メキシコ:Audi、起亜、BMW、トヨタ、日産/Daimlerが新工場建設

2014年生産は322万台で世界第7位、2020年には500万台へ

2015/11/06

要 約

メキシコのlight vehicle 生産・輸出台数
生産・輸出拠点として重要なメキシコ

メキシコは、米国という巨大市場に近く、人件費は安価で、45カ国・地域と自由貿易協定(FTA)を締結している。そのため、日米欧メーカーは重要な生産・輸出拠点として重視している。2015年10月に大筋合意した環太平洋経済連携協定 (TPP) にも参加しており、今後、進出メーカーがメキシコを活用する方法が拡大する見込み。2014年のライトビークル生産台数は過去最高の322万台で、ブラジルを抜いて世界第7位に躍進。輸出台数でもドイツ、日本、韓国に次いで第4位となった。

2015年1-9月の生産・輸出は過去最高

メキシコ自動車工業会 (AMIA) によると、2015年1-9月のライトビークル生産台数は前年同期比6.5%増の255万台、輸出は同6.7%増の208万台で、いずれも同期で過去最高。輸出のうち米国とカナダを合わせた北米向けは全体の82.3%を占めた。AMIAのEduardo Solis会長は、2017年の生産台数は400万台、2020 年には500万台を超えると予測している。

メーカー各社は生産能力拡大・新工場建設

GMは2013-2018年に50億ドルを投資して既存4工場を刷新・拡張する計画。Fordは25億ドルを投じてエンジン・変速機工場を新設・拡張する。VWも10億ドルを投じて既存工場の拡張と設備更新を行う。(VW Groupは排ガス不正問題により計画変更の可能性も想定されるが、本レポートではこれまでに発表された計画に基づき報告する。) 完成車工場の新設では、VW傘下のAudiと現代自動車グループ傘下の起亜自動車がそれぞれ2016年に新工場を稼働。日産とDaimlerは新設する合弁工場で、2017年から小型高級車を共同生産する。BMWとトヨタも2019年に新工場を開設する計画。

2015年1-9月のメキシコ市場は過去最高の94.5万台

大幅拡大する生産・輸出と比べると、メキシコの国内市場は伸び悩んでいたが、2015年1-9月のライトビークル販売は、前年同期比19.7%増の94.5万台で過去最高。ようやく経済危機前の水準に回復した。ローンの利用増、価格の抑制、米国からの中古車輸入の制限等が新車販売を押し上げたとされる。

LMC Automotiveの2015年第3四半期の予測によると、2015年通年のライトビークル販売台数は前年比17.9%増の133万台となる見込み。2016年から2018年までは年1.1-2.0%の割合で増加し、2018年には140万台に達すると予測している。

関連レポート
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メキシコ・ブラジルの日系部品メーカー:生産能力増強、新品目の生産 (2015年7月)



2015年1-9月の生産255万台のうち8割を輸出、輸出の8割は北米向け

 メキシコにおける2015年1-9月のライトビークル生産台数 (中大型商用車を除く) は、前年同期比6.5%増の255万台で過去最高となった。

 メキシコでは、米国3社、日本4社、VWがライトビークルを生産している。2015年1-9月は、生産台数第1位の日産は前年同期比1.5%増の61.7万台。第2位のGMは0.3%増の52.0万台、第3位のFCAは0.3%増の37.4万台となった。一方、2015年1月に小型SUV HR-Vの生産を開始したホンダは61.0%増の14.5万台、2014年10月にMazda2、2015年8月にトヨタへの供給モデルの生産を開始したマツダも、ホンダと同等の14.5万台を生産した。

 2015年1-9月のメキシコからの輸出台数は、前年同期比6.7%増の208万台で過去最高。自動車市場が好調な米国向けは7.5%増の149万台で、全体の71.4%。カナダを含めると北米向けは171万台で82.3%を占めた。市場が回復している欧州向けは11.8万台で、52.4%と大幅に増加。一方、総じて景気が低迷している中南米向けは8.7%減、アジア向けも32.2%減と落ち込んだ。

 

メキシコのメーカー別 light vehicle 生産台数  メキシコからの仕向地別 light vehicle 輸出台数

 

