日本自動車メーカーの決算:2016~2017年度の2期連続で減益見込み

収益伸び悩みのなか、2017年度に過去最高の設備投資と研究開発投資を計画

2017/05/30

要約

日本自動車メーカ9社連結売上高

 日本自動車メーカー9社(決算を開示していない三菱ふそうとUD Trucksを除く)の2016年度決算は、リーマンショック後の2011年度以来の減収・減益(売上高は前期比3.4%減の66兆8,861億円、営業利益は16.8%減の4兆5,319億円)となった。為替の影響が2兆円弱の営業減益要因となり、また市場の拡大が止まり価格競争が激化した北米市場での収益減が響いた。

 2017年度業績予想では、売上高は1.2%増の67兆6,600億円を見込むが、営業利益は2期連続の減益(11.5%減の4兆120億円)を予想している。

 収益は低迷するが、各社は将来に向けての投資は抑制せず、2017年度に設備投資3兆200億円(6.9%増、初めて3兆円を超える)、研究開発費2兆9,540億円(6.8%増)を計画している。トヨタの豊田社長は、「自動車産業ではパラダイムシフトが求められており、特にAI、ロボティクス、コネクテッドなど新しい領域が重要。今後も10年先、20年先を見据えた種まきを続けていく」としている。また、各社は電動化技術にも積極的に投資する計画。



日本自動車メーカー9社の連結売上高と利益

(億円)

  2010
年度
2011
年度
2012
年度
2013
年度
2014
年度
2015
年度
2016
年度
2017年度
計画
連結売上高 464,621 452,105 508,466 599,097 649,252 692,082 668,861 676,600
連結営業利益 19,187 14,184 28,215 45,346 51,230 54,482 45,319 40,120
営業利益率 4.1% 3.1% 5.5% 7.6% 7.9% 7.9% 6.8% 5.9%
当期純利益 13,640 9,362 20,391 34,600 38,932 40,560 35,428 32,620

同上前年度比

  2010
年度
2011
年度
2012
年度
2013
年度
2014
年度
2015
年度
2016
年度
2017年度
計画
連結売上高 6.5% -2.7% 12.5% 17.8% 8.4% 6.6% -3.4% 1.2%
連結営業利益 99.0% -26.1% 98.9% 60.7% 13.0% 6.3% -16.8% -11.5%
当期純利益 152.9% -31.4% 117.8% 69.7% 12.5% 4.2% -12.7% -7.9%
資料:各社の決算資料



関連レポート:
日本自動車メーカーの決算:2016年度は為替影響で5.2%減収、25.5%営業減益の計画(2016年5月)



日本自動車メーカー:2016~2017年度の2期連続で営業減益

 日本自動車メーカー9社の2016年度決算は、3.4%の減収(66兆8,861億円)、16.8%の営業減益(4兆5,319億円)となった。輸出比率の高いマツダ(44.6%減)、スバル(27.4%減)の減益率が高く、トヨタも30.1%の減益となった。なお、ホンダの67.0%増益は品質保証費の大幅減によるもの。またスズキの増益は好調なインド事業が貢献した。

 2017年度には9社の売上高は1.2%の微増だが、営業利益は11.5%の減少を予想している。トヨタは、1ドル=105円の前提で、19.8%の営業減益を見込んでいる。

 営業利益率は、2014~2015年度に7.9%を実現したが、2016年度実績は6.8%に低下、2017年度の計画ではさらに5.9%に下がる。大手3社とスズキ、スバル各社の営業利益率が下がる見込み。スバル1社のみ、2015年度の17.5%には及ばないが10%を超え、2016年度実績は12.4%、2017年度は12.0%を予測している。

営業利益と営業利益率 日本乗用車メーカー7社の営業利益率



日本自動車メーカー9社の2016年度実績と2017年度計画

(億円)

  連結売上高 連結営業利益
  2015年度 2016年度 伸び率 2017年度予測 伸び率 2015年度 2016年度 伸び率 2017年度予測 伸び率
トヨタ 284,031 275,972 -2.8% 275,000 -0.4% 28,539 19,943 -30.1% 16,000 -19.8%
日産 121,895 117,200 -3.9% 118,000 0.7% 7,933 7,422 -6.4% 6,850 -7.7%
ホンダ 146,011 139,992 -4.1% 142,000 1.4% 5,033 8,407 67.0% 7,050 -16.1%
スズキ 31,807 31,695 -0.4% 34,000 7.3% 1,953 2,667 36.6% 2,400 -10.0%
マツダ 34,066 32,144 -5.6% 33,500 4.2% 2,268 1,257 -44.6% 1,500 19.3%
三菱自 22,678 19,066 -15.9% 20,000 4.9% 1,384 51 -96.3% 700 13.7倍
スバル 32,323 33,260 2.9% 34,200 2.8% 5,656 4,108 -27.4% 4,100 -0.2%
いすゞ 19,270 19,532 1.4% 19,900 1.9% 1,716 1,464 -14.7% 1,520 3.8%
日野 17,455 16,837 -3.5% 17,200 2.2% 983 712 -27.6% 750 5.3%
9社合計 692,081 668,861 -3.4% 676,600 1.2% 54,482 45,319 -16.8% 40,120 -11.5%
資料:各社決算発表
(注)トヨタの連結決算は、ダイハツと日野を含む。日野の数値はトヨタの連結決算に含まれるため、9社合計には加算していない。


