東風汽車グループ:2015年に500万台を販売し、国内最大メーカーを目指す

自主ブランド乗用車事業を強化し、2015年までに200万台規模に拡大

2011/10/04

要 約

 東風汽車グループの2010年販売台数は前年比38%増の262万台で、うち乗用車は同38%増の198万台、商用車は同42%増の64万台と大幅な伸びを記録した。

 2011年は第12次5ヵ年計画(中国政府が5年ごとに定める中期的な重点事業計画)の初年度にあたり、東風汽車グループでもそれに合わせて自社の5ヵ年計画を策定し、2015年までに販売台数をグループ全体で500万台に拡大すると発表した。

 2011年4月に東風汽車公司(グループ全体の統括会社)の総経理に就任した朱福寿氏は、着任と同時に自主ブランド乗用車事業の強化計画を発案。東風乗用車公司の「東風風神」ブランドを中心に自主ブランド乗用車の拡販に取り組み、2015年までに販売台数を現在の35万台から200万台規模に拡大すると表明した。

 グループ傘下の主要メーカーでも2009年以降に発表した自社の中期計画に基づき、生産能力の強化や新モデルの投入など目標達成に向けた動きが活発化している。日産との合弁では新工場の建設が相次いでおり、2015年までに生産・販売台数を230万台規模に拡大する計画。PSAとの合弁でもパワートレインと完成車の新工場を着工した。



主要メーカー各社の2010年、2011年上半期の販売実績、及び将来計画

 2010年から2011年上半期にかけて、グループ全体および主要メーカー各社とも販売台数は比較的安定したプラス成長を維持している。2010年はグループ全体で前年比38%増の262万台を達成、うち乗用車は198万台(同38%増)、商用車は64万台(同42%増)であった。2011年上半期は全体が前年同期比12%増の151万台で、うち乗用車が同17%増の110万台であるのに対し、商用車は同2%増の41万台と伸び率の鈍化が目立つ結果となった。

 合弁メーカーの2011年上半期販売台数は、3月に発生した東日本大震災の影響でホンダとの合弁が前年同期比9%減に落ち込んだものの、日産との合弁では同13%増、PSAとの合弁では同11%増とプラス成長を維持している。