メキシコでのライトビークル生産・輸出・販売台数

(台)
2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2014年
1-9月
2015年
1-9月
生産台数

2,260,776 2,557,550 2,884,869 2,933,465 3,219,786 2,396,308 2,552,921
輸出台数 1,859,517 2,143,884 2,355,564 2,423,084 2,642,887 1,952,501 2,083,224
輸出/生産 82.3% 83.8% 81.7% 82.6% 82.1% 81.5% 81.6%
国内販売台数 820,406 905,886 987,747 1,063,363 1,135,409 789,568 944,907
資料:メキシコ自動車工業会 (AMIA)
(注) 1. ライトビークル (乗用車と小型トラック) の合計で、中大型トラック・バスは含まない。
2. 国内販売台数は、国産車と輸入車の販売台数の合計。2015年1-9月の輸入車の販売台数は507,578台で、全体の53.7%を占めた。

 

メーカー別 ライトビークル 生産・輸出・販売台数

(台)
生産台数 輸出台数 国内販売台数
2013年 2014年 増減率 2013年 2014年 2013年 2014年
GM 645,823 678,388 5.0% 525,733 553,502 201,604 216,958
Ford 525,220 442,583 -15.7% 520,217 426,574 85,721 79,097
FCA 439,110 500,247 13.9% 402,105 465,718 96,303 88,803
VW 516,146 475,121 -7.9% 423,937 397,976 189,991 195,332
Renault-日産 680,213 805,871 18.5% 449,570 538,972 285,653 318,093
トヨタ 63,724 71,398 12.0% 63,724 71,398 60,740 69,597
ホンダ 63,229 143,832 127.5% 37,798 104,738 58,381 60,128
マツダ 0 102,346 0 84,009 33,348 40,997
その他 - - - - - 51,622 66,404
合計 2,933,465 3,219,786 9.8% 2,423,084 2,642,887 1,063,363 1,135,409

 

生産台数 輸出台数 国内販売台数
2014年
1-9月
2015年
1-9月
増減率 2014年
1-9月
2015年
1-9月
2014年
1-9月
2015年
1-9月
GM 518,672 520,011 0.3% 420,844 404,569 154,006 177,777
Ford 338,875 331,249 -2.3% 327,774 317,121 55,814 62,208
FCA 372,166 373,352 0.3% 340,158 351,663 61,767 72,702
VW 353,816 350,919 -0.8% 291,146 306,024 140,895 156,904
Renault-日産 607,934 617,034 1.5% 406,615 392,668 219,095 264,203
トヨタ 53,784 71,077 32.2% 53,784 68,142 46,422 55,568
ホンダ 89,804 144,620 61.0% 62,258 120,687 39,581 49,646
マツダ 61,257 144,659 136.2% 49,922 122,350 27,784 39,435
その他 - - - - - 44,204 66,464
合計 2,396,308 2,552,921 6.5% 1,952,501 2,083,224 789,568 944,907

資料:AMIA

 

 



2015年1-9月のメキシコ市場は過去最高、主要メーカーが販売拡大

 2015年1-9月のメキシコにおけるライトビークル販売台数は、前年同期比19.7%増の94.5万台で過去最高。ようやく経済危機前の水準に回復した。ローンの利用増、価格の抑制のほか、自動車メーカーやディーラーの要請で、米国からの中古車輸入を政府が制限したことも、新車販売が増加した要因とされる。

 2015年1-9月期に主要メーカーはすべて販売を拡大した。メーカー別ではRenault-日産が最も多く26.4万台で、市場シェアは28.0%。GMは17.8万台でシェアは18.8%、VWは15.7万台でシェアは16.6%となった。2014年からメキシコで生産・販売を開始したマツダは、3.9万台を販売して4.2%のシェアを得た。

 

メキシコのメーカー別 light vehicle 販売台数  メキシコの light vehicle 市場シェア

 

 



主要メーカーのライトビークル生産拠点

 下表は、メキシコでライトビークルを生産する主要メーカー11社 (生産計画中のものも含む) の完成車工場の概要である。

 2015年1-8月では、Chevroletブランドのサブコンパクト車Aveoと小型SUV Traxを増産したGMのSan Luis Potosi工場の生産台数が36.6%増加。小型セダン Sentraを増産した日産のAguascalientes第2工場の生産台数も20.5%増加した。2014年初に稼働を開始したホンダのCelaya工場とマツダのSalamanca工場の生産も大幅に拡大した。