2016年度の為替影響は2兆円の減益要因、北米市場減速も響く

 収益性が下降した要因は、為替影響と北米事業の減速。2016年度の対ドルレートは12円の円高で、為替変動の営業減益への影響が約2兆円あり、コスト削減等の努力も追いつかず、9社合計の営業利益は9,163億円減少した。トヨタの場合、為替影響による営業減益額は9,400億円に達した。

 2017年度については、各社は年度平均1ドル=105~110円、1ユーロ=115~120円を予測。トヨタ、ホンダ、三菱自の3社は、1ドル=105円とやや保守的に見ている。2016年度に比べ金額は大幅に減少するものの、9社合計で2,389億円の営業減益要因と見込んでいる。

円/ドルレートと営業利益への影響



為替変動の営業利益への影響

(為替影響は億円)

  2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度
予想
2017年度為替レート予想(円)
ドル ユーロ
トヨタ 9,000 2,800 1,600 (9,400) (1,100) 105 115
日産 2,476 686 (133) (2,819) (600) 108 118
ホンダ 2,887 790 (601) (2,832) (950) 105 -
スズキ 543 222 (29) (793) 0 110 115
マツダ 1,127 170 (424) (1,027) 0 108 118
三菱自 659 123 (172) (775) (50) 105 115
スバル 1,702 1,037 1,084 (1,438) 211 110 120
いすゞ 253 83 75 (298) 100 110 -
合計 18,647 5,911 1,400 (19,382) (2,389) 108 117
資料:各社の決算発表
(注)日野は「為替変動の影響」の項目を発表していない。



北米市場での価格競争激化が響く

 2016年の米国Light vehicle市場は、2015年比で5.6万台(0.3%)増加し、7年連続の増加で過去最高を更新した。しかし、2013~2015年に前年比100万台前後増加した勢いはなくなり、さらに、2017年1~4月のLight vehicle販売は前年同期比で2.4%減少し546.2万台。日本車合計は210.5万台で0.7%減にとどまるが、最大手のトヨタは73.5万台へ5.9%減少した。



2017年1-4月米国Light vehicle販売台数

  2016年1-4月 2017年1-4月 前年同期比
トヨタ 780,206 734,537 -5.9%
日産 524,065 538,889 2.8%
三菱 34,886 37,522 7.6%
日産-三菱 558,951 576,411 3.1%
ホンダ 506,532 503,679 -0.6%
マツダ 90,839 93,235 2.6%
スバル 182,777 196,618 7.6%
日本車合計 2,119,305 2,104,480 -0.7%
米国全体需要 5,594,702 5,461,882 -2.4%
資料:Automotive News

 販売の伸びが減速するのに伴い価格競争が激しくなり、米国市場での全社平均インセンティブが急増している。例えば2016年10月には、台当たりインセンティブは3,104ドルで、前年同月比14%増、平均実売価格32,529ドルの9.5%相当だった。12月には、前年同月比20%増の3,673ドル(実売価格の10%超)まで高まった。日産の米国での販売奨励金などの販売費は、2016年度に2,182億円増加した。日本自動車メーカー各社は、過度な販売競争に巻き込まれないようインセンティブをコントロールする、としている。

 2017年5月25日付日本経済新聞や5月18日付Bloombergによると、米国家計の3月末の借金が約1,410兆円に達し、金融危機時の最高水準を更新した。危機時に問題になった住宅ローンに代わって、学費ローン、自動車ローン、カードローン残高が急増している。自動車ローンの残高約1兆ドルのうち、3~4割がサブプライムローン(信用度の低い顧客への貸出)とされる。

 また2017年1~3月期において、自動車ローンの90日を超える延滞債権比率は3.82%に上昇し、4年ぶりの高水準。そのため銀行が、サブプライム融資を絞り始めたと報道されている。



乗用車7社の世界販売台数は着実に増加

 2016年度の乗用車7社の世界販売台数は、3.3%増の2,609万台で、三菱自を除く全社で増加した。地域別に見ても、世界各地域で着実に増加した。スバルは、北米で9.1万台(14.3%)販売を伸ばし、世界合計で10.8万台(11.2%)拡大し、初めて世界販売100万台を達成した。

