日産、ホンダ、三菱自、スズキのHV/PHV/EV計画

ホンダは3タイプのHVシステム搭載車、三菱自はEV派生型のPHVを投入

2013/10/11

要 約

 以下は、日産、ホンダ、三菱自動車およびスズキのHV(Hybrid vehicle)、PHV(Plug-in hybrid vehicle)およびEV(Electric vehicle)の最近の投入実績および計画である。

 なお日産Serenaが搭載する簡易HV「スマートシンプルハイブリッド」、スズキが採用したマイクロハイブリッドシステム「エネチャージ」搭載車も含めてレポートする。

Acura NSX Concept
3モーターHVシステムを搭載する
ホンダAcura NSX Concept
(2013 Frankfurt Motor Showから)
Outlander PHEV
EV派生型の三菱Outlander PHV
(2013 Frankfurt Motor Showから)


多様なシステムのHV/PHVが登場

 これまでの日本自動車メーカーのHVモデルでは、トヨタのTHS(Toyota Hybrid System)が市場の大勢を占め、ホンダのIMA(Integrated Motor Assist)が対抗し、日産が高級車Fuga/Cimaに後輪駆動車用1モーター2クラッチシステムを搭載していた。

 しかし2013年に、日産、ホンダ、三菱自動車が新たなシステムを搭載するHV/PHVを投入した。

 日産は、前輪駆動用1モーター2クラッチ式のHVを米国で発売した。

 ホンダは、1モーター、2モーターの新しいHVシステム搭載車を発売した。さらに2013年中に3モーターシステム搭載車を米国で発売する。

 三菱自動車は、EV派生型のPHV Outlanderを発売した。

 

ホンダAccordと三菱Outlanderが、EV走行中心のHV/PHVシステムを採用

 ホンダAccordの2モーター式HVシステムは、EV走行を中心とし、エンジンの使用はできるだけ発電用と高速走行に限定して、30.0km/Lの低燃費を実現した。

 Accord PHVは、Accord HVと共通のシステムを搭載するEVベース型のPHVで、リチウムイオン電池の容量を6.7kWhに増やしたことにより37.6kmのEV走行を可能にした。

 三菱Outlander PHVもEV派生型のPHVで、12kWhとさらに大きい容量のリチウムイオン電池を搭載しEV走行距離60.2kmを実現した。

 現時点では、ホンダと三菱自のシステム搭載車が、HVのJC08モード走行燃費、PHVのEV走行距離などで、トヨタ車より優れた数値を示している。

 一方のトヨタは、2013年Frankfurt motor showで、2015年にも発売する次期型Priusから、燃費を大幅向上させコストを下げたHVシステムを搭載すると発表した。また並行して開発しているPrius PHVのEV走行距離を延長するとしている。


参考レポート:
トヨタのHV/EV計画:新規HVを積極投入し、更にラインアップを拡充(2013年9月掲載)
日産の北米事業:2017年をめどに北米新工場建設を検討(2013年7月掲載)

 

 



日産、ホンダ、三菱自、スズキのHV/PHV/EV販売台数

日産、ホンダ、三菱自動車、スズキの国内HV/PHV/EV販売台数

(台)
2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年
1~6月
日産 (HV)Fuga、Cima 1,152 3,293 4,208 1,104
(HV)Serena 30,122 42,333
HV 合計 1,152 3,293 34,330 43,437
(EV)Leaf 19 10,310 11,115 5,686
ホンダ Insight 1 93,283 38,080 13,127 8,905 1,901
Fit(Shuttleを含む) 24,498 102,386 116,212 33,881
Civic 5,124 3,766 2,542 508 19 1
CR-Z 22,372 6,794 5,060 1,979
Freed(Spikeを含む) 11,373 53,895 19,039
Accord 0 923
HV合計 5,125 97,049 87,492 134,188 184,091 57,728
(PHV)Accord 4
(EV)Fit 29 0
三菱自動車 (HV)Dignity 49 25
i-MiEV 986 2,340 2,290 2,295 1,047
MINICAB-MiEV 849 2,489 1,441
EV合計 986 2,340 3,139 4,784 2,488
(PHV)Outlander 0 4,307
スズキ (HV)Landy 352 468

資料:日本自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合会

 

 



日産:2016年度末までの4年間にHV 15モデルを投入

 日産は、2012年12月、2016年度末までの4年間にHV 15モデルを投入すると発表した。ピックアップトラックやSUVも含めて、幅広く設定する計画。日産は、Fuga、Cimaに後輪駆動用HV、ミニバンSerenaに「スマートシンプルハイブリッド」を搭載しているが、2013年夏に、米国で販売するPathfinderに日産初の前輪駆動用HVを搭載し発売した。