 生産車種拡大の動きでは、ホンダが2015年1月からCelaya工場で小型SUV HR-V (日本名 Vezel) の生産を開始。マツダはSalamanca工場で2014年10月にMazda2 (日本名 Demio)、2015年8月にMazda2ベースのトヨタ向け供給車 Scion iAの生産を開始した。今後の計画では、GMはRamos Arizpe工場でコンパクト車Chevrolet Cruzeの次期モデルを生産するが、現在生産している高級中型SUV Cadillac SRXの次期モデルは米国に移管する予定。VWはPuebla工場で2016年に小型SUVの新型Tiguanと新型4ドアクーペの生産を開始する。

 新設する工場での生産計画としては、VW傘下のAudiが新工場で2016年から高級中型SUVのAudi Q5を生産。現代自グループ傘下の起亜自も2016年から新工場でコンパクト車Forteを生産する。DaimlerとRenault-日産Allianceは新合弁工場で2017年から Infiniti、2018年からMercedes-Benzブランドの小型高級車を共同生産する。BMWは2019年に新工場を稼働する計画。トヨタも2019年から新工場でCorollaを生産する。

主要 ライトビークル メーカーの生産拠点

OEM 工場名 主要生産モデル 生産台数 (台)
2014年 2014年1-8月 2015年1-8月
GM Ramos Arizpe Cadillac SRX (次期型は米国に移管予定), Chevrolet Captiva Sports, Chevrolet Sonic, Chevrolet City Express (Nissan NV200ベース、改修のみ), 生産予定:次期型Chevrolet Cruze 173,400 127,510 86,252
Silao Chevrolet Silverado/GMC Sierra, Chevrolet Avalanche, Cadillac Escalade 373,966 249,338 250,439
San Luis Potosi Chevrolet Aveo, Trax 131,022 87,686 119,809
GM小計 678,388 464,534 456,500
Ford Hermosillo Ford Fusion, Lincoln MKZ 317,122 221,263 222,464
Cuautitlan Ford Fiesta 114,491 80,952 76,707
Ford小計 431,613 302,215 299,171
FCA Saltillo Ram Pickup, Ram ProMaster (Fiat Ducatoベース) 254,810 166,412 174,675
Toluca Dodge Journey/Fiat Freemont, Fiat 500 245,437 163,492 157,417
Chrysler小計 500,247 329,904 332,092
VW(Audi) Puebla VW Beetle, Bora, Jetta, Golf生産予定:新型Tiguan (2016年末-), 新型4ドアクーペ (2016年頃-) 475,121 312,513 324,146
San Jose Chiapa (2016年下期に稼働開始予定)
Audi Q5 (2016年下期-)
年産能力15万台
VW小計 475,121 312,513 324,146
BMW San Luis Potosi (2019年稼働開始予定)生産車種未定 年産能力15万台
Daimler および
Renault-日産
Alliance
Aguascalientes
(COMPAS)
Daimler と Renault-日産の合弁工場 (2017年稼働開始予定)
Infiniti車 (2017年-), Mercedes-Benz車(2018年-)
年産能力23万台
(2017年稼働開始時)
日産 Aguascalientes
第1工場
Nissan Sentra, Versa, Tiida, Micra (日本名 March), Versa Note 383,685 265,280 238,220
Aguascalientes
第2工場
Sentra 162,158 102,023 122,949
Cuernavaca Nissan Tsuru, Tiida, NV200, NP300 Frontier, Chevrolet City Express (NV200ベース), ピックアップ, シャシー 260,028 173,069 185,483
日産小計 805,871 540,372 546,652
トヨタ Tijuana Toyota Tacoma 71,399 47,617 53,485
未定
(Guanajuato州)
(2019年稼働開始予定)
Corolla (2019年-)
年産能力20万台
トヨタ小計 71,399 47,617 53,485
ホンダ El Salto Honda CR-V 62,025 42,596 43,317
Celaya Honda Fit, HR-V (日本名 Vezel, 2015年1月-) 83,188 32,484 85,697
ホンダ小計 145,213 75,080 129,014
マツダ Salamanca Mazda3 (日本名 Axela), Mazda2 (日本名 Demio), Toyota Scion iA (Mazda2ベース, 2015年8月-) 102,346 51,107 137,602
現代自動車
(起亜自)
Pesqueria (2016年半ば頃稼働開始予定)
Forte (2016年-)
年産能力30万台
資料:Ward's Automotive Yearbook, Ward's Automotive Report
(注) 1. 生産台数は、出典が異なるためAMIA発表の台数と一致しない。
2. メキシコでは上表の他に、中大型商用車をいすゞ、日野、Daimler、Volvo Trucks、Scania、MAN、Paccar、Navistarの各社が生産している (2014年は15.5万台)。

