インド:長期的成長を展望し、日本各社は設備能力を増強

国内販売は減少傾向が続き、各社は輸出を強化

2013/10/09

要 約

インドの自動車生産・国内販売・輸出台数
インドの乗用車市場シェア

インドにおける2013年4-8月の自動車生産台数は前年同期比3.2%減の158万台、新車販売台数は7.0%減の126万台。景気後退や高金利の影響で、自動車市場は伸び悩んでいる。しかし、12億の人口を抱え、中間層が急拡大しているインド市場の潜在需要は大きく、輸出拠点としての重要性も増していることから、各社は新型車投入や生産車種拡大、設備能力増強を進めている。

インド市場では物品税率が低い全長4m以下の小型車が中核を占めているが、近年はSUVの人気も高く、新型車も小型車とSUVの投入が拡大している。

乗用車市場で41%のシェアを有する最大手のMaruti Suzukiは、年産能力25万台の新工場を建設する計画だが、インド市場の需要減退により稼働を2016年4月以降とする見込み。ホンダは2014年に年産能力12万台の新工場を稼働。小型商用車では、日産がAshok Leylandと2014年3月期中に年産能力15万台の合弁工場を建設、いすゞは2015年末に年産能力12万台の工場を新設する。中・大型商用車の生産では、Scaniaが2013年中に大型トラック・バスの生産工場を稼働する計画。

LMC Automotive社の2013年8月の予測によると、インドの2013年light vehicle販売台数は前年比12%減の288万台となる見込み。景気の減退、高いローン金利、可処分所得の低減等により、中間層の人々の多くは車の購入を控えている。現在、市場は低迷しているが、LMCA社は、長期的にはインド市場が毎年10%以上成長するとし、2016年にはlight vehicle販売が446万台に達すると予測している。


関連レポート:
インドの日系部品メーカー(2013年8月掲載)
スズキ:日本、インドに加え、東南アジアでの生産・販売を強化
(2013年5月掲載)









2013年3月期の生産は407万台、販売は348万台

 インドにおける2013年3月期の自動車生産台数は407万台、新車販売台数は348万台で、生産では世界6位、販売では5位の市場となった。しかし、新車販売の伸び率は2011年3月期の28.3%から2012年3月期の7.9%、2013年3月期の1.2%と鈍化し、2013年4-8月は7.0%のマイナス。インド自動車工業会 (SIAM) は、2014年3月期通期の販売台数は前期を下回ると予測している (2013年9月、減少幅は未公表)。

 各社は2013年夏頃から、ルピー安の影響や原材料費の上昇による生産コストの増加などにより、相次いで値上げを実施している。また、インド国内の需要の落ち込みに対し、アジア・アフリカ諸国への輸出を強化する動きも見られる。

 セグメント別では、2013年3月期にSUVやMPVを含むUtility Vehiclesが前年比52.2%増と大幅に増加した。しかし、政府の補助金削減による燃料価格上昇と、SUVの物品税引き上げにより、2014年3月期は中・大型車の販売が減少し、再び低燃費小型車へのシフトが進む傾向にある。

インドでの自動車生産・販売・輸出台数

(台)
2010年
3月期
2011年
3月期
2012年
3月期
2013年
3月期
2012年
4-8月
2013年
4-8月
国内生産 乗用車 2,357,411 2,982,772 3,146,069 3,233,561 1,289,891 1,265,088
商用車 567,556 760,735 929,136 831,744 338,232 311,461
合計 2,924,967 3,743,507 4,075,205 4,065,305 1,628,123 1,576,549
国内販売 乗用車 1,951,333 2,501,542 2,629,839 2,686,429 1,039,898 984,761
商用車 532,721 684,905 809,499 793,150 314,992 274,968
合計 2,484,054 3,186,447 3,439,338 3,479,579 1,354,890 1,259,729
輸出 乗用車 446,145 444,326 508,783 554,686 223,754 251,386
商用車 45,009 74,043 92,258 79,944 36,298 28,407
合計 491,154 518,369 601,041 634,630 260,052 279,793
資料:SIAM (Society of Indian Automobile Manufacturers)
(注) 1. 2013年3月期は、2012年 4月~2013年 3月。
2. 上表の"乗用車"は、SIAMのセグメント分類による広義の乗用自動車 (Passenger Vehicle)で、Passenger Car, Utility Vehicle, Van の合計 (下表参照)。