 2017年度は、7社合計で2.0%の拡大を見込む。スズキは初めて世界販売300万台を狙い、三菱自は100万台を回復する計画。トヨタは慎重な見方で、日米欧の先進国地域で微減、世界販売も微減の見込み。

 地域別には、7社合計で、日本と北米はほぼ横這いだが、アジア他の新興国市場で4.4%の伸びを予想。中国市場では、日産は12.5万台増の148万台を見込み、ホンダは2016年度の130万台から135万台へ増やす計画。スズキは、インドでの販売を2016年度の144.5万台から8%増やすとしている。



乗用車メーカー別世界販売台数

(1,000台)

  2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度計画
台数 前年度比 台数 前年度比
トヨタ 8,871 9,116 8,972 8,681 8,971 3.3% 8,900 -0.8%
日産 4,914 5,188 5,318 5,423 5,626 3.7% 5,830 3.6%
ホンダ 4,014 4,323 4,367 4,743 5,028 6.0% 5,080 1.0%
スズキ 2,660 2,711 2,868 2,861 2,918 2.0% 3,071 5.2%
マツダ 1,235 1,331 1,397 1,534 1,559 1.6% 1,600 2.6%
三菱自 987 1,047 1,090 1,048 926 -11.6% 1,029 11.1%
スバル 724 825 911 957 1,065 11.2% 1,105 3.8%
7社合計 23,405 24,541 24,923 25,247 26,093 3.3% 26,615 2.0%
(注)1. トヨタとスバルは、連結販売台数。その他各社は、「グローバル販売台数」などと呼ぶ、自社ブランド車の販売台数。
2. トヨタは日野、ダイハツの販売台数を含み、中国現地生産車の販売台数を含まない。



乗用車地域別販売台数

(1,000台)

  2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度計画
台数 前年度比 台数 前年度比
日本 4,803 5,199 4,797 4,409 4,580 3.9% 4,595 0.3%
北米 6,543 6,900 7,406 7,982 8,225 3.0% 8,224 0.0%
欧州 2,241 2,350 2,473 2,488 2,617 5.2% 2,658 1.6%
アジア他 9,818 10,092 10,247 10,368 10,671 2.9% 11,138 4.4%
7社合計 23,405 24,541 24,923 25,247 26,093 3.3% 26,615 2.0%
資料:各社の決算発表資料


2017年度に過去最高の設備投資と研究開発費を投入

 各社は、収益が低迷するなかでも、2017年度に過去最高の設備投資と研究開発費投入を計画している。9社合計設備投資額は、前年度比6.9%増の3兆200億円で、初めて3兆円を超える見込み。

 2017年度の研究開発費は、前年度比6.8%増の2兆9,540億円を計画。トヨタの研究開発費は4期連続で1兆円を超える。トヨタは「今回の決算は目先の利益確保を優先するのではなく、未来への投資も安定的・継続的に進めるというトヨタの意思が表れた決算だ」として、研究開発投資の重要性を強調している。各社は、自動運転、コネクテッドカー、電動車両などの次世代技術の開発に投資する。スズキ、マツダ、三菱自とスバルは、2017年度に二桁増の研究開発費を予定。スバルは前年度比17.3%増の1,340億円を、EVや運転支援システム「アイサイト」の開発に充てる。

 研究開発の効率化のため、外部機関との提携も積極的に進めており、ホンダは2016年12月に、Google系の自動運転研究開発会社Waymoと共同開発に向けた検討を開始。トヨタは2017年5月に、米画像処理半導体大手のエヌビディアと提携した。

設備投資と研究開発費



設備投資と研究開発費

■設備投資 (億円)    ■研究開発費
(億円)
  2015年度 2016年度 2017年度
計画
2017/2016 2015年度 2016年度 2017年度
計画
2017/2016
トヨタ 12,925 12,118 13,000 7.3% トヨタ 10,556 10,375 10,500 1.2%
日産 4,790 4,693 5,100 8.7% 日産 5,319 4,904 5,250 7.1%
ホンダ 6,474 5,410 5,300 -2.0% ホンダ 7,198 6,853 7,500 9.4%
スズキ 1,715 1,988 2,200 10.7% スズキ 1,310 1,315 1,500 14.1%
マツダ 892 944 1,200 27.1% マツダ 1,166 1,269 1,400 10.3%
三菱自 690 581 1,000 72.1% 三菱自 787 890 1,070 20.2%
スバル 1,357 1,585 1,500 -5.4% スバル 1,024 1,142 1,340 17.3%
いすゞ 980 938 900 -4.1% いすゞ 911 914 980 7.2%
日野 881 745 740 -0.7% 日野 610 631 590 -6.5%
9社合計  29,823 28,257 30,200 6.9% 9社合計  28,271 27,662 29,540 6.8%
資料:各社の決算発表資料