 

 



米国3社:GM、Ford、FCAの動向

GM:メキシコに2013~2018年に50億ドル投資

 GMは2014年12月、メキシコに2013年から2018年の6年間に50億ドルを投資すると発表した。Toluca, Ramos Arizpe, Silao, San Luis Potosiの4工場を刷新・拡張するために使用される。これらの投資により、5,600人の新規雇用が生まれる計画。既に過去2年間で総額50億ドルのうち14億ドルは投資済みで、新規雇用も1,200人は採用済み。今後4年間の投資は36億ドルで、新規雇用は4,400人となる計画。

 

GM:メキシコ市場に投入する新型車

Chevrolet City Express  小型商用バン。2014年10月に販売開始。日産NV200ベース。日産のCuernavaca工場で生産後、GMのRamos Arizpe工場で改修して出荷。3,474Lの荷物スペースを持つ。
Chevrolet S10  ピックアップ。2015年第4四半期に販売開始。シャシー、レギュラーキャブ、クルーキャブの3種のボディタイプを用意して、事業者向けに販売する。ブラジルで生産した製品を輸入する。
上海汽車との
共同開発車
 50億ドルを投資して、新興国市場向けの新型車ファミリーを上海汽車と共同開発する (2015年7月発表)。生産・販売はブラジル、中国、インド、メキシコで行い、他の新興国にも輸出する。多国籍のエンジニアやデザイナーが開発にあたり、各市場のニーズに対応する。最初の新型車は2019年型車となる予定で、新型車ファミリーの年間販売は全体で200万台超となる計画。

 

Ford:2018年にFocusとC-Max hybridの生産をメキシコへ移管

 Fordは、米国の Michigan Assembly Plant での小型車の Focus と C-Max hybridの生産を、2018年のモデルチェンジ時に終了する (2015年7月発表)。移管先はまだ正式に発表していないが、メキシコの Cuautitlan工場となる可能性が高い。

 

Ford:新エンジン・トランスミッション工場に25億ドルを投資

 Fordは2015年4月、メキシコの3つのパワートレインプロジェクトに計25億ドルを投資すると発表した。これらの工場で生産する部品は、メキシコのほか米国、アジア太平洋、欧州等の工場に輸出する。
新エンジン
工場建設
 投資額11億ドル。新規雇用1,300人。既存のChihuahuaエンジン工場の敷地内に建設。低燃費の新型ガソリンエンジンを製造予定。
既存工場
の生産拡大
 投資額2億ドル。新規雇用500人。既存のChihuahuaエンジン工場で、直列4気筒ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの生産を拡大。
新変速機
工場建設
 投資額12億ドル。新規雇用2,000人。場所は、Guanajuato州にある、変速機サプライヤーGetrag社との Irapuato合弁工場の敷地内。2機種の新型ATを製造予定。

 

FCA:Chrysler 200 と Dodge Dart をメキシコへ生産移管

 FCAは全米自動車労働組合 (UAW) との新協約の中で (2015年10月下旬に批准)、北米の生産体制を大幅に変更する計画を示した。乗用車生産をメキシコに、SUV、クロスオーバー、ピックアップ等の生産を米国に集約する。現在、メキシコ・Toluca工場で生産している Fiat 500 はポーランド工場へ集約。Toluca工場には、米国Michigan州 Sterling Heights工場から中型セダンの Chrysler 200、Illinois州 Belvidere工場から小型セダンの Dodge Dartを生産移管する予定。

 

 