 

インドでのセグメント別自動車販売台数

(台)
2012年
3月期
2013年
3月期
増減率 (%) 2012年
4-8月
2013年
4-8月
増減率 (%)
Passenger Cars
Utility Vehicles(UVs)
Vans
2,031,306
363,772
234,761
1,895,471
553,660
237,298
(6.69)
52.20
1.08
742,377
207,651
89,870
699,300
201,198
84,263
(5.80)
(3.11)
(6.24)
Total Passenger Vehicles 2,629,839 2,686,429 2.15 1,039,898 984,761 (5.30)
Total Commercial Vehicles 809,499 793,150 (2.02) 314,992 274,968 (12.71)
資料:SIAM
(注) 1. インド政府は2013年4月から、SUVの物品税、高級輸入車の関税を引き上げた。SUVの物品税率は27%から30%に、また、価格4万ドル以上の高級車への関税率はそれまでの75%から100%に引き上げられた。
2. インド政府は燃料への補助金削減のため、2013年1月17日にディーゼル燃料価格規制を一部緩和。段階的に小幅な引き上げを認めることにした。ガソリンの価格規制は2010年6月に廃止されている。
3. ( )」内の数値はマイナス値を表す。

 

 



乗用車の新型車投入:小型車とSUVの投入が拡大

 インド市場の中核を占める全長4m以下の小型車では、Maruti SuzukiのWagon R Stingray、ホンダのAmaze等が投入され、好調に推移している。これまで低価格車の品揃えが少なかった日産は、2014年にDatsunブランドのGO、2015年にはさらに小型で低価格の新モデルを投入する計画。

 2012年頃から需要が高まったSUVの車種も拡大し、Fordはインドを含む5カ国で生産し、世界で販売するEcoSportを投入。日産はDacia Dusterをベースとする小型SUVのTerrano, VWはPoloをベースとするCross Poloを投入した。

インド:全長4メートル以下の小型乗用車の投入状況(2013年~)

メーカー モデル 発売時期 概要
Maruti Suzuki Wagon R Stingray 2013年 8月 Wagon R のスポーツモデル。スタイリッシュでアグレッシブなデザインが特徴で、若年層を対象とする。排気量998ccの3気筒エンジンを搭載。価格は40万9,999~46万6,999ルピー。
ホンダ Amaze 2013年 4月 新興国戦略車 Brioベースの小型セダン。ホンダは Amaze 投入で、インドのディーゼル車市場に初めて参入。Greater Noida工場で生産。現地調達率は90%。1.2L ディーゼル車が59.9万~76万ルピー、1.5L ガソリン車が49.9万~75万ルピー。
日産 Datsun GO 2014年初頭 日産の第3のブランド、Datsun 車第1号の新型小型ハッチバック。1.2Lエンジンと5速MTを搭載。Renault-日産の Oragadam工場で生産される。40万ルピー以下で発売する予定。2014年後半にはインドネシア、ロシア、南アフリカでも発売する。
新小型車 2015年 車種や車台の枠組みを超えて部品を共通化する新設計手法 Common Module Family (CMF) を適用する新たな小型車。既存モデルよりも小型化と低価格化を図る。 Oragadam工場で生産。
Tata Vista D90 2013年 1月 新型ハッチバック。1.3Lターボ付きディーゼルエンジンを搭載。競合車種は、Maruti Suzuki Swift や 現代 i20。 2グレード設定で、価格は59万9,000ルピーまたは68万3,000ルピー。
Mahindra & Mahindra Verito Vibe 2013年 6月 同社初の全長4メートル以下の小型車。Renault製 1.5L ディーゼルエンジンを搭載。ムンバイでの販売価格は56.3万~64.9万ルピーで、Maruti Suzuki Swift や ホンダ Amaze より安価。
同社は2011年4月に Renault Logan の車名を Mahindra Verito に変更して投入したが、物品税率が12%に抑えられる4メートル以下のモデルを独自に開発、Verito Vibe として発売した。
現代自動車 Grand i10 2013年 9月 新型ハッチバック。新しい長尺プラットフォームを使用し、内装もプレミアム仕様とした i10 の上位モデル。1.2L ディーゼル車が52.37万~64.16万ルピー、1.1L ガソリン車が 42.99万~54.78万ルピー。
(注) 1. 上表に記載したモデルはインド市場の中心である小型車 (全長4m未満、エンジン容量はガソリンが1.2L/ディーゼルが1.5L以下)。上記の小型車の物品税率は12%。一方、上記以外の小型車 (1,500cc以下) は24%、中型車以上は27%。
2. 価格はモデル発売時の価格で、特記されている場合を除き、Delhi 市での価格 (後出表も同じ)。2013年 10月初旬で、1ルピーは約 1.58円。

