北京汽車集団:自主ブランド乗用車事業の強化に注力

Saabの技術をベースにミドル・ハイエンドモデルの技術プラットフォームを構築

2012/06/29

要 約

 北京汽車集団は2011年から2015年までの5ヵ年計画として、生産・販売台数を350~400万、売上高を4000億元、営業利益を270億元に拡大し、少なくとも10%の市場シェアを獲得すると発表した。2015年には世界の自動車市場で上位15社にランクインすると共に、「フォーチュン500」に選出されることを目標として掲げている。

 生産・販売目標350~400万台のうち、200万台以上は自主ブランドモデルとする計画。さらに200万台のうち、90万台は自主ブランド乗用車の生産・販売に割り当てており、同事業を強化する姿勢を鮮明にしている。


北京汽車集団の販売台数(万台)


 北京汽車集団は2009年末にSaabからプラットフォームやエンジンを含む中核技術の知的財産権を買収し、自主ブランド乗用車市場を拡大するための重要な基盤を獲得した。2012年4月に開催された北京モーターショーでは、Saabの技術をベースとする自主ブランド乗用車の技術プラットフォーム「M-trix」を発表。同時に、「M-trix」から開発した新モデル4車種を出展した。

 外資との合弁事業では、現代自動車との合弁メーカーである北京現代が新たな成長戦略としてブランドバリューを向上すると表明。2015年までに販売台数におけるミドル・ハイエンドモデルの割合を50%まで引き上げるとしている。また、Daimlerとの合弁メーカーである北京ベンツでは、エンジンの製造や完成車の研究開発を現地化する動きが進行している。加えて、2011年末に初めて現地生産車の輸出が実現された。

 自主ブランド商用車事業では、北汽福田汽車が2020年までの長期計画に基づき、生産拠点の拡大や海外市場の開拓を推進している。2012年2月にはDaimlerと折半出資する新商用車メーカーも設立された。


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