 日産は、毎年1モデルのHVを投入していく計画。各国・地域の2015年以降の燃費規制に対応するためには、内燃機関の改善だけではおいつかず、全ての車に何らかの電動サポートが必要としている。

 EVについては、2012年末から米国Smyrna工場で、2013年1月から英国Sunderland工場でLeafの生産を開始した。また海外生産を機に、低価格グレードの設定、リチウムイオン電池の保証制度の強化など、販売促進策を打ち出している。その結果、2013年1~8月米国でのLeafの販売台数は、前年同期の4,228台から14,123台へと3.3倍に増加した。日本でも同様の施策を発表したが、1~8月販売台数は7,655台で3.8%増にとどまっている。

 また、EVの技術を商用車に展開する計画。2014年にe-NV200(Leafに続く2番目の EVモデル)を発売。続いてe-NT400を開発している。

日産のHV/EV投入計画

(海外でのみ生産する、または生産が見込まれる車種は、次表「日産のHV/EVの海外生産」に記載)
~2012年 2013年 2014年 2015年 2016年~
HV Fuga 2010
Cima 発売
Serena S-HYBRID 発売
FF中小型HV(表1)
Atlas H43 Diesel Hybrid いすゞ製は
終了
三菱ふそう
が供給
Infiniti Q50(2) 米国発売
EV Leaf (3) 2010年発売、
2012年低格
グレード設定
超小型EV(4) 横浜市の
パトロールに
提供
横浜市で
大規模テスト
国内発売
PHEV 中大型車 (5) 発売

(注) "~2012年" 欄の表示は、当該最新モデルの発売年、2012年発売車は"発売"と記載 。

(表1)
FF車用HVシステム
 日産はFF車向けに変更した1モーター2クラッチシステムを、新世代CVTに内蔵し(生産を担当するJATCOは「CVT8 HYBRID」と呼称)、2.5Lスーパーチャージャー付きエンジン、リチウムイオン電池と組み合わせた。現在までに発表されている2モデルは、米国で生産する。
(2)
Infiniti Q50
 Infiniti Q50(日本名Skyline)に、3500ccエンジンとモーターを搭載する、Fuga/Cimaと共通の後輪駆動用HVシステムを採用し、2013年8月に米国で発売した。FRおよびAWDを設定(Infiniti M HVには、AWDを設定していない)。日本の栃木工場で生産する。
(3)
Leaf
 日産は、本格的にEV Leafの普及を進める方針で、2012年11月にマイナーチェンジし、1回の充電による航続距離を228kmに28km延長、またそれまでのベース仕様Xグレードから40万円強価格を下げたSグレードを発売した。さらに2013年4月に、3仕様全て一律約28万円値下げした。Sグレードは、政府補助金78万円を受給すると、約220万円で購入できる。
 2013年6月には、購入後5年間または走行5万kmまで、電池の充電可能容量が当初設定の7割を割り込んだ場合、日産が無償で修理又は交換する制度を開始した。これらの積極策を実施しているが、2013年1~8月日本国内でのLeaf販売台数は7,655台で、前年同期比3.8%増にとどまっている。
(4)
超小型 EV "New Mobility Concept"
 "日産 New Mobility Concept"は、RenaultのTwizyをベースとしたコンセプトカーで、リチウムイオン電池を搭載し、最高時速80km、全長2340mm、車両重量490kg、乗車定員2名。高齢者の増加や近距離移動のニーズに対応する狙いで、各種の走行テストを行っている。国土交通省は、2015年に自動車メーカーが超小型EVを市販できるように準備を進めている。
 2012年7月からは、横浜地域の防犯パトロールに提供。また2013年10月から約1年間、横浜市で最大時には100台の"New mobility concept"を提供して、カーシェアリングのテストを行うと発表した。
(5)
PHV
 日産は、1モーター2クラッチシステムを応用した中大型車向けPHVシステムを開発し、2015年にも投入するとされる。PHVでは、EV走行距離を確保することが重要になるが、FugaとCimaに搭載する1モーター2クラッチシステムは、実走行で約半分の距離をEV走行しており、PHVにも向くとしている。

 