 

インド:SUVの投入状況 (2013年~)

メーカー モデル 発売時期 概要
ホンダ 新型CR-V 2013年 2月 中型クロスオーバーSUVの第4世代。第4世代から Greater Noida工場で組立生産する。2.0Lエンジンと6速MT/5速ATを搭載する2WDモデル、2.4Lエンジンと5速ATを搭載する4WDモデルがある。価格は前モデルより安価な199.5万~224万ルピー。
日産 Terrano 2013年10月 Renault傘 下 Dacia の Duster をベースとする小型SUV。1.6L ガソリンエンジンまたは1.5L ターボディーゼルエンジンを搭載。2WDと4WDを設定。Renault-日産の Oragadam工場で生産。最低価格は100万ルピー以下となる見通し。
Ford EcoSport 2013年 6月 新型コンパクトSUV。1.5Lディーゼルエンジン、1.5Lガソリンエンジン、1.0L EcoBoost ガソリンエンジンを設定。価格は55.9万~84.499万ルピー。インドのほか、ブラジル、タイ、中国、ロシアでも生産され、約100ヵ国・地域で販売される予定。
Daimler 新型GL-Class 2013年 5月 フルサイズプレミアムSUVの2代目。3L V6ディーゼルエンジンと 7速ATを搭載。インド市場では、BMW X6 や Audi Q7 が競合車種。価格は725.8万ルピー (現地生産車)。
BMW X6 2012年11月 プレミアムSUV。4.4L ガソリン車が 934万ルピー、3.0L ディーゼル車が 789万ルピー。
X1 2013年 2月 プレミアムコンパクトSUV。2.0L ディーゼルエンジンを搭載。価格は279万~325万ルピー。Chennai 近くの Chengalpattu工場でCKD生産される。
VW Cross Polo 2013年 8月 小型ハッチバック Polo をベースとする新型 SUV。1.2Lの3気筒ディーゼルエンジンと5速MTを搭載。価格は77.5万ルピー。

 

インド:その他の乗用車の投入状況 (2013年~)