東風汽車グループ 主要メーカー販売台数

  2010年 前年比 2011年上半期 前年同期比 将来計画
東風汽車公司 *262万台 38% *151万台 12% 500万台(2015年)
商用車全体 *64万台 42% *41万台 2%
乗用車全体 198万台 38% 110万台 17%
東風渝安車両 *30万台 50% *18万台 42% 45万台(2011年)
東風悦達起亜汽車 33万台 38% 19万台 18% 43万台(2011年)
東風裕隆汽車 2010年12月会社設立 20万台以上(2015年)
東風汽車集団 *195万台 36% *106万台 10% 216.1万台(2011年)
商用車全体 *53万台 42% *29万台 2% 51.03万台(2011年)
乗用車全体 142万台 34% 77万台 13% 165.1万台(2011年)
東風乗用車公司 3万台 48% 1万台 -9% 4.2万台(2011年)
→30万台(2015年)
神龍汽車 37万台 38% 19万台 11% 43.5万台(2011年)
→75万台(2015年)
東風ホンダ 26万台 24% 12万台 -9% 28.7万台(2011年)
東風汽車有限公司 *128万台 38% *73万台 13% 135万台(2011年)
→230万台以上(2015年)
東風日産乗用車 66万台 27% 37万台 13% 77.2万台(2011年)
→130万台(2015年)
東風汽車股份 *30万台 45% *17万台 13% 33.5万台(2011年)
→50万台(2014年)
鄭州日産 *10万台 79% *5.6万台 47% 13.2万台(2011年)
→20万台(2012年)
常州東風汽車 *1万台 71% n.a. n.a. 20万台(2014年)
汽車分公司 n.a. 48% *8万台 n.a. n.a.
東風商用車公司 *31万台 59% *19万台 15% n.a.
東風柳州汽車 *11万台 n.a. n.a. n.a. 23万台(2015年)
資料:各社リリース、中国汽車工業協会、各種報道より
(注) 1. 「*」印は商用車のみ、または商用車を含む販売台数。
2. 以下に表中の主要メーカーの概要を記す。括弧内は正式名。当レポート内では略称で表記。
東風汽車公司: 国有自動車企業グループ。下記メーカー全てを統括するグループ全体の親会社。
東風渝安車両(東風渝安車両有限公司): 微型車ブランド「東風小康」を生産。東風汽車公司と重慶小康工業集団股份有限公司が折半出資する。
東風悦達起亜汽車(東風悦達起亜汽車有限公司): 起亜ブランドを生産。東風汽車公司、江蘇悦達投資股份有限公司、起亜自動車の3社が共同出資する中外合弁。
東風裕隆汽車(東風裕隆汽車有限公司): 乗用車ブランド「納智捷(Luxgen)」を生産。東風汽車公司と裕隆企業集団(台湾)が折半出資する中台合弁。
東風汽車集団(東風汽車集団股份有限公司): 東風乗用車公司、神龍汽車、東風ホンダ、東風汽車有限公司(傘下メーカー含む)など主要メーカー各社の統括会社。
東風乗用車公司(東風汽車集団股份有限公司乗用車公司): 乗用車の自主ブランド「東風風神」を生産。
神龍汽車(神龍汽車有限公司): 「東風標致(プジョー)」と「東風雪鉄龍(シトロエン)」ブランドを生産。東風汽車公司とPSA・プジョー・シトロエンが出資する中外合弁。
東風ホンダ(東風本田汽車有限公司): ホンダの乗用車モデルを生産。東風汽車公司とホンダが折半出資する中外合弁。
東風汽車有限公司: 東風汽車公司と日産が折半出資する中外合弁。東風日産乗用車、東風汽車股份(傘下メーカー含む)、東風商用車公司(傘下メーカー含む)などを統括する。
東風日産乗用車(東風日産乗用車公司): 日産の乗用車モデルを生産。東風汽車有限公司の乗用車部門。
東風汽車股份(東風汽車股份有限公司): 「東風」と「日産」ブランドのLCVを生産。鄭州日産、常州東風汽車、汽車分公司を統括する。
鄭州日産(鄭州日産汽車有限公司): 「東風」と「日産」ブランドのLCVを生産。東風汽車股份のLCV生産拠点。
常州東風汽車(常州東風汽車有限公司): 「東風」ブランドのLCVを生産。現在、微型車市場への参入に向けて新工場を建設中。
汽車分公司(東風汽車股份有限公司汽車分公司): 「東風」ブランドのLCVを生産。2011年から商用軽型バン「東風御風」を投入。
東風商用車公司: 「東風」ブランドの中・大型トラックを生産。東風柳州汽車など多数の商用車メーカーを統括する。
東風柳州汽車(東風柳州汽車有限公司): 「東風」ブランドの商用車と乗用車を生産。乗用車ブランドは「東風風行」。

 



主要メーカー各社の中期事業計画

 2009年から2011年にかけて主要メーカー各社が新規の事業計画を相次いで策定している。各社とも生産能力の拡張や積極的な新車投入により生産・販売台数を倍増する計画。グループ全体の販売台数は2010年に262万台に達しているが、2015年にはさらに500万台に拡大するとしている。

東風汽車グループ全体

5ヵ年計画
(2011年~2015年)
東風汽車公司が2011年1月に発表したグループ全体の事業計画。2015年までに国内最大かつ世界一流の自動車企業グループに成長し、グループ販売台数を500万台(2010年は262万台)に拡大する。
「大自主ブランド」戦略
(2011年~2015年)
東風汽車公司の朱福寿総経理(2011年4月就任)による自主ブランド乗用車の事業拡大計画。傘下の自主ブランドを3グループに分け、2015年までの拡販目標をグループごとに設定した。
・第1グループ:東風乗用車公司の「東風風神」と東風渝安車両の「東風小康」、及び鄭州日産の自主ブランド(日産モデル以外)と東風柳州汽車の「東風風行」。主力ブランドとして2015年までに販売台数を計120万台超に拡大する。
・第2グループ:東風裕隆汽車の「納智捷」。販売目標20万台超。
・第3グループ:中外合弁が独自開発した自主ブランド(東風日産乗用車の「啓辰(Venucia)」など)。販売目標40万台超。
省エネルギー・
新エネルギー車戦略
(2010年~2020年)
東風汽車公司が2010年8月に発表した省エネルギー・新エネルギー車の事業化計画。省エネ・新エネ車の技術開発と事業化に向け、2015年までに30億元を投資する。また、2020年までに中核技術の優位性を確立するとともに製品ラインナップの整備を進め、持続可能な発展を実現すると表明した。
具体的な計画は以下の通り:
・2015年までに、① HVの市場保有台数を10万台に拡大する、② EVの事業化に向けた準備を進め、5万台規模の生産・販売体制を形成する、③ 東風ブランドの乗用車生産・販売台数に占める省エネ・新エネ車の割合を20%まで拡大する。
・2020年までに技術レベルや競争力を向上し、新エネルギー車の市場保有台数を80万台に増大する。