日産のHV/EV海外生産

-2012年 2013年 2014年 2015年 2016年-
HV 前代Altima (米国で生産) 2011
生産終了
Pathfinder(表1) 米国
Infiniti QX60(表1) 米国
中国仕様HV(2) 現地生産を検討
EV Leaf(3) 米国 英国
E-NV200(4) スペイン
e-NT400(5) 発売予定
Infiniti LE concept(6) 2017年頃
発売
中国独自ブランドEV(2) 現地生産を検討

 

(表1)
Pathfinder/QX60
 2500ccスーパーチャージャー付エンジンと前輪駆動用HVシステムを搭載して、Smyrna工場で生産し、2013年夏の終りに発売する。City燃費は25 mpg、Highway燃費は27 mpg、総航続距離は526マイル。
 Pathfinderの姉妹車である7人乗りLuxury Crossover車Infiniti QX60(旧JX)に、同じHVシステムを搭載し2013年秋に発売する。同じSmyrna工場で生産する。
(2)
中国でHV/EV生産
 日産は、2013年上海モーターショーに、HVスポーツカーの"Nissan Friend-ME"コンセプトと、VenuciaブランドEV "VIWA"コンセプトを出展した。日産は2014年までに大連市に同EV 1,000台を供給すると発表している。現地生産を検討中と報道されている。
(3)
Leaf
 日産は、2012年後半から米国のSmyrna工場で(年産能力は最大15万台)、2013年から英国のSunderland工場で(年産能力最大5万台)Leafの生産を開始した。これを機に、低価格グレードの設定、リチウムイオン電池の品質保証制度の拡充などを進め、2013年1~8月、米国での販売台数は3.3倍増し14,123台。
 詳細は2013年7月掲載「日産の北米事業:2017年をめどに北米新工場建設を検討」をご参照ください。
(4)
e-NV200
 日産は、2013年末からスペインのBarcelona工場でNV200のEVを生産し、当初は欧州市場に供給する。日産にとってLeafに続く2車種目のEVとなる。EV走行距離は、リーフと同等(200km)を目指す。リチウムイオン電池は、英国Sunderland工場で生産し供給する。
(5)
e-NT400
 日産はe-NV200の開発を完了し、次の商用車EVとして、2012年9月ドイツのHanover商用車モーターショーに出展した商用車CabstarベースのEV "e-NT400"を開発中で、2015年をめどに発売予定とされる。(CabstarはアトラスF24の姉妹車で、スペインで生産している。)
 1回の充電による走行距離はNEDC基準で87マイル(140km)程度だが、配送用としては十分。また、e-NV200も同じだが、欧州の内燃機関自動車の乗り入れを規制している大都市にも乗り入れることができる。
(6)Infiniti
LE Concept
 LeafベースのInfiniti EVを開発し、2014年発売の予定であったが、新世代のリチウムイオン電池の開発を待って、2017年をめどに発売することに変更したとされる。

(注)日産は2013年Frankfurt Motor Showに、"Infiniti Q30 Concept"を出展した。2015年から英国工場で生産する。Q30のベースであった"Etherea Concept"は前輪駆動HVとされていた。Q30はMercedes-Benzのプラットフォームを活用する計画で、Q30にHVが設定されるかは不明。

 



ホンダ:3タイプの新しいHVシステムを開発し導入

 ホンダは、車両の大きさ、特性に応じて3種類の新しいHVシステム、小型車向きの1モーターシステム、中型車向きの2モーターシステム、大型車向きの3モーターシステムを開発した。2013年6月に2モーター式をAccordに、9月に1モーター式をFitに搭載し発売した。3モーター式は、Acura RLXに搭載し、2013年中に米国で発売する。