メーカー モデル 発売時期 概要
Maruti Suzuki 新型 SX4
(一部改良)
2013年 3月 中型セダン。1.3Lディーゼルターボ/1.6L ガソリンエンジンと5速MTを搭載。CNGモデルも設定。Maruti Suzuki車としては初めて、タッチスクリーン式オーディオ・ナビをオプション搭載。ガソリン車が73.8万~88.4万ルピー、ディーゼル車が82.7万~97.9万ルピー。
トヨタ Camry Hybrid 2013年 8月 インド初の現地生産ハイブリッド車(HV)。南部 Bangalore 郊外の Bidadi 工場で生産。HVシステムは2,500ccガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせ、電子制御式無段階変速機 E-CVT を採用。燃費は19.16km/L。価格は297.5万ルピー。
Tata Jaguar F-TYPE 2013年 7月 2シーターコンバーチブルスポーツカー。3.0L V6 または 5.0L V8スーパーチャージャー付きガソリンエンジンを搭載。5.0L車の 0-100km/h加速は4.3秒、最高速度は300km/h。ムンバイでの販売価格は1,370万ルピー/1,610万ルピー。
Ashok Leyland Stile 2013年10月 日産 NV200 をベースとする新型MPV。Renault-日産の Oragadam工場で生産。ディーゼル車とCNG車を設定。日産とAshokの合弁モデルとしては、2011年9月発売のLCV DOST に続き2車種目。
Mahindra Reva e2o 2013年 3月 電気自動車(EV)。4シーターの2ドアハッチバック。三相交流誘導モーターとリン酸塩リチウムイオン電池を搭載。家庭用の15A電源でフル充電まで5時間、航続距離は100km。価格は59.6万ルピー。
GM Chevrolet Enjoy 2013年 5月 7名/8名乗りの新型MPV。上汽GM五菱 (SAIC-GM-Wuling) の五菱宏光 (Wuling Hongguang) をベースとする。中国からキットを輸入し、Gujarat 州 Halol 工場で組み立てる。1.4L ガソリン車が 54.9万~69.9万ルピー、1.3L ディーゼル車が 66.9万~79.9万ルピー。競合モデルの Maruti Suzuki Ertiga より4万~7万ルピー低価格に設定。月販目標は3,500台。
Daimler A-Class 2013年 5月 若者をターゲットとするプレミアムコンパクトカー。1.6L ガソリンまたは 2.2L ディーゼルエンジンと7速デュアルクラッチAT を搭載。ムンバイでの販売価格は、219万3,500ルピー/227万3,500ルピー。 2014年から Chakan工場で生産する予定。
新型E-Class 2013年 6月 高級セダン。Mercedes-Benzブランドの主力モデルで、インドでも最量販モデル。価格は、2.0Lガソリン車が415万ルピー、2.2Lディーゼル車が444.8万ルピー。
BMW 1 Series 2013年 9月 小型ハッチバック。1.6L ガソリンエンジンまたは2.0L ツインパワーターボチャージャー付ディーゼルエンジンと8速ATを搭載。ムンバイでの販売価格はガソリンモデルが209万ルピー、ディーゼルモデルが229万-299万ルピー。
Rolls-Royce Wraith 2013年 8月 4座の2ドアクーペ。6.6L V12 エンジンと8速ATを搭載。0-100km/h加速は4.6秒、最高時速250km/h。価格は4,600万ルピーから。
VW Skoda
新型 Octavia
2013年10月 Cセグメントのハッチバック。 Aurangabad工場で生産。Octavia は2001年11月からインドで販売されたが、2010年10月以降は販売を停止。今回の3代目モデルから、インド市場に再投入された。1.4L/1.8Lガソリン車は139.5万~182.5万ルピー、2.0Lディーゼル車は155.5万~194.5万ルピー。

 

 



日本メーカー(スズキ、トヨタ、ホンダ、日産、いすゞ)の動向

Maruti Suzuki:新工場の稼働時期延期、LCV投入、アフリカ・中東向け輸出を強化

新工場の
稼働時期延期
 2013年8月、Maruti Suzukiはインド自動車市場の需要減退により、Gujarat州に建設予定の新工場の稼動時期を見直すと表明した。Bhargava会長は27日の第32回年次総会で、2016年3月期末までに稼動する見込みはないとの見解を示した。同工場は未着工。
 Maruti Suzuki は400億ルピーを投資して、同州Mehsana市に年産能力25万台の四輪車工場を建設し、2015-16年頃に稼働開始する予定だった。同社はMehsana近郊に、2つ目の工場を建設するための用地も既に取得している。
小型商用車投入へ  マルチ・スズキは2013年7月、小型商用車を投入すると表明した。乗用車の販売不振を補うもの。Carry のプラットフォームをベースに開発する見通しで、ディーゼル車と天然ガス(CNG)車を設定する予定。Tata Ace などと競合する見込みで、開発には2年ほど要すると見ている。
2014年3月期の予測  マルチ・スズキは今後、インド国内では値下げによる競争激化を警戒している。また、ディーゼル車は燃料価格の引き上げで需要が低迷すると予測。インド市場での需要減退を補うため、アフリカ・中東向けの輸出を強化していく方針。2014年3月期の販売台数 (輸出を含む) は前期より0~5%増加すると予測している (2013年7月)。

 