資料:東風汽車公司リリース(2010.8.13、2011.4.7/6.23/7.1/8.9)、各種報道
(注) 東風裕隆汽車は、東風汽車公司と祐隆企業集団(台湾の大手自動車グループ)が2010年12月に設立した折半出資の合弁メーカー。生産拠点は浙江省杭州市。「納智捷」ブランドは出資者の一方である裕隆汽車集団の自主ブランドを導入したもの。東風汽車グループでは大きく「中華圏の自主ブランド」として位置付けている。

 

自主ブランド乗用車事業

東風渝安車両: 2013年までに市場シェア30%の獲得を目指す

「315」発展目標
(2009年~2013年)
東風渝安車両の2回目となる5ヵ年計画。2013年までに微型車市場シェア30%、生産能力100万台(2010年時点で50万台)を実現するほか、毎年生産・販売台数を前年比で50%以上拡大していく計画という。

資料:東風渝安車両リリース(2010.1.29/5.28)、各種報道

東風乗用車公司: 2013年までに販売台数を30万台規模に拡大

「DC130」計画
(2009年~2013年)
東風乗用車公司が発表した5年間の中期事業計画。2013年までに販売台数を30万台規模(2010年は3万台)に拡大する。同計画を実現するため、数年かけて5つの完成車プラットフォームを導入し、10車種以上を投入する。同時にエンジン2シリーズ(1.4~1.6L、及び2.0~2.4L)の生産能力を整備するとしている。

資料:東風汽車公司リリース(2011.4.7)、各種報道

 

PSAとの合弁事業

神龍汽車: 2015年までに市場シェア5%の獲得を目指す

「5A」計画
(2011年~2015年)
神龍汽車が2010年9月に発表した5ヵ年計画。2015年までに製品やサービス品質を国内一流レベルに向上し、年間生産・販売台数75万台以上(2010年は37万台)、市場シェア5%、営業利益率5%以上を達成する。
具体的な計画として、①2015年までに新モデル12車種、新型エンジン6機種の投入、②生産能力30万台の新工場の建設、③完成車の大口輸出の実現、④自主ブランドの研究・開発、⑤省エネルギー・新エネルギー車計画の実施、という5項目の達成を掲げている。
そのうち、省エネ・新エネ車計画については以下の通り:
・2015年までに既存製品のパワートレインを全て刷新する。
・2年以内に高性能の自然吸気エンジン及び直噴ターボエンジンを投入する。
・2011年にスタート/ストップ機能を搭載したマイクロHVを投入する。
・2、3年以内にPHV、5年前後でEVモデルを投入する。

資料:東風汽車公司リリース(2011.4.7)、神龍汽車リリース(2010.10.15)、各種報道
(注) 「5A」計画の"5"とは、製品企画力、工業力(技術力)、ブランド力、経営力、グリーン戦略(環境対応力)という5項目を意味する。

 

裕隆汽車との合弁事業

東風裕隆汽車: 設立から5年間で販売台数20万台を達成する

中期事業計画
(2011年~2015年)
東風裕隆汽車が2011年に発表した5ヵ年計画。2015年までに販売台数20万台超、売上高250億元、営業利益率5%以上を達成する。また、今後5年間は毎年1~2車種の新モデルを投入するとしている。

資料:東風汽車公司リリース(2011.8.9)、東風裕隆汽車リリース(2011.4.19)

 

