日本メーカーの2013年度業績見通し:相次ぐ上方修正

トヨタは過去最高水準の営業利益を計画、日産は下方修正

2013/11/14

要 約

 日本メーカー各社は、2013年度当初は、円高の修正、好調な米国市場、堅調な国内市場を背景に、過去最高水準の販売台数・利益計画を立てていた。上半期(4月-9月)は全社増収、営業利益も日産/ダイハツを除いて全社増益を計上。10社合計の連結販売台数は前年同期比0.5%増の1,162万台、売上高は同14.5%増の28.6兆円、営業利益は同56.1%増の約2.3兆円を記録した。

 各社は上期決算発表時に、想定為替レートを円安方向へ変更し、タイ/インドネシアなどアジア市場の変調を受けて通年計画の見通しを修正した。10社合計で見ると、連結販売台数は当初計画比24万台減の2,459万台(前年同期比5.2%増)、売上高は同1.5兆円増の59.0兆円(同14.0%増)、営業利益は同4,380億円増の約4.4兆円(同50.0%増)へ修正。

 通年計画の修正の仕方は各社まちまちであり、富士重とダイハツは、販売台数/売上高/営業利益を当初から過去最高の更新を計画していたが、全てをさらに上方修正。特に富士重の営業利益は、過去最高を記録した2012年度の約2.3倍の2,780億円となる見通し。

 トヨタ/マツダは売上高/営業利益を大幅上方修正。トヨタは当初見通しと比べて、売上高を1.5兆円増の25兆円、営業利益を4,000億円増の2.20兆円へ見通しを引き上げ、経済危機前の2007年度の営業利益2.27兆円に迫る水準。

 一方日産は、販売台数/売上高/営業利益を全て下方修正。アジア/ロシア/ブラジルなど新興国での販売減少、米国などでのリコール費用が発生したことなどが要因。

 

 

日本メーカーの2013年度見通し(数値の色塗り(太字)は過去最高を示す)

 四輪車売上台数(千台)連結売上高(億円)営業利益(億円)
2013年度 計画 (当初)2013年度計画 (修正計画)2013年度 計画 (当初)2013年度計画 (修正計画)2013年度 計画 (当初)2013年度計画 (修正計画)
トヨタ 9,100 9,100 維持 235,000 250,000 上方修正 18,000 22,000 上方修正
日産 4,889 4,797 下方修正 103,700 101,900 下方修正 6,100 4,900 下方修正
ホンダ 4,430 4,430 維持 121,000 121,000 維持 7,800 7,800 維持
スズキ 2,803 2,708 下方修正 28,000 28,000 維持 1,500 1,700 上方修正
マツダ 1,120 1,130 上方修正 24,800 26,500 上方修正 1,200 1,600 上方修正
三菱 1,169 1,111 下方修正 22,700 21,300 下方修正 1,000 1,000 維持
ダイハツ 1,067 1,099 上方修正 18,000 18,500 上方修正 1,350 1,370 上方修正
富士重工 752 807 上方修正 20,500 23,000 上方修正 1,800 2,780 上方修正
いすゞ 567 503 下方修正 19,200 18,200 下方修正 1,800 1,800 維持
日野 175 170 下方修正 16,200 16,800 上方修正 850 1,000 上方修正
10社合計 24,830 24,586   574,900 589,900   39,200 43,580  
資料:各社の決算短信と決算発表資料
(注)
合計欄には、トヨタとダブルカウントになるダイハツと日野の連結数値を含まない。

 

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