欧州・韓国メーカー:Daimler/Renault-日産、現代自の動向

DaimlerとRenault-日産アライアンス:合弁工場の建設開始

 DaimlerとRenault-日産アライアンスは2015年9月、新合弁生産会社COMPAS (Cooperation Manufacturing Plant Aguascalientes) の新工場の建設を開始した。新会社COMPASにおける Daimler と日産の持ち株比率は50対50。両社は合計10億ドルを投資し、日産の Aguascalientes 第2工場の近くに新工場を建設する。
 新工場では、2017年からInfinitiブランド、2018年からMercedes-Benzブランドの次世代高級コンパクト車を生産する。当初の年産能力は23万台で、2020年までに3,600名の雇用を創出する予定。

 

現代自動車グループ:起亜自はメキシコで販売開始、工場も新設へ

Kiaブランド車の
販売開始
 現代自動車グループ傘下の起亜自動車は2015年7月1日から、メキシコで Kiaブランド車の販売を開始した。まず、主要10都市の21ディーラーで販売を開始。当初は小型セダン Forte、小型SUV Sportage、中型SUV Sorentoを、同年11月からは新型中型セダン Optima を販売する。今後、販売網の拡大を進め、2016年1月までに26店、2017年までに18店を追加する計画。
Kia初の工場
建設開始
 起亜自動車は10億ドルを投資して、2014年10月からメキシコ北東部の Nuebo Leon州 Pesqueria で新工場を建設している。起亜初のメキシコ工場。年産能力は30万台で、2016年半ばから小型セダン Forte、その後、起亜の他の小型車を生産する。生産車両はメキシコで販売するほか、米国や中南米諸国に輸出する。新工場は2017年までに約3,000人を雇用する計画。

 

 



日本メーカー:日産、トヨタ、ホンダ、マツダの動向

日産:新型ピックアップ NP300 Frontier を投入

 日産は2015年3月、新型中型ピックアップ NP300 Frontier の販売を開始した。3バージョンを用意し、メキシコ全地域の230余のディーラーで販売する。モレロス州Cuernavaca工場で生産し、生産車両の大半はメキシコで販売するが、一部は中南米諸国に輸出する。

 

トヨタ:メキシコに新工場を建設、 ピックアップTacoma の新型車を投入

新工場建設  トヨタは2015年 4月、約 10億ドルを投資してメキシコ中部 Guanajuato州に新工場を建設すると発表した。2019年に稼働を開始し、2020年型Corollaを生産する計画。年産能力は20万台で、約2,000人を雇用する。
 トヨタは2013年度から3年間工場新設を凍結していたが、収益体質が改善し、低コストの工場構築の目途がついたため、メキシコと中国で工場新設を再開する。メキシコ新工場は、世界で初めてTNGA (Toyota New Global Architecture:トヨタが提唱する、商品力向上と原価低減を同時に達成するクルマづくりの方針) を前提として設計される。新工場建設の際の初期投資も、2008年に比べ4割低減する。
新型Tacoma を
投入
 トヨタは2015年9月にTijuana工場で中型ピックアップ Tacoma の新型車の生産を開始。2.7Lの4気筒エンジンまたは新開発した3.5L V6エンジンを搭載。いずれも新型6速ATを組み合わせるほか、V6エンジンには6速MTも用意。2輪駆動と4輪駆動がある。米国テキサス州San Antonio工場でも生産する。発売は2015年年秋。

 

ホンダ:新CVT工場を開設

 ホンダは2015年10月、Guanajuato州 Celaya市で新 CVT工場の開所式を実施した。投資額は3億ドルで、新たに従業員 1,100人を雇用する。次世代革新技術 Earth Dreams Technology の一環として展開しているCVTを生産し、米国とメキシコで生産するホンダ車に搭載する。当初の年産能力は35万基だが、将来は70万基に引き上げる計画。

 

マツダ:メキシコ工場の生産能力拡大

 マツダは、Salamanca工場で2014年10月に新型Mazda2 (日本名 Demio) 、2015年8月にMazda2ベースのトヨタ Scion iAの生産を開始した。マツダは、世界市場で好調なSKYACTIV技術搭載車の需要増加に対応するため、同工場の年産能力を拡大する。2014年の23 万台から、2016年3月期末までには25万台に引き上げる計画。

 

 