トヨタ:部品子会社でガソリンエンジン生産、豊田織機にディーゼルエンジンを生産委託

部品子会社でガソリン
エンジン/トランス
ミッションを生産
 トヨタのインド部品製造子会社 Toyota Kirloskar Auto Parts はBangalore郊外の Bidadi工場に50億ルピーを投資し、2012年8月から Etios/Etios Liva用 1.5L/1.2L ガソリンエンジン、2013年1月からトランスミッションの生産を開始。これにより、Etios の現地調達率は90%を超える。年産能力はエンジンが10万8,000基、トランスミッションが24万基。
 同子会社でEtios用ディーゼルエンジンの生産も検討していたが、2013年7月時点では、軽油の価格上昇もあり、見直し中とされる。
ディーゼルエンジン
生産委託
 トヨタは、2015-16年に豊田自動織機に委託して、インドでIMV用 2.5~3.0L ディーゼルエンジンの生産を開始する計画。豊田織機は現地の既存工場に、建屋と年産能力約11万基の生産ラインを設ける。

 

ホンダ:第2工場の建設を再開し、2014年に稼働開始へ

 ホンダは2013年4月、Rajasthan州Tapukara工場敷地内で四輪車第2工場の建設を再開すると発表した。約250億ルピーを投資して、鍛造鉄部品生産ラインと車両組立ラインを入れ、2014年の稼働を目指す。年産能力は12万台。これによりホンダのインドでの年産能力は24万台となる。新ライン稼働に伴い、新たに2,200人を採用する。
 同工場は2007年に計画、2009年末の稼働を目指していたが、2008年の経済危機の影響で建設を中断していた。2008年から、ボディパネルやエンジン部品の生産は開始している。

 

日産:2016年度までに市場シェア10%を目指す

シェア目標  日産は、2016年度までに日産およびDatsunブランドで10車種の新型車を発売する予定で、ディーラーを現在の3倍以上の300店舗以上に増やす計画。インド市場でのシェアは、2012年度の1.2% (商用車を含む) から2016年度までに10%まで引き上げるとしている。
AshokとのLCV新工場  日産とインド商用車大手のAshok Leylandは、2014年3月期中に合弁の新工場を稼働させる。Renault-日産の Chennai工場の近くに建設中。年産能力は15万台規模。Ashok向けに供給する小型商用車 NV200 などを生産する予定。

 

いすゞ:Hindustanに生産委託、2015年末に自社工場が稼働

Hindustanと
組立生産で提携
 2013年6月、Hindustan Motors Limited (HML) は、いすゞとSUV MU-7 およびピックアップトラック D-MAX の受託生産について合意したと発表した。Tamil Nadu州Chennai近郊にあるHMLの Thiruvallur工場で組み立てる。組立部品はいすゞのタイ拠点から供給される。いすゞは2013年 3月から、両モデルの完成車をタイから輸入し、インドで販売している。Hindustanへの受託生産により、下記の自社工場が完成する前に、現地生産を始めることができる。
LCV工場を新設  いすゞは2013年3月、インド南部のAndhra Pradesh州政府と生産事業進出に関する覚書を締結するとともに、Sri City 工業団地内に約43万平方メートルの新LCV工場用地を確保した。将来的にはインドで10万台販売を目指す。現地報道によると、新工場は2015年末に稼働開始予定。年産能力は12万台で、8万台はインド国内市場、4万台は輸出向けとされる。

 

 



インドメーカー (Tata Motors) の動向

Tata:主要5モデルを改良、Jaguar XFの生産開始

乗用車刷新計画  販売不振が続いているTata Motors は、2013年6月、乗用車の刷新計画 HORIZONEXT を発表した。主要5モデルにわたって、新たに8バージョンを投入する。特に Indigo eCS が新パワートレインとサスペンションを装備するなど大きく変更した。また、一部改良した Nano は、リモートキーレスエントリーやBluetooth USB/AUX接続を備えるオーディオシステムなど、様々な新機能を追加され、7月から店頭販売が開始された。
Jaguar XFの
生産開始
 傘下のJaguar Land Rover (JLR) は2013年1月、インドの Pune工場でプレミアムセダン Jaguar XF の 2.2Lディーゼルエンジンモデルを CKD生産し、販売を開始した。組立部品は、英国にある JLR の Castle Bromwich工場から輸入する。XFは、JLR がインドで生産する2番目の車種で、同モデルの 3.0Lディーゼルエンジンモデルと5.0Lガソリンエンジンモデルは、既にインド国内で輸入販売されている。

