日産、ホンダ、三菱自、スズキのEV/HV/PHV投入計画

日産はEVの車種を拡充、FF車HVを投入、ホンダは2モーター、3モーターのHVを展開

2012/09/28

要 約

 以下は、日産、ホンダ、三菱自動車、スズキのEV (Electric vehicle)、HV (Hybrid electric vehicle)、PHV (Plug-in hybrid electric vehicle)の投入計画の概要である(なお減速エネルギー回生量を増やし燃費を向上させる技術も含めた)。

 日産は、EVリーフの世界販売を2011年度の23,000台から2012年度40,000台に拡大する計画。EVの急速な普及は困難との見方もあるが、日産は2016年度までにRenaultと合わせて累計150万台販売する計画に変更はなく、2013年から本格的な販売量の拡大期に入るとしている。2012年後半から米国で、2013年から英国で生産を開始する。販売モデルについても、2014年にInfinitiブランドEV 2車種、2014~2015年に商用車EVのe-NV200、e-NT400を投入する。

 HVについては、既にFR用1モーター2クラッチ式のHVをFugaとCimaに搭載しているが、2013年にFF車に設定して販売台数を伸ばす方針。1モーター2クラッチシステムを応用したPHVも開発する計画。

 また2012年8月に、ミニバン セレナに、エネルギー回生量を増やして燃費を向上させるS-Hybridを設定した。

 ホンダは、従来の1モーターHVシステムに加え、2013年に2モーターHVシステムを米国仕様Accordに設定、さらに3モーターの"Sport Hybrid SH-AWD"システムを開発し、NSX、Acura RLXと2014年に日本で発売予定のLegend後継モデルに搭載する。

 EV/HVの海外生産も推進する。2012年にAcura ILX HVの生産を米国で、Jazz (Fit) HVの生産をタイで開始した。NSXは米国で生産する。

 三菱自動車は、2012年度中に軽トラックEVとOutlander PHVを発売、さらに2014~2016年度に電動車両7車種を投入して、ラインアップを大幅拡充する。

 スズキは、2012年9月発売の新型ワゴンRに、新開発の減速エネルギー回生機構「ENE-CHARGE(エネチャージ)」および「ECO-COOL(エコクール)」を採用し、JC08モード燃費28.8km/Lを実現した。


関連レポート:トヨタグループのHV/EV計画(2012年8月掲載)

Infiniti Etherea コンセプト
Bピラーが無く、観音開きドアを持つ、日産のInfiniti Etherea コンセプト、FF車用HVシステムを搭載する

Acura NSXコンセプト
3モーターHVシステムを搭載する、ホンダのAcura NSXコンセプト、米国で開発し米国で生産する


日産、ホンダ、三菱自動車の国内EV/HV販売台数

日産、ホンダ、三菱自動車の国内EV/HV販売台数

(台)
2008年 2009年 2010年 2011年 2012年
1~6月
日産(HVとEV) HV (Fuga、Cima) 1,152 3,293 3,884
EV(Leaf) 19 10,310 6,111
ホンダ(HV) Insight 1 93,283 38,080 13,127 121,474
Fit(Shuttleを含む) 24,498 102,386
Civic 5,124 3,766 2,542 508
CR-Z 22,372 6,794
Freed(Spikeを含む) 11,373
合計 5,125 97,049 87,492 134,188
三菱自動車(EV) i-MiEV 986 2,340 2,290 1,373
MINICAB-MiEV 849 1,601
合計 986 2,340 3,139 2,974

 

 



日産:2012年にS-Hybrid、2013年にFF車用HVを発売

日産のEV/HV発売計画

(海外でのみ生産する、または生産が見込まれる車種は、次表「日産のEV/HVの海外生産」に記載)
~2011年 2012年 2013年 2014年 2015年~
HV Fuga 2010年発売
Cima(下表1) 発売
S-HYBRID(表2) 発売
FF 中・小型車(表3) 米国発売
Atlas H43 Diesel Hybrid 2007年発売
(いすゞから調達)
販売終了 三菱ふそう
から調達
EV Leaf(表4) 2010年に
日米欧で発売
New Mobility Concept(表5) 走行実験 地域パトロール
に提供
軽商用車 三菱自から調達
Infiniti LE Concept(表6) 発売
e-NT400(表7) 発売
PHV 中大型車(表8) 発売

