CATARC提携レポート 中国新エネルギー車動向 2015年8月

2015年7月は新エネルギー乗用車の生産が前月比で減少

2015/09/03

中国国内生産 (概要)



このレポートは北京CATARC科学技術センター*のレポートをマークラインズが編集・翻訳したものです。

 2015年7月の中国における電動車生産台数は前月比で11.7%減、前年同月比で3.5倍の24,628台(鉛酸電池搭載のEV976台を含む)となった。電動車生産が前月比で減少した要因は新エネルギー(EVおよびPHV)乗用車の生産が減少したためで、EV乗用車が前月比28.3%、PHV乗用車が前月比14.6%減少した。新エネルギー乗用車の生産減少により、7月の乗用車比率は前月比8ポイント減の62%に縮小した。


図1 電動車の生産台数 (2015年2月~7月)



中国国内生産

表1 電動車の車種別生産台数 (2014年7月/2015年2月~7月)

車種 2014年
7 月
2015年
2月
2015年
3月
2015年
4月
2015年
5月
2015年
6月
2015年
7 月
前年同月比(%) 前月比(%)
PHV乗用車 1,021 1,661 3,315 1,523 4,932 6,674 5,700 458.3 -14.6
PHVバス 659 694 802 956 1,512 1,656 1,660 151.9 0.2
EV乗用車 4,035 2,207 7,828 5,437 10,992 12,272 8,797 118.0 -28.3
EVバス 250 659 1,981 1,457 2,369 5,543 6,371 2448.4 14.9
EV特殊車両 182 156 457 480 689 1,165 1,373 654.4 17.9
HV乗用車 815 525 34 555 520 584 698 -14.4 19.5
HVバス 0 1 0 0 18 0 29 - -
FCV乗用車 0 0 0 10 0 0 0 - -
合計 6,962 5,903 14,417 10,418 21,032 27,894 24,628 253.7 -11.7


表2 電動車の車種別生産台数 (2015年7月)

 
HV
PHV
EV
合計
乗用車
698
5,700
8,797
15,195
バス
29
1,660
6,371
8,060
特殊車両
0
0
1,373
1,373
合計
727
7,360
16,541
24,628


図2 電動車の車種別生産比率 (2015年7月)

PHV

 2015年7月のPHV生産台数は7,360台となった。そのうち、PHV乗用車は5,700台で、PHV全体の77.4%を占めた。PHV乗用車を生産しているメーカーはBYD、上海汽車、広州汽車、華晨BMW、浙江豪情汽車(Zhejiang Haoqing Automobile)の5社である。BYD 秦の7月の生産台数は4,800台となった。2015年に発売した華晨BMWのBMW 530Le PHVと浙江豪情汽車のVolvo S60L PHVはそれぞれ150台超を生産した。

 PHVバスの生産台数は1,660台で、PHV全体の22.6%を占めた。PHVバスを生産する13社のうち、上位5社は鄭州宇通、中通客車、蘇州金龍、廈門金旅、廈門金龍である。ここ数ヶ月はマンガン酸リチウムイオン電池を搭載したPHVバスが生産を伸ばしており、7月は500台超が生産された。

EV

 2015年7月のEV生産台数は16,541台(鉛酸電池を搭載した乗用EV 666台、同EV特殊車両 310台を含む)となった。EV乗用車は8,797台で、3ヵ月ぶりに1万台を下回った。EV乗用車を生産しているメーカーは20社あり、前月から5社増加した。上位5社(鉛酸電池搭載車は除く)はBYD、浙江吉利、江淮汽車、北京汽車、湖南江南汽車で、前月から変わっていない。EV乗用車の航続距離を見ると、100~150kmのモデルが33.2%と最も多い。

 EVバスの生産台数は6,371台となった。生産メーカーは34社あり、上位5社は鄭州宇通、中通客車、東風、南京金龍、廈門金龍であった。鄭州宇通は7月の生産台数が2,500台超となり、月間生産台数で過去最高を記録した。

 EV特殊車両の生産台数は前月比17.9%増の1,373台となり、5ヵ月連続で増加した。生産メーカーは27社あり、台数、メーカー数ともに増加しているが、1社あたりの生産台数は300台に達していない。7月の上位3社は河北御捷、福建新龍馬、成都王牌商用車であった。

電動車輸入

 2015年7月の電動車輸入は全て乗用車で、台数は前月比24.4%増の2,395台となった。電動車輸入の主力はHV乗用車で、全体の89.6%を占めた。EV乗用車の輸入台数は206台で、Tesla Motorsが最も多い。