LMC Automotive 生産予測:メキシコのライトビークル生産台数は2018年に480万台へ

(LMC Automotive社、2015年9月)

メキシコのグループ別 light vehicle 生産予測 LMC Automotiveが2015年10月に発表した予測によると、メキシコにおけるライトビークル生産台数は2015年に前年比7.3%増の340万台、2016年に同6.0%増の360万台となる見込み。LMC Automotiveは現時点において、VW Groupの排ガス不正問題が2015年の残りの期間と2016年の同社の生産計画に何らかの影響を及ぼすと考えている。メキシコのPuebla工場で生産されている全車種が影響を受けるが、特にJettaは生産台数が大幅に減少する見通し。また、AudiのSan Jose Chiapa新工場におけるAudi Q5の生産開始が遅れることもあり、2016年のVW Groupの生産台数は伸び悩むと予測している。

 FCAと全米自動車労働組合 (UAW) との間の新労働協約は最近批准されたばかりだが、予定されている同社の生産計画の変更はLMC Automotiveの予測に盛り込まれている。顕著な動きとしては、米国工場で生産しているFCAの乗用車の多くをメキシコのToluca工場に移管することである。

 メキシコにおけるライトビークル生産台数は2017年以降も増加し、2018年には480万台に拡大する見通し。

メキシコのブランド別 ライトビークル 生産予測 (LMC Automotive)

(台)
Sales Group Global Make 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018
Total 2,846,434 2,910,986 3,171,466 3,402,733 3,605,725 4,106,990 4,803,693
General Motors Group Chevrolet 381,488 457,205 458,317 475,633 552,678 723,330 740,033
GMC 94,709 99,611 129,463 140,138 126,010 192,937 257,222
Cadillac 92,716 89,385 100,251 88,808 1,521 0 0
General Motors Group sub-total 568,913 646,201 688,031 704,579 680,209 916,267 997,255
Renault-Nissan Group Nissan 685,035 680,410 796,239 802,931 848,201 833,869 837,501
Infiniti 0 0 0 0 0 6,393 49,745
Renault 0 0 0 0 6,690 9,785 9,276
Renault-Nissan Group sub-total 685,035 680,410 796,239 802,931 854,891 850,047 896,522
Fiat Chrysler Automobiles Ram 167,630 176,677 196,385 240,312 270,009 216,604 216,406
Jeep 0 0 0 0 0 122,878 205,198
Dodge 178,716 183,353 197,153 189,392 154,843 169,985 164,398
Chrysler 0 0 0 0 0 9,906 160,112
Fiat 81,824 66,090 71,494 63,976 60,750 62,198 36,380
Fiat Chrysler Automobiles sub-total 428,170 426,120 465,032 493,680 485,602 581,571 782,494
Volkswagen Group Volkswagen 602,664 515,952 475,111 467,205 453,118 497,031 565,848
Audi 0 0 0 0 58,051 170,048 181,458
Volkswagen Group sub-total 602,664 515,952 475,111 467,205 511,169 667,079 747,306
Ford Group Ford 423,423 469,780 392,169 401,512 407,925 397,537 625,227
Lincoln 20,740 45,615 39,444 37,355 41,764 42,910 41,604
Ford Group sub-total 444,163 515,395 431,613 438,867 449,689 440,447 666,831
Honda Group Honda 61,813 63,231 145,159 210,131 246,597 209,343 217,755
Hyundai Group Kia 0 0 0 0 54,927 133,789 181,484
Hyundai 0 0 0 0 0 0 24,213
Hyundai Group sub-total 0 0 0 0 54,927 133,789 205,697
Mazda Motors Mazda 0 0 99,033 183,345 181,929 171,669 159,308
Toyota Group Toyota 55,676 63,677 71,248 92,345 121,432 119,862 112,960
Scion 0 0 0 9,650 19,280 16,916 15,465
Toyota Group sub-total 55,676 63,677 71,248 101,995 140,712 136,778 128,425
Daimler Group Mercedes-Benz 0 0 0 0 0 0 2,100
Source: LMC Automotive "Global Automotive Production Forecast (September 2015)"
(Note) 1. データは、小型車(ライトビークル: 乗用車+車両総重量 6t以下の小型商用車)の数値。
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