 

 



欧韓メーカー (Daimler/BMW/VW /Fiat/現代自動車) の動向

Daimler:2014年までに現地生産能力を2万台に倍増

GL-Classの生産開始  Mercedes-Benz India は2013年8月、Pune近郊の Chakan工場でプレミアムSUV GL-Class の現地組立生産を開始したと発表した。5月に発売された同モデルは、当初は輸入販売されていた。Mercedes-Benzブランド の SUV を米国のTuscaloosa工場以外で生産するのは初めて。
生産能力増強  Mercedes-Benz India は2013年7月、今後の需要拡大に備えてChakan工場の生産能力を倍増すると表明した。25億ルピーを投資して、年産能力を現在の1万台から2014年までに2万台に引き上げる予定。同工場では2014年から、A-Class と B-Class も組立生産する計画。

 

BMW:年産能力を3,000台増の1万4,000台に増強

MINI Countrymanを
現地生産へ
 BMWは2013年4月、インド南部の Chennai に近い Chengalpattu工場で MINI Countryman の生産を開始すると発表した。欧州以外で MINI が生産されるのは初めて。当初は MINI Cooper D Countryman と MINI One Countryman の2車種を組み立てる。2013年5月から生産を開始したもよう。インドでは2012年から MINI の輸入販売を行っている。
生産能力増強  BMWは2013年9月、Chennai近郊の Chengalpattu工場への投資額をこれまでの18億ルピーから21億ルピー追加して、同年末までに累計39億ルピーに達すると表明した。年産能力は現在の1万1,000台から1万4,000台に増強する予定。同工場では既に2つ目の組立ラインが稼働しており、8車種の生産が可能 (2013年9月時で7車種を生産)。

 

Audi:小型SUV Q3の現地生産開始

 Audi は2013年9月、Maharashtra州にある Skoda の Aurangabad工場で小型 SUV Q3 の現地生産を開始したと発表した。インドにおける Audi モデルの現地生産は、サルーンの A4, A6とSUVの Q5, Q7に続き 5車種目。Q3の生産開始により、インド市場で需要が増加している Qシリーズの全モデルを現地生産に切り替えた。

 

Fiat:2013年後半にJeepブランドのWranglerとGrand Cherokeeを投入

 Fiat India は2012年12月、インドでの事業強化に向けたロードマップを発表した。主な計画は、(1) 2013年にJeepブランド車を投入する。まず2013年後半にSUV Wrangler と Grand Cherokee を輸入販売する。(2) 2~3年内に大幅改良車を含む新型車9モデル(Fiat/Jeep ブランド)を投入する。(3) 2013年までにTataとは独立した販売サービス網を確立し、拠点数を120店舗に拡大する。
 Fiatは2015年までに、インドの乗用車市場でシェア5%を獲得することを目指している。

 

現代自動車:今後の投入計画と輸出目標

 現代自動車は今後3~4年でインド国内市場に毎年1~2モデルを投入する計画。また、南アフリカや中南米など欧州以外への輸出を強化する方針で、2014年3月期の輸出目標を前年比8%増と設定(2013年9月時点)。

 

 