 

(1)
Fuga/Cima
 日産は、"1モーター2クラッチ"方式のHVシステムを開発し、2010年秋にFugaに搭載した。また2012年5月に発売した新型Cimaにも搭載した(新型Cimaは、ガソリン車は設定せず、HVのみ発売)。
(2)
S-HYBRID
 日産は2010年11月に、セレナにベルト方式のECOモーターを使用するアイドリングストップを設定した。さらにECOモーターの出力とエネルギー回生発電量を高め、サブバッテリーを追加して蓄電容量も高めて、エンジンアシスト機能も持つ簡易型HVシステム「スマートシンプルハイブリッド」を開発し、2012年8月にセレナに設定した。新型セレナのJC08モード燃費は15.2km/Lでクラストップとなった(エンジンアシストは回生した電気エネルギーの範囲で行い、電気エネルギーを蓄積するためにエンジンで発電することはしない)。
 S-HYBRIDは、燃費改善効果は10%程度だが、コンパクトなシステムで全ての部品をエンジンルームに納め室内空間を犠牲にすることがない。価格は従来オプションであった装備の標準化を含め10万円高だが、HVシステムによるアップ分は実質数千円から2万円以内。自動車取得税・重量税が従来の75%減税から100%免税(クラスでSerena S-HYBRIDのみ)になる効果が約4万円あり価格アップ分は相殺される。日産は、発売1カ月後の9月2日までに13,922台受注し、そのうちS-HYBRIDが90%を占めると発表した。
(3)
FF車用HV
 日産はFF車向けに変更した1モーター2クラッチシステムを、新世代CVTに内蔵し(生産を担当するJATCOは「CVT8 HYBRID」と呼称)、2.5Lスーパーチャージャー付きエンジン、リチウムイオン電池と組み合わせた。まず米国で2013年に発売し(搭載する車種はAltimaが有力候補とされる)、その後グローバルに投入する。"CVT8 Hybrid"は、2012年からJATCOのメキシコおよび日本の工場で生産する。
(4)
Leaf
 リーフの2011年国内販売台数は10,310台にとどまったが、生産も安定してきたことから2012年度は月平均1,500台、年間18,000台の販売を計画。8月に販売を開始した、一般住宅への電力供給システム"Leaf to Home"も販売促進に活用する(電池が満充電の場合、一般家庭の約2日分の電力供給が可能、顧客の実質負担額は約33万円)。
(5)
New Mobility
Concept
 "New Mobility Concept"は、RenaultのTwizyをベースとしたコンセプトカーで、リチウムイオン電池を搭載し、最高時速80km、全長2340mm、車両重量490kg、乗車定員2名。高齢者の増加や近距離移動のニーズに対応する狙いで、現在の法規では原則として公道を走れないが、国土交通省が制定を進めている「超小型モビリティ(道路運送車両法の「軽自動車」と「第1種原動機付自転車(四輪)」の中間の位置付け)」基準の対象となる。
 日産は、2011年10月から国土交通省の協力を得て、超小型EV "Nissan New Mobility Concept"の走行実証実験を行っている。2012年7月からは、横浜地域の防犯パトロールに提供している。
(6)
Infiniti EV
 日産は2012年4月のNew York auto showにInfiniti LE Conceptを出展した。日産Leafをベースに開発した、量産モデルに近いコンセプトカーで、2年以内に米国で発売する。
(7)
e-NT400
 日産は、2011年10月の東京トラックショーに、小型商用車アトラスF24ベースのEV「e-NT400アトラス」コンセプトを出展した。日産LeafのEVシステムを搭載し、走行距離はJC08モードで100kmと短いが、事前の調査で「近距離ルート配送には十分だと確認した」。3年後をめどに商品化を計画する。
(8)
PHV
 日産は、1モーター2クラッチシステムを応用した中大型車向けPHVを開発し、2015年に投入する計画。PHVでは、EV走行距離を確保することが重要になるが、FugaとCimaに搭載する1モーター2クラッチシステムは、実走行で約半分の距離をEV走行しており、PHVにも向くとしている。

