欧州自動車メーカーのEV戦略: ダイムラーが新ブランド設立
規制の厳格化により、電気自動車へ戦略転換が本格化
2016/12/14
- 要約
- EVへ向かわせる3つの要因
- ドイツメーカー:パリでEVの戦略およびモデルを発表
- 他の欧州自動車メーカーのEV事業のこれまでと今後の戦略
- EV促進に向けた欧州自動車メーカーの活動
要約
電気自動車(以下、EV)は、持続可能な未来向けた重要なテクノロジーとしてこれまでしばしば喧伝されてきたが、欧州の自動車メーカーまたは欧州市場において重要視されることはなかった。欧州自動車工業会よると、2015年に欧州で登録されたEVおよびハイブリッド車は420,340台で、これは全登録車両のおよそ3.0%を占めるにすぎない。しかし、2020年からの排ガス規制目標値、フォルクスワーゲン(VW)のディーゼルスキャンダル、EV市場におけるテスラモーターの台頭に伴い、欧州の自動車メーカーはEVに関する戦略の修正を余儀なくされた。
パリモーターショー2016では、このような戦略変更が色濃く表れ、同モーターショーでは各自動車メーカーは、EVに対する関心を高めることを目指して多彩なEVを出展した。ダイムラーとフォルクスワーゲンの両社は、今後10年間にわたりEVラインナップを拡充し、EVの販売台数を大幅に増やす計画を発表した。同時に、EVセグメントにおける投資および開発を維持するための研究計画の詳細を発表した。
本レポートでは、欧州自動車メーカーの将来におけるEV開発戦略の要因と背景を示すとともに、EVに関する最新動向を纏める。
2015年のパワートレイン別登録車両の分布 出典:欧州自動車工業会 |
パリモーターショー2016に出展されたMercedes-BenzジェネレーションEQ 出典:Mercedes-Benz |
主なEVの発売予定 |
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テスラモーターズ:2018年までに500,000台の車両を生産する計画を加速 (2016年10月)
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