ホンダの3タイプのSPORT HYBRIDシステム

1 モーターシステム
(Fit HV)
 ホンダは、"SPORT HYBRID Intelligent Dual Clutch Drive (i-DCD)"と呼称。1.5Lのアトキンソンサイクルエンジン、22kWのモーター内蔵の7速DCT(Dual Clutch Transmission)と容量864Whのリチウムイオン電池を組み合わせた新型Fit HVは、国内最高のJC08モード走行燃費36.4km/Lを達成し(Fit前モデルは26.4km/L、トヨタAquaの燃費は35.4km/L)、従来のIMA HVシステムに比べ35%以上燃費性能を向上させた。
 モーターは、DCTの奇数段ギヤにつながるメインシャフトに接続されている(偶数段で駆動しているときも、モーターによるアシストや充電は可能)。走行状況に応じてエンジンとモーターを接続、切断することで、モーターのみの「EVドライブ」、エンジンとモーターの「ハイブリッドドライブ」、高速時はエンジンのみの「エンジンドライブ」という3つの走行モードから自動的に選択される。
 i-DCDでは、モーターのみで発進、低中速クルーズではEVドライブとハイブリッドドライブを使い分け、高速クルーズではエンジンドライブとハイブリッドドライブを使い分ける。
 減速時には、クラッチでエンジンを切り離し、エネルギー回生を高めることで、燃費をさらに向上。採用した電動サーボブレーキも回生効率向上に貢献する。
2 モーターシステム
(Accord HV/PHV)
 ホンダは、"SPORT HYBRID Intelligent Multi Mode Drive/Plug-in (i-MMD)"と呼称。Accord HVは、新開発のハイブリッド専用エンジンと、2つのモーター(発電用と駆動用)に、1.3kWhのリチウムイオン電池を組み合わせた。エンジンは、発電用または高速走行に使用するので、いわゆる変速機は搭載しない。
 3つのドライブモードを組み合わせて、そのときの走行に最も効率のよいモードを自動選択し走行する。
・EVドライブモード:発進やクルーズ時には、電池に蓄えた電気エネルギーで走行する。
・ハイブリッドドライブモード:加速時には、発電用モーターをエンジンで駆動し、その電力を走行用モーターに供給して走行する。
・エンジンドライブモード:高速道路などでのクルーズ走行時には、エンジンと駆動軸を直結し、高速時に効率が高いエンジンで走行する。
 発進はEVドライブモード、低中速クルージング時にはEVドライブモードとハイブリッドドライブモードを使い分け、高速クルージング時にはエンジンドライブモードとEVドライブモードを使い分ける。
 Accord PHVのシステムはHVと共通だが、容量6.7kWhのリチウムイオン電池を搭載し、EV走行距離37.6kmを実現、日常走行のほとんどをEVドライブモードで行うことが可能。また日本で発売するPHVには、コンパクトで外部充電を可能にするインバーターを設定する。
3 モーターシステム
(Acura RLX/NSX、
ホンダLegend)
 ホンダは、"SPORT HYBRID SH-AWD (Super Handling-All Wheel Drive)"と呼称。V6エンジンと高出力 3モーターシステムの組み合わせにより、V8エンジンと同等の加速性能と、直列4気筒エンジン以上の低燃費を同時に実現する。
 Acura RLXでは、前輪を新開発V6 3.5L直噴エンジンと新開発の1 モーター内蔵7速DCTを組み合わせて駆動し、後輪を車体後部に搭載した2つのモーターにより、左右それぞれ独立して制御し、後輪トルクを自在に制御してシャープなコーナリングを可能にする。
 なお次期型Acura NSXは同様のHVシステムを搭載するが、ミッドシップエンジンのため、後輪をエンジンと1個のモーターで、前輪を2個のモーターで駆動するシステムを採用する(RLXと駆動システムの前後配置が逆になっている)。
(注) 1. ホンダは、1モーターおよび3モーターHVシステムに搭載するDCTと関連制御技術を、ドイツのSchaefflerと共同で開発した。
2. シビックは、車体のサイズからは、1モーターシステムと2モーターシステムの中間に位置している。次期型シビックは、コストは上がるがより燃費効率のよい2モーターシステムを採用する予定とされている。

 

ホンダ:3タイプのHVシステム搭載車を投入

(海外でのみ生産する、または生産が見込まれる車種は、次表「ホンダのEV/HVの海外生産」に記載)
~2012年 2013年 2014年 2015年 2016年~
HV Insight(表1) 2009
2012中国
CR-Z(1) 2010
2012中国
Fit (1、2) 2010 新型Fit
2012中国
新型 Civic (海外専用) 2011米国
Fit Shuttle 2011
日本で発売
マイナー
チェンジ
Freed(Spikeを含む)
Accord (3) 発売
Acura RLX(4) 米国で発売
Legend後継モデル(4) 日本で発売
STEPWGN 日本で発売
PHV Accord(3) 日米で発売
EV Fit EV 日米で発売
Micro Commuter Concept(5) 熊本県や沖縄県で実証実験