 

 



日産のEV/HV海外生産:2012年に米国で、2013年に英国でEV Leaf生産を開始

日産のEV/HV海外生産

~2011年 2012年 2013年 2014年 2015年~
HV 前代Altima (米国で生産) 生産終了
Infiniti Etherea Concept(表1) オーストリア
EV Leaf(表2) 米国 英国
e-NV200(表3) スペイン
e-NT400(表4) 発売
中国独自ブランドEV(表5) 2015年までに生産開始

 

(1)
Infiniti Etherea
 Infiniti Ethereaは、上記の表の(3)FF車用HVシステムを搭載するコンパクトHV(FFのInfiniti車は初)。2014年からオーストリアのMagna Steyrに委託して生産し米国へも輸出する。クーペ、セダン、ハッチバックを融合したスタイルで、またBピラーが無く、観音開きドアで開放感を演出した。
(2)
Leaf
 日産は、2012年後半から米国のSmyrna工場で(年産能力は15万台)、2013年から英国のSunderland工場で(年産能力5万台)Leafの生産を開始する。現在日本でのLeaf輸出車生産は、円高の影響を最小化するため抑えていると、報道されている。
 米国では2011年に9,674台を販売。当初California州などEVへの支援のある数州で販売を開始したが、2012年3月から全米50州で販売している。米国は充電インフラの整備が進んでいて、また日本より車の複数保有が多く、近くの外出はLeafでという使い方もあり、EVが普及する可能性は高いとしている。
(3)
e-NV200
 日産は、2013年度中にスペインのBarcelona工場でNV200の100%電気自動車"e-NV200"を生産し、グローバルに供給する。日産Leafに続く2車種目の電気自動車となる。EV走行距離は、リーフと同等(200km)を目指す。リチウムイオン電池は、英国Sunderland工場で生産し供給する。
(4)
e-NT400
 2012年9月に、ドイツのHanover商用車モーターショーに出展した商用車CabstarベースのEV "e-NT400"を、3年後をめどに発売する計画(CabstarはアトラスF24の姉妹車で、スペインで生産している)。
(5)
中国でEV生産
 日産は、中国で2014~2015年に東風日産乗用車公司の自主ブランドである「ヴェヌーシア」ブランドEVの現地生産を開始する。2012年4月の北京モーターショーにヴェヌーシアEVコンセプトを出展した。また2014年までに大連市に同EV 1,000台を供給すると発表している。

 

 



ホンダ:新たに2モーターおよび3モーターのHVを投入

 ホンダは2012年9月、HVについて、それぞれに個性のある3つのシステムを車種に応じて搭載し、より多くの顧客ニーズに対応すると発表した。

ホンダ:3つのHVシステムを、車種に応じて搭載

1モーターHV  現在ホンダが搭載している、エンジン駆動を中心とし、モーターがアシストするIMA(Integrated motor assist)システム。今後モーターの出力と電池の性能アップ、新開発のトランスミッションを組み合わせることで、モーター走行域を拡大する。また回生エネルギーの回収効率を上げ、HVで燃費No. 1を目指す。
2モーターHV  中型車向けには、2013年から米国仕様Accordに 2モーター方式のHVシステムおよびPHVシステムを搭載する。
3モーターHV  さらに走りを追求する領域では、高次元のスポーツハンドリング性能と燃費性能を両立した3モーターHVシステム「Sport Hybrid SH-AWD (Super Handling All Wheel Drive)」を、NSX、Acura RLXやLegend後継モデルに搭載する。

 