日産との合弁事業

東風汽車有限公司: 2015年までに販売台数230万台、市場シェア10%を達成

新中期経営計画
(2011年~2015年)
東風汽車有限公司が2011年7月に発表した5年間の新中期経営計画。2015年までに500億元を投資し、販売台数を現在の100万台から230万台(市場シェア10%)、ディーラー数を1,400店から2,400店(うち1,000店は東風日産乗用車の販売網)に増大する。同社はこれらの目標を達成するため、新モデルと生産能力の拡張計画を表明した。
[新モデル計画]
・2015年までに新モデル約30車種を投入する。そのうち5車種はEVを含む東風日産乗用車の自主ブランド「啓辰(Venucia)」の新モデルとする。
・「啓辰」ブランドモデルは2012年上半期に販売を開始し、2015年までに販売台数30万台を達成する。EVについては2015年までに投入する計画。
[生産能力]
・完成車の生産能力を現在の120万台から2012年に150万台、2015年には230万台まで引き上げる。
・新工場として、東風商用車公司の中・大型トラック工場(湖北省十堰市)、常州東風汽車の微型車工場(江蘇省常州市)、及び東風日産乗用車の花都第2工場(広州市)を竣工する。
・鄭州日産の第2工場など既存工場を拡張する。
・東風日産乗用車については、エンジンやトランスミッションなどパワートレインの生産工場も新設し、現地生産化率をほぼ100%に引き上げる。

資料:東風汽車有限公司リリース(2011.8.8)、日産リリース(2011.7.26)、各種報道

 



完成車の生産能力拡張の動き

 主要メーカー各社は中期事業計画の達成に向け、完成車やパワートレインの生産能力を拡張している。特に日産との合弁事業では乗用車・商用車ともに複数の工場が着工またはすでに稼動しており、2015年の販売目標230万台の達成に向け、着実に生産体制づくりを進めている。

 以下の表で、主要メーカー各社における完成車の既存の生産能力、及び将来の拡張計画についてまとめた。

東風汽車グループ 主要メーカー生産能力(完成車)

  工場 2011年 将来計画





東風渝安車両 重慶第1工場 *10万台 *100万台(2013年)
重慶第2工場 *20万台
湖北省十堰第1工場 *10万台
湖北省十堰第2工場 *10万台
東風悦達起亜汽車 江蘇省塩城第1工場 13万台 13万台
江蘇省塩城第2工場 30万台 30万台
第3工場(立地先未発表) 計画中 30万台
東風裕隆汽車 浙江省杭州工場 2011年7月稼動 12万台(第1期第1段階完工後)
→24万台(第1期完工後)





東風乗用車公司 湖北省武漢工場 8万台 16万台(第1期完工後)
→33万台(第2期完工後)
神龍汽車 湖北省武漢第1工場 30万台 30万台
湖北省武漢第2工場 15万台 15万台
湖北省武漢第3工場 2011年5月着工 15万台(2013年9月)
→30万台(2015年)
東風ホンダ 湖北省武漢第1工場 24万台 24万台
湖北省武漢第2工場 2010年11月着工 10万台(2012年後半)
→12万台(2013年)→24万台







東風日産乗用車 広州花都第1工場 36万台 36万
広州花都第2工場 2010年5月着工 24万台(2012年)
湖北省襄陽工場 10万台 20万台(2012年)





鄭州日産 河南省鄭州第 1工場 *9.8万台 *18万台(2012年~2013年)
河南省鄭州第 2工場 *14万台 *18万台(2012年)
常州東風汽車 江蘇省常州既存工場 *6万台 *20万台(2014年)
江蘇省常州新工場 2010年10月着工
汽車分公司 湖北省襄陽第1工場 *10万台 *10万台
湖北省襄陽第2工場 *3万台
(2011年7月稼動)
*20万台
東風商用車公司 湖北省十堰既存工場 *30万台 *30万台
湖北省十堰新工場 *4万台
(2011年9月稼動)
*8万台
東風柳州汽車 広西柳州乗用車既存工場 8万 8万台
広西柳州乗用車新工場 2011年後半着工 20万台
広西柳州商用車既存工場 *6.5万台 *6.5万台
広西柳州商用車新工場 2011年2月着工 *10万台(2012年)
資料:各社リリース、各種報道
(注) 1. 「*」印は商用車のみ、または商用車も含む生産能力。
2. 生産能力の数値は各社HPや各種報道など多数の出典に基づくため、グループ全体の合計値については提示しない。

 