商用車メーカー(Daimler/Scania/Volvo)の動向

Daimler:BharatBenzブランド車はインド向けに販売、FUSOブランド車は周辺国へ輸出

BharatBenzの中型
トラックを販売開始
 Daimlerのインド子会社 Daimler India Commercial Vehicle (DICV) は2013年2月、BharatBenz ブランドでGVW 9トン/12トンの中型トラックの販売を開始した。Oragadam工場で生産。いずれも三菱ふそうの小型トラック Canter や中型トラック Fighter をベースに設計。
 DICVは2014年までに、BharatBenzブランドで計17車種のトラックを発売するとしている。
三菱ふそうと
DICVの連携強化
 Daimler は2013年5月、アジア・アフリカ市場での事業拡大を図るため、インド子会社 DICVと三菱ふそうの連携を強化する。具体的には、両社の製品ポートフォリオの統合や開発・共同購買・生産機能の強化を進める。2020年までに両社合わせて年29万台以上の販売を目指す。
FUSOブランドの
新興国向け戦略車
の生産開始
 上記の連携活動の一環として、DICVは、2013年 4月から FUSO ブランドのアジア・アフリカ向け戦略車の生産を開始した。戦略車はGVW 25~49トンの大型トラックと同9~16トンの中型トラック。大型トラックは M-Benz Axor を、中型トラックは三菱ふそうの Canter と Fighter をベースに開発。DICV は既にインド向けの BharatBenz と M-Benz の車両を生産しているが、FUSOブランドのトラックは周辺国への輸出に特化する。
FUSO戦略車の
輸出開始
 DICV は2013年9月までに FUSOトラックのスリランカ、ケニア、ザンビア向け輸出を開始した。2013年内には、バングラデシュ、ブルネイへの輸出も開始する。さらに2014年にはインドネシア、タイ、マレーシア、タンザニア、マラウイ、ウガンダ、ジンバブエ、モザンビーク、モーリシャス、セイシェルなどのアジア・アフリカ諸国にも輸出する予定。

 

Scania:インド初の生産工場を新設、新たに長距離バスを投入

新工場を建設  Scaniaは2012年7月、約25億ルピーを投じて Karnataka州 Bangaloreで新工場の建設を開始した。 同社のインドにおける初の生産工場で、2013年中に稼動予定。当面は、CKDによりトラックとバスのシャシーの組立を行うが、将来は、市内バスや長距離バスのボディも生産する計画。2017年までに、年産規模を大型トラック2,000台、長距離バス1,000台とする予定。
長距離バスを投入  Scaniaは2013年2月、都市間交通バス Metrolink を発売すると発表した。定員45人/49人/53人の3タイプがある。納車は2013年半ばに開始される見込み。2014年初頭からは、Scaniaが新設するBangaloreの自社工場でCKD生産される予定。

 

Volvo Group と Eicher Motors:エンジン合弁工場が稼働開始

 Volvo Group と インドの商用車メーカー Eicher Motors の合弁会社 VE Commercial Vehicles Limited (VECV) は2013年7月、インド中部 Madhya Pradesh州 Pithampur に新設したエンジン工場の稼動を開始した。第1期建設では37.5億ルピーを投資し、2.5万基の年産能力を整備。需要に応じて段階的に年産10万基まで引き上げる計画で、12.5億ルピーの追加投資を予定している。
 新工場で生産するエンジンの排気量は5.0~8.0L、最高出力は180~350HP。Volvo Group は VECV を欧州排出ガス規制 Euro 6 に適合する中型エンジンのグローバル供給拠点とする方針。この新工場からベースエンジンを供給し、Volvo Group の仏 Venissieux工場で最終組立を行う。新工場ではEuro 3/Euro 4 (インド排出基準 BS3 および BS4) に対応するエンジンも生産し、Volvo Group および VECV のアジア向け車両に供給する。

 

 



LMC Automotive 生産予測:インドの生産台数は2016年に584万台へ

(LMC Automotive社、2013年8月)

 インド生産台数予測LMC Automotive社が2013年8月に発表した予測によると、インドの2013年のlight vehicle生産は前年比11%減の361万台となる見込み。国内販売の落ち込みと輸出の伸び悩みにより、各社は減産を余儀なくされている。しかし、インド経済はまもなく底打ちし、2013年下期には、徐々にではあるが回復の兆しが見えるだろう。2014年以降は、急速に拡大する中間層が需要を押し上げ、2014-16年は生産台数が年16-18%増加する見通し。LMCA社は、2016年にはインドの生産台数が584万台に達すると予測している。