乗用車7社の2016年度実績と2017年度以降の計画・方針

メーカー 概要
トヨタ   2016-2017年度2期連続の減収・減益の見込み。2016年度は、為替影響が9,400億円の営業減益要因となり、2.8%の減収(27兆5,972億円)、30.1%の営業減益(1兆9,943億円)。2017年度は、1ドル=105円の前提で為替影響が1,100億円の営業減益要因となり、0.4%の減収(27兆5,000億円)、19.8%の営業減益(1兆6,000億円)を見込む。連結営業利益率は、2015年度の10.0%から2017年度は5.8%に低下する見込み。
 収益源である北米では全体需要の伸びが止まり、2016年度の北米トヨタ車販売は2,000台減(283.7万台)、2017年度は1.7万台減(282万台)を見込む。2016年度の北米所在地別営業利益(北米生産車の損益)は3,111億円で前年同期比41.2%減、第4四半期(2017年1~3月期)は、707億円の赤字だった。価格競争が激化しているが、過度な競争に陥らないようインセンティブをコントロールするとしている。
 厳しい収益環境においても、投資は抑制せず、2017年度に設備投資に1兆3,000億円、研究開発費に1兆500億円を投じる。豊田社長は、「自動車産業ではパラダイムシフトが求められており、特にAI、ロボティクス、コネクテッドなど新しい領域が重要。今後も10年先、20年先を見据えた種まきを続けていく」としている。
日産  2016年度の世界販売台数は過去最高を更新したが(562.6万台)、為替変動の影響が2,819億円の減益要因、また米国事業の販売奨励金が2,182億円増加し、連結営業利益は6.4%減の7,422億円。
  2017年度も、世界販売台数は583万台に3.6%拡大する。為替変動については、対ドル、対ユーロは前年度並みを想定するが、英国ポンド、タイバーツなどに対して円高が進むと見て600億円の減益要因と見込み、営業利益は7.7%減の6,850億円を見込む(売上高は0.7%の微増)。日産は、英国工場での生産を計画通り継続する。
 2016年度は、6カ年中期計画「日産パワー88」の最終年度であったが、世界シェア8%の目標に対して実績6.1%、営業利益率は目標8%に対して6.9%(下記注参照方)にとどまった。新たな2017-2022年度の6カ年中期計画で、売上高16兆5,000億円、営業利益率8%を目指すと発表した。
(注)日産は、2013年度決算において、それまでの中国合弁会社比例連結方式から、中国合弁会社持分法適用方式に変更した。2016年度の営業利益率は、中国合弁会社比例連結方式で6.9%、持分法適用方式では6.3%。
三菱自  燃費不正問題の影響で、2016年度決算は売上高15.9%減、営業利益51億円、当期純損失1,985億円となった。2017年度は、売上高が不正問題発覚以前の2兆円レベルに回復し、営業利益は2014~2015年度の1/2強だが700億円を見込む。
 決算と同時に、2019年度までに営業利益率6%、世界販売125万台を目指す新中期計画を発表した。中国とASEANをターゲットに、拡販する。日産とのシナジーでは、プラットフォーム共有化などは2020年以降になるが、それまでは購買や物流面でのシナジーを目指す。
ホンダ   2016年度は、米国で160万台、中国で130万台など販売記録を更新し、世界で502.8万台(前年度比6.0%増、ホンダ初の500万台超)を達成。また、2015年度決算で大きな負担となったタカタ製エアバッグなどの品質関連の経費が減り(3,696億円の増益要因)、営業利益は8,407億円へ67.0%増と大幅拡大した。
 2017年度は、世界販売は508万台へ拡大するが、為替変動を1ドル=105円の前提で950億円の減益要因と見込み、営業利益は16.1%減の7,050億円と予想している。
スズキ  2016年度の売上高は0.4%の微減だが、インド事業では販売台数が10.7%増の144.5万台で、連結子会社であるマルチスズキは過去最高の当期純利益1,250億円(前期比37%増)を計上、スズキの連結営業利益は2,667億円に36.6%増加した。
 2017年度は、世界販売が初めて300万台を超え(307.1万台)、売上高は3兆4,000億円に7.3%増加する。一方、設備投資2,200億円(10.7%増)、研究開発費1,500億円(14.1%増)など投資が嵩み、インド新工場などの減価償却費も170億円増え(1,800億円)、営業利益は2,400億円に10.0%減少する見込み。
マツダ  2016年度売上高は5.6%減、営業利益は44.6%減(三菱自を除くと最大の落ち込み)。輸出比率が高いため、為替影響が1,027億円の減益要因となった。2017年度は、売上高4.2%増、営業利益19.3%増の回復を見込む。為替影響は、2016年度と同じ1ドル=108円の予測で、±0の見込み。
 主力SUVのCX-5新型車を、2016年11月に生産開始。国内で2017年2月に発売し、順次海外市場に展開する。2017年内に、新型3列シートSUV CX-8を国内市場に投入。また、スカイアクティブの次世代商品群は、2018年度の後半から投入する計画。
スバル  2016年度の世界販売は、初めて100万台を超え106.5万台。2016~2017年度とも、増収・営業減益だが、日本自動車メーカーで唯一、二桁の営業利益率を維持する。2017年度の減益要因は、米国での販売費と連結研究開発費の増加。米国の販売は好調だが、価格競争が激化し、1台当たりインセンティブは1,850ドルに前期比400ドル増加する見込み。
 2017年度の研究開発費は、前期比17.3%増の1,340億円を計画。EVや運転支援システム「アイサイト」などの開発を進める。「収益を守るためだけに、将来に向けた投資を抑制することはしない」としている。2018年に、全長5mを超える大型3列シートSUV Ascentを北米市場に投入する。また2021年に、米国にEVを投入する計画。
資料:各社の決算発表、各紙報道