パワートレインの生産能力拡張の動き

 完成車のほか、パワートレインの生産能力についても拡張工事が進んでいる。東風汽車乗用車が2010年に30万基のエンジン工場を着工したほか、日産及びPSAとの合弁でもそれぞれ100万基規模の拡張工事を開始した。

自主ブランド乗用車事業

東風乗用車公司、武漢市に30万基規模のエンジン工場を着工

東風乗用車公司は2010年6月、湖北省武漢市の乗用車工場内に年産30万基のエンジン工場を着工した。敷地面積は7万2千平方メートル。第1期工事で6万基の生産能力を整備し、2011年後半にも稼動する見通し。東風汽車公司の自主開発エンジン「e-TECO」シリーズの1.6L及び2.0Lエンジンを生産する。

資料:東風乗用車公司リリース(2011.4.13)、企業紹介

 

PSAとの合弁事業

神龍汽車、パワートレインの生産能力を増強

神龍汽車は2011年3月、湖北省襄陽市の国家ハイテク技術自動車産業パークで、パワートレイン工場の拡張工事を着工した。2015年までにEP、EB、ECシリーズの次世代型エンジンを計6機種投入する。全工事が完了したのち、既存の生産能力と合わせ、エンジン計120万基、トランスミッション計54万基の生産能力が形成される予定。
・ECシリーズはTUシリーズをベースに開発された次世代型自然吸気エンジン。「ユーロⅤ」に適応。2012年9月までに10万基の生産能力を整備して投入、2013年には20万基に拡大する。
・EPシリーズはPSA・プジョー・シトロエンとBMWが共同開発した次世代型直噴ターボエンジン。1.6Lと1.8L仕様を設定。2013年までに10万基の生産能力を整備して投入、2015年には20万基に拡大する。
・EBシリーズはPSA・プジョー・シトロエンの次世代型1.2L 3気筒エンジン。自然吸気エンジンとターボエンジンの2仕様を用意する。2014年までに20万基の生産能力を整備して投入。

資料:東風汽車公司リリース(2011.2.14/3.31/4.13)、神龍汽車リリース(2011.3.31)、各種報道
(注) 襄陽工場の既存の生産能力は、エンジンが64万基、トランスミッションが37.5万基。

 

日産との合弁事業

東風日産乗用車、エンジンの生産能力拡張プロジェクトを始動

東風日産乗用車は2011年5月、エンジン工場の100万基拡張プロジェクトを正式に決定した。同社は既存工場のある広州市花都区に、①シリンダーヘッドの鋳造工場、②クランクシャフト、コネクティングロッド等の鍛造工場、③トランスミッション工場を順次着工する計画。2015年までにシリンダーヘッド150万個、クランクシャフト144万個、コネクティングロッド120万個等の年産能力を整備する。同年には東風日産乗用車のエンジン生産能力が現在の48万基から約100万基に拡大するとしている。
2011年7月には、拡張プロジェクトの1つであるシリンダーヘッド工場(①)が、広州市の花都汽車城赤坭園区で着工された。敷地面積は8.1万平方メートル。2012年までにシリンダーヘッド100万個の生産能力を整備し、稼動する。

資料:東風汽車公司リリース(2011.5.16/8.10)、東風汽車有限公司(2011.517)、各種報道
(注) 2013年には河南省鄭州市にもエンジン48万基の生産工場が新設される見通しと報じられている。

 



主要メーカー各社の新車投入状況と計画 (2011年以降)

*販売台数、生産能力一覧の企業順と同様。

東風渝安車両

ブランド名 モデル名 発売時期 概要
東風小康 Vシリーズ オフロード微型車 2011年5月 オフロード仕様の微型車。バンとトラックで計6仕様を用意。

資料:東風渝安車両リリース(2011.6.14)、各種報道

東風悦達起亜汽車

モデル名 発売時期 概要
K5 2011年3月 中高級セダン。デザインは起亜自動車の最高デザイン責任者を務めるペーター・シュライヤー氏。
K2 2011年7月 ペーター・シュライヤー氏が中国市場をターゲットにデザインしたハイエンドセダン。中国で世界初公開された。

資料:東風汽車公司リリース(2011.3.23/7.25)、東風悦達起亜汽車リリース(2011.3.11/4.11/4.19/7.8)

