長安汽車集団:2020年までにグループ販売600万台の達成を目指す

グローバル研究開発体制を構築、自主ブランドモデルを積極投入

2012/10/31

要 約

グループ販売の推移 長安汽車集団の販売台数は2011年以降、マイナス基調が続いている。政府による販売促進策の打ち切りや民族系ブランド(中国メーカー独自の自主ブランド)全体の低迷などが影響し、2011年の通年販売は前年比15.6%減の201万台、2012年1~9月までの累計販売は前年同期比8.5%減の140万台となった。

 グループ販売が伸び悩む中、長安汽車集団では自主ブランドによる市場シェア拡大を目指し、新モデルの積極投入を推進している。2011年初めに5ヵ国9ヵ所から成るグローバル研究開発体制が構築され、現在までに同体制下で開発された「逸動(Eado)」や「悦翔V3(Alsvin V3)」など多数の新モデルが市場投入されている。長安汽車集団は2020年までに生産・販売台数を600万台に拡大すると表明しており、そのうち60%は自主ブランドの売上によって達成する計画。

 外資系メーカーとの合弁事業では、Fordの投資が拡大している。現在、Fordが出資する長安フォードマツダと江鈴汽車では計5つの合弁工場を建設中で、最終的にFordの中国における完成車の生産能力は120万台に達する予定。また、江鈴汽車が大型トラックメーカーの買収を決定したことで、Ford製のトラックが中国市場に導入される可能性も取り沙汰されている。

 PSAとの合弁会社では生産拠点の整備や販売網の構築を進めており、2020年までに生産・販売ともに100万台を達成する計画。2012年6月にはその第1段階として「DSライン」の輸入販売をスタートした。

 一方、日系メーカーとの合弁では、反日デモの影響から9月の販売台数が軒並みマイナスに落ち込んだ。10月にマツダは改良車、スズキは新モデルを投入したが、一部日系メーカーでは引き続き生産調整を行っており、予断を許さない状況が続いている。

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