LMC Automotive生産予測:日本での生産は中長期的に880万台レベル

LMC Automotive、2017年4月)

LMC Automotive

 LMC Automotive社の生産予測(2017年4月)によると、2017年の日本でのLight vehicle生産台数は、2016年比0.3%減の876万台。2018年に900万台に回復し2019年には921万台に達するが、2020年には882万台に減少する見込み。

 輸出の見通しについては、LMC Automotiveは次のようにコメントする、「人口統計から日本国内需要は徐々に縮小するが、輸出は海外市場の安定した需要に支えられて、長期的には年間450万台レベルに到達する。LMCの最新レポートでは、Lexus GXなど数車種の輸出台数の増加を見込み、日本からの輸出台数を年およそ3~5万台上方修正した。」

 さらに為替変動のリスクに関しては、「2016年に1ドル=118円まで円安に進行したが、為替変動だけの理由で輸出見通しを修正する考えはない。以前にも概説したように、日本の自動車メーカーは、ますます生産拠点を海外に移すことにより、為替リスクを防ごうとしている。世界中で、各地域の市場に合わせた車種を生産し、日本で生産すれば遭遇するような為替リスクに晒されることは少なくなっている」とコメントしている。

 2017年のトヨタの国内生産は、2016年比3.3%減少し、382万台の見込み。2018~2019年には396万台に回復するが、2020年には372万台に減少する。2016年11月にCH-Rの生産を開始し、2017年1月にはVitzにハイブリッド車(HV)を追加した。

 Renault-日産(三菱自を含む)の生産は、中期的に、2016年の150万台から2020年に179万台に拡大する。2016年11月に、日産はNoteのハイブリッド車 e-POWERを発売した。このHVの発売は、同年11月にNoteの販売を約1万台押し上げ、Noteを日本国内のベストセラーに導いた。

 LMC Automotiveによると、「日本の数社は、”post-hybrid market”を押さえるためプラグインハイブリッド車(PHV)を投入する計画。トヨタは2017年2月にPrius PHVを発売した。トヨタグループは、EV技術開発にもより積極的に投資すると発表しており、今後疑いなく低燃費車の市場競争が激しくなるであろう。」