東風裕隆汽車

ブランド名 モデル名 発売時期 概要
納智捷 納智捷大7 SUV 2011年9月末 「納智捷」ブランドの第1弾モデルとなるSUV。独自の車載用コンピューター「THINK+ Intelligent thinking engine」を搭載。「世界初のIntelligent LSUV(Luxury Sport Utility Vehicle)」という位置付け。
Aセグメント車 2012年 2011年上海モーターショーに出展されたコンセプトセダン「ネオラ(Neora)」の量産モデルになると報じられている。2012年にはMPV、CEOモデルも投入する予定。

資料:東風汽車公司リリース(2011.8.25)、東風裕隆汽車リリース(2011.8.23)、各種報道
(注) 「THINK+ Intelligent thinking engine」は、裕隆汽車集団がスマートフォンとPDA(携帯情報端末)メーカーの宏達国際電子股份有限公司(HTC Corporation)と共同開発した車載用コンピューター。音楽・動画プレーヤーや通信機能、GPSナビゲーションなど計6つの機能を統合した。

東風乗用車公司

ブランド名 モデル名 発売時期 概要
東風風神 H30 2011年モデル 2011年1月 中級2box車「H30」の2011年バージョン。
H30 CROSS 2011年4月 「H30」のクロスオーバー仕様車。
S30 総冠軍版 (限定発売) 2011年6月 ベースモデルは「S30 2011年モデル」の尊雅型。
H30 総冠軍版 (限定発売) 2011年6月 ベースモデルは「H30 2011年モデル」の尊雅型。
S60 2011年 ベースモデルは日産「シルフィ(Sylphy)」になると報じられている。
SUV 2012年 詳細不明

資料:東風汽車公司リリース(2010.12.27、2011.1.19/1.20/7.1)、東風乗用車公司リリース(2011.1.17/3.24/4.13/4.19)、各種報道
(注) 東風乗用車公司は2011年1月に米プロバスケットボール協会(NBA) と長期提携協議書を締結、自主ブランド「東風風神」がNBAの中国における公用車として採用されることとなった。「S30 総冠軍版」と「H30 総冠軍版」はNBAの協賛パートナーとして投入された限定モデル。

神龍汽車

ブランド名 モデル名 発売時期 概要
東風雪鉄龍 新 愛麗舍(New Elysee) 2011年3月 「愛麗舍(Elysee)」の2011年モデル。
世嘉(C-Quatra) 冠軍版 2011年5月 中国バドミントン協会の協賛パートナーとして製作。ベースモデルは「世嘉」の2011年モデル。
C2 2012年モデル 2011年9月 A0クラス車「C2」の2012年モデル。新たに1.6L仕様を追加。
東風標致 207 2011年モデル 2011年5月 A0クラス車「207」の2011年モデル。
408 改良モデル 2011年5月 2010年に中国で世界初公開された「408」の改良モデル。価格は変更せず、安全性能を向上。
508 2011年7月 2011年上海モーターショーでアジア初公開となったBクラスの中高級セダン。
3008 2012年後半 プジョー初のクロスオーバー「3008」を現地生産する見通し。
マイクロHV 2011年 「5A」計画(中期事業計画)の一環として投入予定。スタート/ストップ機能を搭載する。
PHV 2012~2013年 「5A」計画の一環として投入予定。
EV 2015年 「5A」計画の一環として投入予定。
自主ブランド第1弾モデル 2015年まで 神龍汽車が独自開発した自主ブランドとその第1弾モデルを同時発表する予定。

資料:東風汽車公司リリース(2011.4.7/3.15)、神龍汽車リリース(2011.3.9/4.21/5.10/5.18/7.11/9.1)、各種報道

東風ホンダ

ブランド名 モデル名 発売時期 概要
東風本田 9代目 思域(Civic) 2011年10月下旬 9代目となる新型「思域(Civic)」。1.8Lまたは2.0Lエンジンを搭載する。
本田 インサイト(Insight) 2012年 ホンダのハッチバックHV。2011年上海モーターショーで2012年から輸入販売する計画と発表された。

資料:東風汽車公司リリース(2011.3.15)、東風ホンダリリース(2011.3.4/4.19/9.16)