ホンダ:2モーターおよび3モーターのPHV/HVを導入

(海外でのみ生産する、または生産が見込まれる車種は、次表「ホンダのEV/HVの海外生産」に記載)
~2011年 2012年 2013年 2014年 2015年~
HV Insight(表1) 2009 中国で発売
CR-Z(表1) 2010
Fit (表1) 2010
新型 Civic (海外専用) 米国で発売
Fit Shuttle(表2) 日本で発売
Freed (表2)
Freed Spike(表2)
Accord (表3) 発売
Acura RLX(表4) 米国で発売 生産を
米国へ移管
Legend後継モデル(表4) 発売
STEPWGN(表2) 日本で発売
PHV Accordベース(表5) 日米で発売
EV Fit EV(表6) 日米で発売
Micro Commuter Concept(表7) 日本で
実証実験

(注) "~2011年" 欄の表示は、当該最新モデルの発売年、2011年発売車は"発売"と記載 。

(1)
中国へ投入
 ホンダは既に中国で発売していたCivic HVに加えて、2012年にInsight、CR-Z、Fit HVを投入し、販売するHVは4車種に拡大する。
(2)
国内向け4車種
 ホンダは、2011年6月にFit Shuttle HV、10月にFreed HVとFreed Spike HVを発売した(3車種とも日本国内専用車)。この3車種に、Insight、CR-Z、Fit HVを加え、国内で販売するHVは6車種に拡大した。2014年にはSTEPWGN HVを発売する。
 なおホンダは、2012年9月CR-Zをマイナーチェンジし、従来のニッケル水素電池に替えて、ホンダのHV国内販売車初となるリチウムイオン電池を搭載した。
(3)
Accord HV
 ホンダは、2004年に1モーターの IMA システムを当時の米国仕様Accordに搭載したが、販売不振から生産を中止した。ホンダは2モーター HV システムを開発し、2013年夏にAccordに搭載する。米国のより厳しくなる燃費規制に対応する。
(4)
Acura RLX
(日本ではLegend)
 Acuraブランドの最上級モデルであるRL(日本名Legend)の次期型車を2012年4月のNew York auto showで発表した。FFとAWDを設定。当初国内埼玉製作所で生産するが、順次米国に移すとしている。
 AWD車には新しいHVシステムを採用。V6 3500cc直噴エンジン + 1モーターを内蔵する7速デュアルクラッチ・トランスミッションを組み合わせて前輪を駆動、後輪は2つのモーターがそれぞれ独立して駆動する"Sport Hybrid SH-AWD (Super Handling All Wheel Drive)"とした。2013年初頭に米国で発売する。
 日本では、2014年に発売するLegend後継モデルにSport Hybrid SH-AWDを搭載する。
(5)
Accord PHV
 2モーターHVベースのPHVを、米国で2013年初めに米国仕様Accordに搭載し発売する。日本でもほぼ同時期に発売する。
 容量6.7kWhのリチウムイオン電池、2個のモーター、2000ccガソリンエンジンを搭載し、EV走行距離は10~15マイル、総航続距離は500マイル以上。なお、高速で連続走行する場合は、エンジンを直結させエンジン動力のみで走行する。
(6)
Fit EV
 Fit EVは、東芝製20kWhのリチウムイオン電池を搭載する。日本でJC08モードの交流電力量消費率106Wh/kmの最高電費性能の認可を取得した(2012年7月発表。トヨタは9月に、世界最高の電費104Wh/kmを実現したEV "eQ"を12月に導入すると発表した)。一充電走行距離は225km(JC08モード)。米国でも、交流電力量消費率29kWh/100マイル、ガソリン等価換算燃費118MPGeの米国最高の電費の認可を取得した。1充電走行距離80マイル。
 日本では2012年8月末にリース販売を開始した。自治体や企業向けを中心に、2年間で200台をリース販売する予定。価格は、消費税込みで400万円。 米国では、カリフォルニア州とオレゴン州で2012年7月、東海岸地区で2013年からリース販売を開始する。今後3年間で1,100台の販売を計画。
 Fit EVは電動サーボブレーキを搭載する。従来の油圧ブースター式回生ブレーキでは回生ができなかった踏み始めや停止間際などのエネルギー回収を可能にし、回生量を従来比8%向上させ、Fit EVの電費性能を高め航続距離の延長に貢献した。
(7)
Micro Commuter
Concept
 2011年東京モーターショーに出展した。全長2500mm、全幅1250mmで、1+2レイアウトの3人乗り。走行距離60km。日産のNew Mobility Conceptと同様に、国土交通省が進めている新基準「超小型モビリティ」の対象となる。2013年に、日本で実証実験を開始する。