(注) "~2012年" 欄の表示は、当該最新モデルの発売年、2012年発売車は"発売"と記載 。

(表1)
中国へ投入
 ホンダは既に中国で発売していたCivic HV(東風ホンダ扱い)に加えて、2012年にInsight(東風ホンダ)と、CR-ZとFit HV(広汽ホンダ)、Acura ILX(Acura専売網)を投入し、販売するHVは5車種に拡大した。
(2)
新型Fit HV
 2013年9月に、新型Fit HVを発売した。ベース車価格は163.5万円で、トヨタAquaの169万円を下回る価格とした。ガソリン車を含むFitシリーズの発売約1カ月での累計受注台数は、月間販売計画(15,000台)の4倍強となる62,000台を超え、うち約7割がHVであった。
 2013年11月に、FitベースSUVのHVを発売する見込み。また12月に、Fit HVのAWD車を発売する。
(3)
Accord HV/PHV
 ホンダは、2013年6月に、新型Accord HV/PHVを日本国内で発売した(国内ではガソリン車は販売しない)。HVは、JC08モード走行燃費30.0km/L(トヨタCamryの燃費は23.4km/L)、PHVはEV走行距離37.6kmと複合燃料消費率70.4km/Lを達成した。Accord HV/PHVは狭山工場で生産する。システムの詳細は前項ご参照ください。
(4)
Acura RLXと
新型Legend
 ホンダは、Acuraブランドの最上級モデルであるRL(日本名Legend)の次期型車をAcura RLXと呼称。3モーターのHVシステムSH-AWDを搭載し(詳細は前項参照ください)、2013年後半に米国で発売し、2014年に日本で新型Legendとして発売する。日本の狭山工場で、米国で販売するAcura RLXと次期型Legendを生産する。
(5)
Micro Commuter
 現在超小型EVは、国が認めたエリアのみを走行できる。ホンダは2013年秋から熊本県や沖縄県宮古島で実証実験を行う(2013年6月発表)。ホンダは2人乗り車を2013年度11台、2014年度に20台提供し、超小型EVの可能性を探求する。

 

ホンダのHV/EV海外生産

~2012年 2013年 2014年 2015年 2016年~
HV Acura ILX(表1) 米国生産
中国発売
Jazz(Fit) タイ
マレーシア
Accord(2) 米国
NSX(3) 米国
(中国生産)(4) (2016年頃)
中国生産

 

(1)
Acura ILX
 ホンダは2012年4月から、米国Indiana工場でAcura ILXガソリン車とHVの生産を開始した。HVモデルは、1500ccガソリンエンジンと1モーター式のIMAシステムを搭載する。ホンダのHV海外生産は初。
 2012年11月、中国の広州モーターショーに出展し、中国でも発売した。
(2)
Accord HV
 米国仕様Accord HVは、2013年夏に米国オハイオ州Marysville工場で生産し、秋に発売する。基幹部品は日本から輸入する。EPA city燃費は 50 mpgと予告している(米国仕様トヨタPriusは 51 mpg、Camry HVは 43 mpg)。
(3)
Acura NSX
 ホンダは、次期型NSXを米国オハイオ州の"Honda R&D Americas"で開発中。近接する場所に、約70百万ドル(約66.5億円)を投資して新型NSX専用工場"Performance Manufacturing Center"を建設し、2015年に量産を開始する。従業員が持つ職人の技と新たな生産技術を調和させ、高いクラフトマンシップで生産する。
 新開発の"Sport Hybrid SH-AWD (Super handling-All Wheel Drive )"を採用。前輪の左右を独立した2つのモーターで駆動する四輪駆動システムを採用する。
(4)
HV中国生産
 ホンダは、中国国内でHVを3年以内に開始する目標を設定したと発表(2013年6月発表)。電池やモーターなど基幹部品を現地調達する体制を整えてコストを削減し、顧客のより購入しやすい価格を実現しHVを拡販する計画。生産する車種や工場は今後詳細を詰めるとしている。
 なお関連して、EVについては2012年末から少量生産する計画があったが、昨今の日中関係や充電インフラ整備などの問題から先送りされている。

 

 



三菱自動車:2013年8月、Outlander PHVの生産を再開

 三菱自動車は2013年1月、軽トラックEVを発売した。

 同じ2013年1月、三菱自動車はOutlander PHVを日本で発売した。EV派生型の「Plug-in Hybrid EV system」を搭載する。

 2013年3月に、Outlander PHVの販売店在庫車両のリチウムイオン電池が溶損するという不具合が発生し、約5カ月生産を休止して、原因究明と出荷済み車両のリコールを行い8月中旬に生産を開始した。不具合の発生にもかかわらず、環境性能への評価から生産再開時に世界で18,000台の受注残を抱えていたとされる。現在の生産は月2,000台のペースだが、2014年5月までに倍の月4,000台に引き上げる計画。