LMC Automotive生産予測:日本での生産は中長期的に880万台レベル

  GLOBAL
MAKE
2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020
Total   9,388,395 8,859,589 8,786,109 8,759,373 9,002,537 9,213,566 8,819,336
Toyota Group Toyota 2,755,035 2,706,873 2,819,004 2,544,352 2,630,888 2,597,096 2,432,218
  Lexus 494,616 542,633 500,452 529,080 609,130 681,436 665,323
  Daihatsu 703,677 631,878 576,751 712,573 697,263 644,308 588,470
  Hino 65,931 55,423 55,359 38,753 31,481 33,179 32,712
  Scion 41,866 28,455 5,504 0 0 0 0
Toyota Group sub-total   4,061,125 3,965,262 3,957,070 3,824,758 3,968,762 3,956,019 3,718,723
Renault-Nissan Group Nissan 1,002,458 902,660 928,931 1,009,952 1,022,924 1,076,225 1,086,548
  Mitsubishi 467,450 469,809 432,795 442,707 522,035 539,924 539,646
  Infiniti 122,836 128,721 137,040 155,114 157,270 164,116 166,897
Renault-Nissan Group sub-total 1,592,744 1,501,190 1,498,766 1,607,773 1,702,229 1,780,265 1,793,091
Mazda Motors Mazda 990,234 974,778 926,032 942,442 1,052,907 1,053,690 1,060,298
Honda Group Honda 953,373 717,283 816,994 787,853 814,562 894,600 778,840
  Acura 3,675 2,402 2,033 1,972 2,301 2,148 3,180
Honda Group sub-total   957,048 719,685 819,027 789,825 816,863 896,748 782,020
Suzuki Group Suzuki 902,979 815,096 685,588 772,084 722,088 744,666 681,797
Subaru Corporation Subaru 711,434 722,717 735,750 683,572 610,180 651,188 655,286
Isuzu Motors Isuzu 118,986 104,885 97,678 82,528 77,481 78,288 77,010
Daimler Group Fuso 31,988 33,602 29,396 29,102 26,626 27,340 25,780
PSA Group Citroen 13,017 13,484 10,831 7,462 7,866 7,915 7,865
  Peugeot 8,020 8,844 5,643 5,710 5,972 6,025 6,041
PSA Group sub-total   21,037 22,328 16,474 13,172 13,838 13,940 13,906
Fiat Chrysler Automobiles Fiat 0 0 20,277 14,067 11,509 11,365 11,371
Other UD Trucks 820 46 51 50 54 57 54
資料: LMC Automotive "Global Automotive Production Forecast" (April 2017)
(注) 1.データは、小型車(乗用車 + 車両総重量6t以下の小型商用車)の数値。
2.本表の無断転載を禁じます。転載にはLMC Automotive社の許諾が必要になります。
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資料編(1):連結売上高・営業利益・当期純利益、同利益率、決算為替レート

日本の自動車メーカー9社の連結売上高/営業利益/当期純利益

(億円)

  2010
年度
2011
年度
2012
年度
2013
年度
2014
年度
2015年度 2016年度 2017年度
予想


トヨタ 189,937 185,837 220,641 256,919 272,345 284,031 275,972 275,000
日産 87,731 94,090 87,373 104,825 113,752 121,895 117,200 118,000
ホンダ 89,368 79,481 98,779 118,424 133,281 146,011 139,992 142,000
スズキ 26,082 25,122 25,783 29,383 30,155 31,807 31,695 34,000
マツダ 23,257 20,331 22,053 26,922 30,339 34,066 32,144 33,500
三菱自 18,285 18,073 18,151 20,934 21,807 22,678 19,066 20,000
スバル 15,806 15,171 19,130 24,081 28,779 32,323 33,260 34,200
いすゞ 14,155 14,001 16,556 17,609 18,794 19,270 19,532 19,900
日野 12,427 13,146 15,414 16,996 16,853 17,455 16,837 17,200
9社合計 464,621 452,105 508,466 599,097 649,252 692,081 668,861 676,600



トヨタ 4,682 3,556 13,208 22,921 27,505 28,539 19,943 16,000
日産 5,375 5,458 4,388 4,984 5,896 7,933 7,422 6,850
ホンダ 5,697 2,313 5,448 7,502 6,706 5,033 8,407 7,050
スズキ 1,069 1,193 1,446 1,877 1,794 1,953 2,667 2,400
マツダ 238 (387) 539 1,821 2,029 2,268 1,257 1,500
三菱自 403 637 674 1,234 1,359 1,384 51 700
スバル 841 440 1,204 3,265 4,230 5,656 4,108 4,100
いすゞ 882 974 1,308 1,742 1,711 1,716 1,464 1,520
日野 289 375 651 1,122 1,055 983 712 750
9社合計 19,187 14,184 28,215 45,346 51,230 54,482 45,319 40,120




トヨタ 4,081 2,835 9,621 18,231 21,733 23,126 18,311 15,000
日産 3,192 3,414 3,411 3,890 4,576 5,238 6,635 5,350
ホンダ 5,340 2,114 3,671 5,741 5,094 3,445 6,166 5,300
スズキ 452 539 804 1,075 969 1,167 1,600 1,450
マツダ (600) (1,077) 343 1,357 1,588 1,344 938 1,000
三菱自 156 239 380 1,047 1,182 726 (1,985) 680
スバル 503 385 1,196 2,066 2,619 4,367 2,824 2,850
いすゞ 516 913 965 1,193 1,171 1,147 939 990
日野 (100) 163 477 891 745 651 494 500
9社合計 13,640 9,362 20,391 34,600 38,932 40,560 35,428 32,620
資料:各社の決算発表資料