 

 



ホンダのEV/HV海外生産:米国、タイ、マレーシアでHVを生産

ホンダのEV/HV海外生産

~2011年 2012年 2013年 2014年 2015年~
HV Acura ILX(表1) 米国
Jazz(Fit)(表2、3) タイ
マレーシア
NSX(表4) 米国
Acura RLX 米国へ移管
(中国生産)(表5) 中国生産を開始
EV EV(表6) 中国

 

(1)
Acura ILX
 ホンダは2012年4月から、米国Indiana工場でAcura ILXガソリン車とHVの生産を開始した。HVモデルは、1500ccガソリンエンジンと1モーター式のIMAシステムを搭載する。ホンダのHV海外生産は初。
(2)
Jazz HV
タイ生産
 ホンダは、2012年7月から、タイ現地法人のアユタヤ工場でJazz HV(Fit HV)の生産を開始した。タイではJazzガソリン車を生産しており、HV基幹部品(電池、モーター等)を日本から輸入して組み付ける。タイで年間10,000台の販売を目指す。タイからオーストラリアやニュージーランドへの輸出も計画。
(3)
Jazz HV
マレーシア生産
 ホンダは2012年末までに、マレーシアでもJazz HVの生産を開始する。マレーシアでは既に2011年にInsightを4,500台販売し、12月にCR-Z、2012年3月にJazz HVの輸入販売を開始している。Jazz HVは現地生産に切り替える。
(4)
Acura NSX
 ホンダは、次期型NSXを米国で開発し、2014年までに米国で生産を開始する。Ohio州の研究所に設置する小型生産ラインで、手作りで少量を生産する計画。
 新開発の"Sport Hybrid SH-AWD"を採用。ミッドシップに配置するV6直噴エンジンと1モーターを内蔵する7速デュアルクラッチ・トランスミッションで後輪を駆動し、前輪の左右を独立した2つのモーターで駆動する四輪駆動システム(前出のAcura RLXの駆動システムと比べると、NSXはミッドシップエンジンのため前輪・後輪の駆動を入れ替えた方式になっている)。
 NSXは、米国で発売した後、日本と欧州でもホンダブランドで発売する。
(5)
HV中国生産
 ホンダは、現在中国でのHV生産準備を進めており(2012年4月発表)、電池やモーターなど基幹部品も現地調達することでコストを削減し、HVを拡販する計画。年販5万台のめどがついたところで、早ければ2013年にも生産を開始するとされる。
 ホンダは、2モーター式のHVについても中国生産を計画中とされる。新しい技術であるため、製品や生産技術を確認したうえで、2014年以降に生産を開始する。
(6)
EV中国生産
 ホンダは2011年から広州市で実証実験を行っている。その結果を踏まえながら、2012年末に広汽ホンダで生産開始できるよう準備を進めている(2012年4月発表)。

 

 



三菱自動車とスズキのEV/HV計画

三菱自動車:電動車両のラインアップを大幅拡充

~2011年度 2012年度 2013年度 2014~2016年度
EV i-MiEV 2009、日本 2014~2016年度の3年間に、電動システム搭載車(EV、PHV、HV)を7車種投入する(2014年度に投入する小型セダンHVを含む)。
北米で発売
MINICAB-MiEV(表1) 発売
軽トラック 発売
PHV Outlander (表2) 発売
HV 小型セダン