東風日産乗用車

ブランド名 モデル名 発売時期 概要
東風日産 新 逍客(New Qashqai) 2011年1月 小型クロスオーバーSUV「逍客」の2011年モデル。
新一代 騏達(New Tiida) 2011年5月 「騏達(Tiida)」の新型モデル。「HR16DE」エンジンを搭載した「Tiida」と直噴ターボエンジン「MR16 DIG TURBO」を搭載した「Tiida GTS」の2仕様がある。
楼蘭(Murano) 2011年9月 日産の都市型SUV「ムラーノ」初の現地生産モデル。日産の「D+」プラットフォームを採用。3.5L V6エンジンにCVTを組み合わせる。
啓辰 第1弾モデル 2012年前半 東風日産乗用車が2010年9月に発表した初の自主ブランド「啓辰」の第1弾モデルとなるセダン。
EVモデル 2015年 「啓辰」ブランドのEVモデル。花都工場で生産する見込みと報じられている。

資料:東風汽車公司リリース(2011.4.7/6.2/7.21)、東風汽車有限公司(2011.6.7/9.14)、東風日産乗用車(2010.12.30/2011.1.5/6.1/7.19)、日刊自動車新聞(2011.9.14)

東風汽車股份

モデル名 発売時期 概要
EJ02(開発コード) 2011年末 東風汽車股份が2011年上海モーターショーで発表した自主開発EV。2人乗りの微型ハッチバックで、通勤用として開発された。駆動用にリン酸鉄リチウムイオン電池を搭載し、最高時速は80km、消費電力量は10kWh/100km、航続距離は110~180kmとなっている。

資料:東風汽車股份リリース、各種報道

鄭州日産

ブランド名 モデル名 発売時期 概要
東風 帥客 2.0L仕様 2011年9月 「帥客」の2.0L仕様。
帥客 1.5L仕様 2011年9月 「帥客」の1.5L仕様。
都市型SUVモデル 2013年 2011年に基本設計を完了し、2013年をめどに発売する予定。
日産 NV200 尊雅型 2011年1月 CDV「NV200」の新仕様。1.6L以下低燃費車補助金制度の対象モデル。
NV200
(2+2+3シート仕様)
2011年6月 商用バン「NV200」の2+2+3シート仕様。前2列が2人乗りで、3列目が3人乗りとなっている。
新型 途楽 2011年後半 日産の新型「パトロール」(日本名「サファリ」)。鄭州日産の販売網を通じて2011年後半から輸入販売される見通し。

資料:鄭州日産ニュース(2011.1.10/2.16/3.10/4.25/4.26/4.27)
(注) CDV(Car Derived Van)とは、基本型乗用車(セダン・ハッチバック等)のプラットフォームをベースとする2box車。

常州東風汽車

モデル名 発売時期 概要
W03(開発コード) 2012年 ミドル・ハイエンド微型車。微型バンと微型トラックの2シリーズを設定。

資料:東風汽車公司リリース(2011.1.4)、各種報道

汽車分公司

モデル名 発売時期 概要
東風御風 2011年10月以降 東風汽車股份では初となる自主開発のハイエンド軽型商用バン。日産の「ZD30」エンジン(103kW、300Nm)に現代自動車の6速アルミ製トランスミッションを組み合わせる。2011年10月にラインオフ予定。

資料:東風汽車股份リリース(2011.6.30)、各種報道

東風柳州汽車

ブランド名 モデル名 発売時期 概要
東風風行
景逸シリーズ
(乗用MPV)
2011年 景逸 1.5XL-AMT 2011年2月 三菱の1.5Lエンジン「4A91」に6速AMTを組み合わせる。
景逸 Cross 2011年5月 2boxSUV。三菱の1.8Lエンジン「4G93M」を搭載し、燃費は7.9L/100km。
景逸 LV 2011年8月 80年代生まれの若年層をターゲットに開発。1.5L、1.8L、または1.8Lターボエンジンを搭載。
景逸 SUV 2011年11月 「東風風行」ブランド初のSUV。2011年末の広州モーターショーで発表する予定。
景逸 Aセグメント車 2013年 Aセグメントセダン。東風柳州汽車は2011年上海モーターショーで、2013年から基本型乗用車(セダン・ハッチバック等)市場に参入すると表明した。
東風風行
菱智シリーズ
(商用MPV)
菱智 1.5L、1.6L仕様 2011年10月 低燃費MPV。

資料:各種報道

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