日本の自動車メーカー9社の連結営業利益率/当期純利益率

  2010
年度
2011
年度
2012
年度
2013
年度
2014
年度
2015
年度
2016
年度
2017年度
予想
営業利益
トヨタ 2.5% 1.9% 6.0% 8.9% 10.1% 10.0% 7.2% 5.8%
日産 6.1% 5.8% 5.0% 4.8% 5.2% 6.5% 6.3% 5.8%
ホンダ 6.4% 2.9% 5.5% 6.3% 5.2% 3.4% 6.0% 5.0%
スズキ 4.1% 4.7% 5.6% 6.4% 5.9% 6.1% 8.4% 7.1%
マツダ 1.0% -1.9% 2.4% 6.8% 6.7% 6.7% 3.9% 4.5%
三菱 2.2% 3.5% 3.7% 5.9% 6.2% 6.1% 0.3% 3.5%
スバル 5.3% 2.9% 6.3% 13.6% 14.7% 17.5% 12.4% 12.0%
いすゞ 6.2% 7.0% 7.9% 9.9% 9.1% 8.9% 7.5% 7.6%
日野 2.3% 2.9% 4.2% 6.6% 6.3% 5.6% 4.2% 4.4%
9社合計 4.1% 3.1% 5.5% 7.6% 7.9% 7.9% 6.8% 5.9%
純利益
トヨタ 2.1% 1.5% 4.4% 7.1% 8.0% 8.1% 6.6% 5.5%
日産 3.6% 3.6% 3.9% 3.7% 4.0% 4.3% 5.7% 4.5%
ホンダ 6.0% 2.7% 3.7% 4.8% 3.8% 2.4% 4.4% 3.7%
スズキ 1.7% 2.1% 3.1% 3.7% 3.2% 3.7% 5.0% 4.3%
マツダ -2.6% -5.3% 1.6% 5.0% 5.2% 3.9% 2.9% 3.0%
三菱 0.9% 1.3% 2.1% 5.0% 5.4% 3.2% -10.4% 3.4%
スバル 3.2% 2.5% 6.3% 8.6% 9.1% 13.5% 8.5% 8.3%
いすゞ 3.6% 6.5% 5.8% 6.8% 6.2% 6.0% 4.8% 5.0%
日野 -0.8% 1.2% 3.1% 5.2% 4.4% 3.7% 2.9% 2.9%
9社合計 2.9% 2.1% 4.0% 5.8% 6.0% 5.9% 5.3% 4.8%
資料:各社の決算発表資料



日本自動車メーカー10社の決算為替レート

  2010
年度
2011
年度
2012
年度
2013
年度
2014
年度
2015
年度
2016年度 2017年度
予想
ドル トヨタ 86 79 83 100 110 120 108 105
日産 85.7 79.1 82.9 100.2 109.8 120.2 108.3 108.0
ホンダ 86 79 84 100 110 120 108 105
スズキ 86 79 83 100 110 120 108 110
マツダ 86 79 83 100 110 120 108 108
三菱自 85 79 82 100 109 121 109 105
スバル 86 79 82 100 108 121 108 110
いすゞ 85 79 82 98 107 120 109 110
日野 86 79 82 100 109 120 109 110
平均 85.7 79.0 82.7 99.8 109.2 120.2 108.4 107.9
ユーロ トヨタ 113 109 107 134 139 133 119 115
日産 113.1 109.0 106.8 134.2 138.7 132.6 118.7 118.0
ホンダ 114 108 108 136 139 - - -
スズキ 113 109 107 134 139 133 119 115
マツダ 113 109 107 134 139 133 119 118
三菱自 113 111 105 134 139 133 119 115
スバル 114 108 106 133 140 133 119 120
平均 113.3 109.0 106.7 134.2 139.1 132.9 119.0 116.8
資料:各社の決算発表資料


資料編(2):乗用車メーカー別地域別販売台数、設備投資・減価償却費・研究開発費

日本乗用車メーカー7社の地域別販売台数

(1,000台)

