第4回国際二次電池展取材報告

アイドリングストップやエネルギー回生の市場で、電池とキャパシタが競う

2013/03/14

要 約

 本レポートは、2013年2月27日~3月1日に、東京ビッグサイトで開催された「第4回国際二次電池展」での、車載用途関連の出展概要につき報告する。

 リチウムイオン電池については、日本の電池メーカーでは、三菱重工とIHI/A123 Systemsが出展した。

 鉛電池については、アイドリングストップやHV(Hybrid vehicle)搭載への対応が進んでいる。各社が、鉛電池の価格の低さや安全性を活かしつつ、鉛電池の弱点である充電受入れ性を強化し、また部分充電環境での長寿命化を図った電池を出展した。

 キャパシタについては、既にマツダとPSAが電気二重層キャパシタを採用しているが、リチウムイオンキャパシタも含めて、各メーカーが自動車メーカーと試作・評価を行っている模様。

 なお、リチウムイオン電池を12Vスタータ用電池に使用する動きが始まっている。既にPorscheが2010年から一部車種にオプション設定し、A123 Systemsは、欧州の自動車メーカー3社(McLaren、Mercedes-Benzおよびもう1社)に供給する。価格は高いが、軽量・長寿命・ブレーキエネルギー回生力を強化するなどの効果があり、A123 Systemsは当面高級車をターゲットに拡販する計画。

 今後も、世界各地域の燃費規制強化に対応するため、アイドリングストップやブレーキエネルギー回生市場のさらなる拡大が予想されている(2017年に、世界で3,900万台との予測もある)。この市場を狙って、現在の主流は鉛電池だが、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、さらにリチウムイオン電池も加わって、各装置の長所をアピールしながら競い合う構図となっている。


関連レポート:第3回国際二次電池展2012取材報告(2012年3月掲載)


※写真はクリックすると拡大されます。

このレポートは有料会員限定です。 残り 5 章
無料会員登録により、期間限定で続きをお読みいただけます。