インドのブランド別 light vehicle 生産予測

(台)
SALES GROUP GLOBAL MAKE 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016
Total 3,242,134 3,635,841 4,052,464 3,607,374 4,250,486 5,021,028 5,841,131
BMW Group BMW 4,083 10,293 9,071 6,574 8,022 9,332 11,544
MINI 0 0 0 98 100 98 114
BMW Group Sub-total 4,083 10,293 9,071 6,672 8,122 9,430 11,658
Daimler Group Fuso 0 0 0 0 1,402 1,711 1,374
Mercedes-Benz 5,090 7,354 6,020 5,560 10,660 12,023 15,265
Daimler Group Sub-total 5,090 7,354 6,020 5,560 12,062 13,734 16,639
Fiat-Chrysler Group Fiat 23,113 18,395 16,748 5,264 35,667 57,031 67,647
Jeep 0 0 0 0 0 10,672 46,662
Fiat-Chrysler Group Sub-total 23,113 18,395 16,748 5,264 35,667 67,703 114,309
Ford Group Ford 93,944 118,867 125,184 132,823 213,194 327,771 373,381
General Motors Group Chevrolet/Daewoo 89,724 91,265 85,137 62,871 87,247 106,320 106,262
Honda Group Honda 62,290 44,585 98,084 116,797 209,328 269,762 311,829
Hyundai Group Hyundai 600,478 619,678 647,731 638,621 530,710 572,011 621,831
Isuzu Motors Isuzu 17,853 20,789 23,052 14,122 29,036 27,298 29,530
Mahindra Group Mahindra 290,141 418,108 499,466 388,064 445,825 515,490 613,673
Ssangyong 0 0 271 4,594 9,814 12,041 15,277
Mahindra Group Sub-total 290,141 418,108 499,737 392,658 455,639 527,531 628,950
Mitsubishi Motors Mitsubishi 3,231 2,585 5,223 1,984 2,238 2,700 3,198
Other Piaggio 9,845 11,009 10,625 5,796 6,076 7,461 8,893
Other Indian Manufacturers Bajaj 0 0 0 6,048 30,541 37,820 44,918
Eicher 2,724 2,186 839 810 1,615 2,236 2,656
Force 24,647 30,457 34,311 25,951 32,980 38,637 48,540
Hindustan 8,074 3,144 4,119 4,810 6,371 7,292 2,535
ICM 0 0 0 0 5,052 5,949 7,428
Leyland 0 2,583 27,970 34,932 70,343 81,466 92,226
Premier 3,721 4,580 4,843 3,435 4,189 5,481 7,574
Other Indian Manufacturers Sub-total 39,166 42,950 72,082 75,986 151,091 178,881 205,877
Renault-Nissan Group Dacia 10,247 0 11,704 77,164 97,401 110,946 121,087
Datsun 0 0 0 0 13,726 33,824 45,230
Nissan 92,922 165,955 169,843 132,119 189,547 203,369 242,509
Renault 0 17,518 37,786 24,589 22,065 28,549 38,296
Samsung 0 252 1,363 152 0 0 0
Renault-Nissan Group Sub-total 103,169 183,725 220,696 234,024 322,739 376,688 447,122
SAIC Group Wuling 0 0 11,216 24,124 29,751 34,068 40,380
Suzuki Group Maruti 569,263 486,542 452,766 473,916 416,079 462,081 553,506
Suzuki 644,653 639,601 704,072 724,047 809,544 920,860 1,054,829
Suzuki Group Sub-total 1,213,916 1,126,143 1,156,838 1,197,963 1,225,623 1,382,941 1,608,335
Tata Group Jaguar 0 0 0 244 223 249 310
Land Rover 0 378 950 887 829 910 1,652
Tata 556,327 666,017 722,370 408,253 559,167 656,346 768,833
Tata Group Sub-total 556,327 666,395 723,320 409,384 560,219 657,505 770,795
Toyota Group Toyota 75,664 136,437 194,164 172,965 216,243 270,715 330,619
Volkswagen Group Audi 2,338 4,282 5,757 10,321 13,614 15,548 17,294
Skoda 18,317 32,945 54,036 26,571 43,750 49,970 53,939
Volkswagen 33,445 80,036 87,743 72,868 98,137 122,991 140,290
Volkswagen Group Sub-total 54,100 117,263 147,536 109,760 155,501 188,509 211,523
Source: LMC Automotive "Global Automotive Production Forecast (August 2013)
(注) 1. データは、小型車(乗用車+車両総重量 6t以下の小型商用車)の数値。
2. 本表の無断転載を禁じます。転載には LMC Automotive 社の許諾が必要となります。
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資料:各社発表、各紙報道

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