    2010
年度
2011
年度
2012
年度
2013
年度
2014
年度
2015
年度
2016年度 2017年度
計画
日本 トヨタ 1,913 2,071 2,279 2,365 2,154 2,059 2,274 2,200
日産 600 655 647 719 623 573 557 595
ホンダ 582 588 692 818 761 668 668 680
スズキ 588 596 672 728 756 630 639 645
マツダ 206 206 216 244 225 232 203 213
三菱自 164 152 134 143 115 102 80 90
スバル 158 172 163 182 163 145 159 172
7社合計 4,211 4,440 4,803 5,199 4,797 4,409 4,580 4,595
北米 トヨタ 2,031 1,872 2,469 2,529 2,715 2,839 2,837 2,820
日産 1,245 1,404 1,466 1,648 1,829 2,011 2,130 2,140
ホンダ 1,458 1,323 1,731 1,757 1,750 1,929 1,970 1,920
スズキ 33 32 30 - - - - -
マツダ 342 372 372 391 425 438 429 454
三菱自 94 106 85 97 117 135 138 148
スバル 307 309 390 478 570 630 721 742
7社合計 5,510 5,418 6,543 6,900 7,406 7,982 8,225 8,224
欧州 トヨタ 796 798 799 844 859 844 925 920
日産 607 713 660 676 755 754 776 795
ホンダ 198 158 171 169 161 172 184 175
スズキ 244 223 197 205 195 207 245 267
マツダ 212 183 172 207 229 257 262 267
三菱自 218 218 181 202 227 206 179 188
スバル 60 55 61 47 47 48 46 46
7社合計 2,335 2,348 2,241 2,350 2,473 2,488 2,617 2,658
アジアおよびその他地域 トヨタ 2,568 2,611 3,324 3,378 3,244 2,939 2,935 2,960
日産 1,733 2,073 2,141 2,145 2,111 2,085 2,163 2,300
ホンダ 1,274 1,039 1,420 1,579 1,695 1,974 2,206 2,305
スズキ 1,778 1,710 1,761 1,778 1,917 2,024 2,034 2,159
マツダ 513 486 475 489 518 607 665 666
三菱自 511 525 587 605 631 605 529 603
スバル 132 104 110 118 131 134 139 145
7社合計 8,509 8,548 9,818 10,092 10,247 10,368 10,671 11,138
合計 トヨタ 7,308 7,352 8,871 9,116 8,972 8,681 8,971 8,900
日産 4,185 4,845 4,914 5,188 5,318 5,423 5,626 5,830
ホンダ 3,512 3,108 4,014 4,323 4,367 4,743 5,028 5,080
スズキ 2,643 2,560 2,660 2,711 2,868 2,861 2,918 3,071
マツダ 1,273 1,247 1,235 1,331 1,397 1,534 1,559 1,600
三菱自 987 1,001 987 1,047 1,090 1,048 926 1,029
スバル 657 640 724 825 911 957 1,065 1,105
7社合計 20,565 20,753 23,405 24,541 24,923 25,247 26,093 26,615
資料:各社の決算発表資料。
(注)トヨタはダイハツと日野を含む。



日本の自動車メーカー9社の連結設備投資・減価償却費・研究開発費

(億円)

 

2010
年度

2011
年度

2012
年度

2013
年度

2014
年度

2015
年度

2016年度

2017年度
計画

設備
投資

トヨタ

6,423

7,067

8,527

10,007

11,774

12,925

12,118

13,000

日産

3,120

4,064

4,687

5,363

4,631

4,790

4,693

5,100

ホンダ

3,113

4,065

5,936

7,261

6,579

6,474

5,410

5,300

スズキ

1,303

1,267

1,693

2,136

1,945

1,715

1,988

2,200

マツダ

447

780

772

1,332

1,310

892

944

1,200

三菱自

525

710

514

722

680

690

581

1,000

スバル

431

543

702

685

1,107

1,357

1,585

1,500

いすゞ

294

333

575

819

780

980

938

900

日野

300

429

499

662

693

881

745

740

9社合計

15,656

18,829

23,406

28,325

28,806

29,823

28,257

30,200

減価
償却費

トヨタ

8,123

7,329

7,273

7,759

8,062

8,851

8,932

9,500

日産

3,721

3,344

2,966

3,471

3,733

4,019

3,808

3,740

ホンダ

3,252

2,937

2,866

3,456

4,083

4,404

4,376

4,500

スズキ

1,384

1,031

937

1,172

1,344

1,683

1,634

1,800

マツダ

716

688

600

577

689

790

824

870

三菱自

627

534

503

527

533

536

462

530

スバル

498

537

559

549

648

650

770

920

いすゞ

364

360

356

416

481

558

588

600

日野

457

435

408

379

382

428

440

550

9社合計

18,685

16,760

16,060

17,927

19,573

21,491

21,394

22,460

研究
開発費

トヨタ

7,303

7,798

8,074

9,105

10,045

10,556

10,375

10,500

日産

3,993

4,280

4,578

5,006

5,061

5,319

4,904

5,250

ホンダ

4,875

5,198

5,602

6,341

6,626

7,198

6,853

7,500

スズキ

1,041

1,098

1,193

1,271

1,259

1,310

1,315

1,500

マツダ

910

917

899

994

1,084

1,166

1,269

1,400

三菱自

494

550

599

675

746

787

890

1,070

スバル

429

481

491

601

835

1,024

1,142

1,340

いすゞ

586

588

612

666

776

911

914

980

日野

411

404

434

463

501

610

631

590

9社合計

19,631

20,910

22,048

24,659

26,432

28,271

27,662

29,540

資料:各社の決算発表資料

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キーワード

日本自動車メーカー決算、為替変動、北米市場減速、設備投資、研究開発費
トヨタ、日産、ホンダ、スズキ、マツダ、スバル、三菱自

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