国内動向

北京市が「EVバスの購入補助に関する告示」を発表

 2015年7月13日、北京市財政局や市科学委員会などはEVバスの購入補助に関する告示を発表し、北京市からの補助金を中央政府の補助金と同額とした。2015年は全長が6~10メートルのEVバスに対して30万~50万元を、2016年は積載量、全長、航続距離に基づき24万~50万元を、2017年は2016年の補助額から20%減額した金額を支給する。行政機関がEVバスを購入する場合は対象外。中央政府と北京市の補助金総額は車両販売価格の60%が上限となる。

 北京市からの補助金は自動車メーカーに直接支給され、購入者は補助金を差し引いた金額で車両を購入する。北京市に登記していない自動車メーカーは登記している自動車販売会社を経由して補助金が支給される。

北京、天津、河北省:50km以内に充電施設の共同建設を計画

 2015年7月30日、北京市、天津市、河北省の発展改革委員会は「北京、天津、河北省における新エネルギー乗用車の充電施設に関する共同建設計画」に調印した。北京市、天津市、河北省では既に1万本超の充電スタンドが設置されているが、2020年までに公用充電サービス網を構築することで、新エネルギー車の普及と大気汚染の緩和を進めるとしている。

蘭州:「蘭州市新エネルギー車(EV)普及に関する実施計画」を発表

 2015年7月16日、蘭州市政府常務委員会は「蘭州市新エネルギー車(EV)普及に関する実施計画」を決議した。計画によると、2~3年後までに新エネルギー車のタクシーを3,500台普及させる。2016年までには新エネルギーバス200台を投入する。同時にそれに応じた充電インフラと立体駐車場の建設を進める。

東莞:「新エネルギー車普及の加速化に関する方針」を発表

 2015年7月7日、東莞市政府は「新エネルギー車普及の加速化に関する方針」を発表した。同方針では充電施設を整備することで新エネルギー車の普及を進め、事業体や個人の新エネルギー車の購入、利用を推進する。また、今回初めて新エネルギー車の購入者を対象とした市による補助金の基準に言及している。それによると、普及推進期間中に個人が国の補助金対象となっている新エネルギー車を東莞市で購入し、東莞市に登録した場合、国の補助金と同額の補助金が支給される。なお、2015年末までに新たに購入または買い換える公共交通や公務、物流用の車両は30%以上を新エネルギー車とする。

 東莞市は新エネルギー車関連の会社を設立し、個人向けの融資やレンタカー事業を展開している。普及推進期間中、事業のために新エネルギー車を購入すると、国の補助金の80%が支給される。2015年中にレンタカーサービスを始める企業に対しては、1台につき毎月1,000元を12ヶ月間補助する。

 このほか、充電および電池交換施設の建設に対しても言及している。大型建築物や公共の駐車場には充電設備が据え付けられるスペースを全体の10%以上に確保しなければならない。また、新たに建設する住宅の駐車スペースには充電設備の設置が可能な条件を備えなければならない。政府機関、病院、学校、公園などの駐車場や自動車4S (Sale、Spare part、Service、Survey)店、条件の整ったガソリンスタンドは充電および電池交換施設を備えなければならない。

浙江金華:「新エネルギー車補助金制度」を発表

 2015年7月17日、金華市政府は3度目となる「新エネルギー車補助金制度」を発表した。同市は省指定の新エネルギー車普及推進モデル都市として2011年と2013年に補助金制度を実施した。2013年に国指定のモデル都市となって以降、金華市民は新エネルギー車購入時、国の補助金に加え地方の補助金を受けることができる。

TELDとUCARが新エネルギー車のリースと充電施設運営で提携

 2015年8月1日、青島特来電新能源(Qingdao TELD New Energy)と三亜用車科技(UCAR)は新エネルギー車のリース及び充電施設の運営に関する戦略的提携を締結した。リース事業に関してはUCARが青島に営業拠点を設立し、TELDが北京汽車のE160 EVを100台提供する。充電施設はTELDが海南に充電ステーションを12ヶ所建設し、充電スタンドを計200基設置する。

華泰汽車と力神電池が提携

 2015年7月24日、天津力神電池(Tianjin Lishen Battery Joint-Stock)は華泰汽車と戦略的提携を締結し、華泰の路盛(Lusheng) E70EVと新聖達菲(New Santa Fe) EVに二次電池を供給する。

出典:
Energy-saving and new energy vehicle network www.chinaev.org
CATARC Beijing Operations

*1 CATARC (China Automotive Technology & Research Center; 中国自動車技術研究センター)は国務院国有資産監督管理委員会に所属する国営企業で、自動車業界標準及び技術法規の策定、製品認証テスト、 品質保証システム認証、業界企画及び政策研究、情報コンサルティングなどを行う。
CATARCが提供する新エネルギー自動車産業向けの情報サービス「省エネ・新エネルギー車ネットワーク (Energy-saving and new energy vehicle network)」は中国の省エネ・新エネルギー車関連の情報をタイムリーに提供する情報サービスで、マーケティングおよび技術コンサルティングや調査・研究、予測等も行います。