6,385 6,305
Dongfeng Motor Dongfeng 1,103 1,294 1,314 1,889 2,383 2,249 2,185
Tata Group Tata 172 44 100 1,411 1,895 1,857 1,684

Source: LMC Automotive "Global Automotive Production Forecast (February 2018)"
(注) 1. データは、小型車(乗用車+車両総重量 6t以下の小型商用車)の数値。
2. 本表の無断転載を禁じます。転載には LMC Automotive 社の許諾が必要になります。
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キーワード
タイ、ピックアップトラック、SUV、エコカー、電動化、EV、HV、PHV、トヨタ、いすゞ、ホンダ、三菱、日産、スバル、マツダ、SAIC Motor-CP、Tata、Ford、FOMM

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