(注) "~2011年" 欄の表示は、当該最新モデルの発売年、2011年発売車は"発売"と記載 。

(1)
MINICAB-MiEV
 2011年11月、軽商用バンEV、MINICAB-MiEVを発売した。総電力量が異なる2種類の駆動用バッテリー(総電力量10.5kWh、JC08モード走行距離100kmのタイプと、総電力量16.0kWh、150kmのタイプ)を設定した。
 MINICAB-MiEVは、日産とスズキにOEM供給する計画。
(2)
Outlander PHV
 三菱自動車は、Outlander PHVを2013年初めに国内市場に投入し、順次欧州や北米など世界展開を進める。 三菱自動車は、「Plug-in Hybrid EV」システムと呼び、長距離移動ニーズの高い中型乗用車以上のカテゴリー向けに開発したとしている。 EV走行とエンジンによる発電・走行を含めた航続可能距離は880km(JC08モード)以上。
 EVをベースに開発したPHVで、2000ccガソリンエンジン、モーター2基(フロントとリア)、ジェネレーター、総電力量12kWhの大型リチウムイオン電池を搭載する。前輪をエンジンと前輪用モーター、後輪を後輪用モーターで駆動する、プロペラシャフト等の機械的結合の無い「ツインモーター4WD」システムを採用。目標複合燃料消費率は61km/L(JC08モード)以上。
 3つの走行モードを使い分ける:(1)EV走行モード(JC08モードのEV走行距離は55km)、(2)エンジンを発電用に動かして、その電力でモーター走行するシリーズ走行モード、(3)エンジン駆動中心に走行し、モーターがアシストするパラレル走行モード。Outlander PHVは変速機を持たず、エンジンは通常のトップギヤの状態で連結するので、パラレル走行モードはエンジン効率のよい高速走行時のみ)。
(注) 1. 三菱自動車は、2012年にタイで生産を開始した小型戦略車(日本ではMirage)ベースのEVとHV導入を検討中とされる。
2. 三菱自動車は、次期型Lancer Evolutionに、インホイールモーターを採用したHVまたはPHV設定を検討中とされている。

 

スズキ:新型ワゴンRに、「エネチャージ」と「エコクール」を搭載

~2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度~
マイクロHV 「エネチャージ」搭載ワゴンR(表1) 発売
EV 三菱MINICAB-MiEVのOEM車(表2) 発売見込
PHV Swift (表3) 発売

 

(1)
「エネチャージ」
搭載ワゴンR
 スズキは、2012年9月に発売した新型ワゴンRに、新開発の減速エネルギー回生機構「ENE-CHARGE(エネチャージ)」を採用した。既存のアイドリングストップ車専用の鉛バッテリーに加え、リチウムイオン電池を搭載して蓄電能力を高め、また従来機種の約2倍の発電能力を持つオルターネーターを採用した。必要な電力の大部分を減速時に集中して発電して、2個のバッテリーに充電する。これにより、エンジン動力によるオルターネーター稼働を最小限化して燃費を向上させ、加速も軽やかになる。
 さらに時速13kmでエンジンを停止する新型アイドリングストップも採用した。時間が長くなったアイドリングストップ中、エアコンが停止し送風状態になったとき、蓄冷材を通した冷風を室内に送る「ECO-COOL(エコクール)」も搭載する。これらにより軽ワゴントップの低燃費28.8km/L(JC08モード)を実現した。
(2)
軽商用EV
 三菱自動車は2011年11月、スズキに対して2012年2月よりMINICAB-MiEVのOEM供給を開始し、2012年度より本格的に供給することを計画していると発表した。量産効果を高め、コスト削減を図るとしている。
(3)
Swift PHV
 スズキは、2010年秋よりSwift PHVの走行実験を行っている。当初発表した実験車両は、2.66kWhの三洋電機製リチウムイオン電池と発電用660ccのガソリンエンジンを搭載するシリーズ式PHV。
 「リチウムイオン電池の搭載量を少量に抑え、軽自動車のエンジンを使ってコストを下げる(近距離ユーザーを想定し、ローコストを追求する)」が開発コンセプト。実験車両のEV走行距離は15kmだったが、スズキは30kmにまで延長して、2013年に200万円以下の価格で市販する計画とされている。

(注)スズキは、2012年4月、蓄電池開発・製造のエリーパワーが実施した第三者割当増資を引き受け、10億円を出資した。またスズキとエリーパワーは、スズキが開発するEV向け電池の共同開発を開始したと報道されている。


参考資料:各社のプレスリリースと各紙報道

                     <自動車産業ポータル、マークラインズ>