 三菱自は、Outlander PHVの好調な販売を受けて、「全てのSUVにPHVを展開したい」としている。

三菱自動車:EV派生型のOutlander PHVを発売

~2012年 2013年 2014年 2015年 2016年~
EV i-MiEV 2009年日本
2011年北米
MINICAB-MiEV Van 2011年
MINICAB-MiEV Truck(表1) 発売
HV Dignity(2) 発売
PHV Outlander(3) 発売

(注) "~2012年度" 欄の表示は、当該最新モデルの発売年度、2012年度発売車は"発売"と記載 。

(表1)
MINICAB-MiEV Truck
 2011年11月に発売した軽商用バンEV、MINICAB-MiEV Vanに続き、2013年1月に軽トラックEV(MINICAB-MiEV Truck)を発売した。ベースのガソリン車と同等の荷台スペースと積載量(350kg)を確保した。補助金適用後の実質負担額は約140万円。
 三菱自動車は、2013年内にMINICAB Van/Truckの生産を終了し、スズキからOEM供給を受けると発表した。ただし、MINICAB-MiEV Van/Truckの開発・生産・販売は強化し継続する。
(2)Dignity  Dignityは、日産Cima(HV専用車)のOEM供給車。
(3)
Outlander PHV
 三菱自動車は、Outlander PHVを2013年1月に国内市場に投入し、順次欧州や北米など世界展開を進める。 三菱自動車は、「Plug-in Hybrid EVシステム(PHEV)」と呼び、長距離移動ニーズの高い中型乗用車以上のカテゴリー向けに開発したとしている。 EV走行は60.2km(JC08モード)、エンジンによる発電・走行を含めた航続可能距離は897km(JC08モード)。 価格(消費税込み)は、332.4万円から429.7万円。
 EVをベースに開発したPHVで、2000ccガソリンエンジン、モーター2基(前輪駆動用と後輪駆動用)、発電機、総電力量12kWhの大型リチウムイオン電池を搭載する。前輪をエンジンと前輪用モーター、後輪を後輪用モーターで駆動する、プロペラシャフト等の機械的結合の無い「ツインモーター4WD」システムを採用。複合燃料消費率は67km/L(JC08モード)。
 3つの走行モードを使い分ける:(1)電池に蓄えた電力のみを使用しモーターで走行するEV走行モード、(2)エンジンを発電用に動かして、その電力も使ってモーター走行するシリーズ走行モード、(3)高速走行時には、効率のよいエンジンの駆動力を主体に走行し、加速・登坂時などはモーターがアシストするパラレル走行モード。ガソリンエンジンによる走行は高速走行時に限定されるので、いわゆる変速機は持たない

(注)三菱自動車は、2013東京Motor Showに、PHVのコンセプトカーを2台出展する。「MITSUBISHI Concept GC-PHEV」(GCはGrand Cruiserの略)は次世代ラージSUVのConceptで次期型パジェロを示すとされる。もう1台は、次世代コンパクトSUVのConcept「MITSUBISHI Concept XR-PHEV」(XRはX(cross)over Runnerの略)。

 



スズキ:「エネチャージ」搭載車を拡大

 スズキは、2012年に、日産SerenaのOEM車Landyの「スマートシンプルハイブリッド」搭載車を設定。また減速エネルギー回生機構「エネチャージ」をワゴンRに設定した。「エネチャージ」搭載車を拡大している。

スズキ:マイクロHV「エネチャージ」搭載車を拡大

~2012年 2013年 2014年 2015年 2016年~
HV Landy(表1) 発売
マイクロ
HV
「エネチャージ」搭載車 Wagon R発売 Spacia、
MR Wagon、
Swift
PHV Swift (2) 開発を凍結

 

(表1)Landy  スズキは、2007年から日産SerenaのOEM供給を受け、スズキLandyとして発売している。2012年8月に、Serenaと同じ「スマートシンプルハイブリッド」搭載車を設定し発売した。
(2)
Swift PHV
 スズキは、2010年秋よりSwift PHVの走行実験を行っている。当初発表した実験車両は、2.66kWhの三洋電機製リチウムイオン電池と発電用660ccのガソリンエンジンを搭載するシリーズ式PHV。
 2013年夏に、数量を限定して発売する計画があったとされるが、価格や性能面で折り合いがつかず、現行Swiftベースの量産車の開発は凍結した。電動車両の要素技術の開発は継続する。Swiftは2016年にも更新する予定で、次期モデルでの電動車両車設定は技術の進捗状況や市場を見て検討する。

                     <自動車産業ポータル、マークラインズ>