CATARC提携レポート 中国新エネルギー車動向 2015年4月

2015年3月生産は新エネルギー乗用車を中心に拡大

2015/05/07

中国国内生産 (概要)



このレポートは北京CATARC科学技術センター*のレポートをマークラインズが編集・翻訳したものです。


図1 電動車の生産台数 (2015年1月~3月)

 2015年3月の中国における電動車生産台数は前月比で144.2%増、前年同月比で200%増の14,417台 (鉛蓄電池搭載車548台を含む) となった。2015年は2月まで低調だったが、3月は生産量が激増し、単月で1万台を超えた。2014年の電動車生産では9月、11月、12月に1万台を超えている。

 2015年第1四半期の生産台数は2.8万台を超え、単月の平均生産台数は1万台弱となった。2015年3月までの傾向から見て、通年の電動車生産台数は15万台を超える可能性もある。





中国国内生産

表1 電動車の車種別生産台数 (2014年3月/2015年1月~3月)

車種
2014年3月
2015年1月
2015年2月
2015年3月
PHV乗用車
590
2,281
1,661
3,315
PHVバス
970
871
694
802
EV乗用車
1,894
2,797
2,207
7,828
EVバス
547
1,154
659
1,981
EV特殊車両
93
273
156
457
HV乗用車
709
800
525
34
HVバス
2
1
1
0
合計
4,805
8,177
5,903
14,417


表2 電動車の車種別生産台数 (2015年3月)

 
HV
PHV
EV
合計
乗用車
34
3,315
7,828
11,177
バス
0
802
1,981
2,783
特殊車両
0
0
457
457
合計
34
4,117
10,266
14,417


図2 電動車の車種別生産比率 (2015年3月)

PHV

 2015年3月の乗用PHV生産台数は3,315台となり、PHV全体に占める割合は81%と、前月を上回った。乗用PHVを生産しているメーカーはBYD、上海汽車(SAIC)、華晨BMW、広州汽車(GAC)の4社である。BYDは前月に続きPHV生産で首位を維持し、PHV全体で59%、乗用PHVで73%を占めた。BYDに次ぐのが上海汽車で、PHV全体の18%を占めている。

 2015年3月のPHVバス生産は802台となった。PHVバスを生産しているのは鄭州宇通 (Yutong)、南車時代 (China South Locomotive & Rolling Electric Vehicles)、上海万象 (Shanghai Wanxiang Automobile)、蘇州金龍(Suzhou King Long Bus)、廈門金旅 (Xiamen Golden Dragon Bus)、北汽福田 (Beiqi Foton)、中通客車 (Zhongtong Bus)、恒通客車 (Hengtong Bus)などの15社である。上位5社はPHVバス生産の76%を占めており、上位5社の生産比率は前月より拡大した。

EV

 2015年3月のEV生産台数は、乗用車が7,828台で、EV全体の76%を占めた。乗用EVを生産しているメーカーは18社あり、うち上位5社は浙江吉利(Zhejiang Geely)、湖南江南汽車製造(Hunan Jiangnan Automobile Manufacturing)、北京汽車(BAIC)、奇瑞汽車(Chery) (鉛蓄電池搭載車は363台)、BYDである。上位5社はEV生産の75%を、乗用EV生産の98%を占めている。

 EVバスの生産台数は1,981台で、EV生産の19%を占めた。EVバスを生産しているメーカーは24社あり、上位5社は鄭州宇通(Yutong)、東風汽車(Dongfeng Motor)、蘇州金龍 (King Long Suzhou)、安徽安凱(Anhui Ankai Automobile)、南京金龍(Nanjing King Long Bus)である。上位5社はEVバス生産の60%を占めている。

 EV特殊車両を生産しているメーカーは19社あり、重慶瑞馳汽(Chongqing Ruichi Automobile)、南京特種汽車(Nanjing Nac Special Purpose Vehicle)、福建新龍馬(Fujian New Ryoma Automobile)、蕪湖宝騏(Wuhu Baoqi)、中聯重科(Zhonglian Zhongke)が上位5社である。

電動車輸入

 2015年3月の電動車輸入は全て乗用車で、台数は1,077台だった。内訳はEVが528台、HVが502台、PHVが47台である。EV輸入車の98%はTesla Motorsが占めており、それに次ぐVWとBMWの輸入台数はともに一桁台であった。HV輸入車のほとんどはトヨタの423台で、Porscheがそれに次いでいる。



国内動向

中国交通運輸部:新エネルギー車の普及を推進、各地に通行、購入無制限を要請

 2015年3月18日、中国交通運輸部は「運輸業に対する新エネルギー車の普及推進策」を発表した。同推進策では、2020年までに公共交通やタクシー、物流配送などの分野における普及台数を30万台としている。また、新エネルギー車のインフラを整備することで、普及を加速させる。さらに、都市公共バスやタクシーの営業権は新エネルギー車の使用頻度が高い、または新エネルギー車のみを扱う運輸会社に優先的に与えられる。各地方政府に対しては新エネルギー車の通行や購入に対して制限を設けず、新エネルギー車を使用するタクシー業者に対して営業権を優先して付与するよう要請している。

北京市が「公共充電施設の案内図」を発表、充電施設約200ヶ所が完成し、72ヶ所を運用開始

 2015年3月、北京市の新エネルギー車開発推進センターは「北京市公共充電施設の案内図」(2015年2月版)を発行した。案内図によると、2015年2月末現在、北京市ではすでに72ヶ所の充電施設が運用を開始しており、427台の直流充電器と232台の交流充電器が設置されている。さらに123ヶ所の充電施設が完成しており、試験運転後に運用を開始する。充電器の台数は直流充電器467台、交流充電器267台である。これらの充電施設は個人ユーザーも利用できる。

 2月版の充電案内図を見ると、約200ヶ所ある運用中または運用前の充電施設は平谷(Pinggu)区を除き、北京市のほぼ全域に設置されている。設置場所は主に駐車場、電力会社の営業所、高速道路のサービスエリア、新エネルギー車の4S(Sale、Spare part、Service、Survey)店、レンタカーの営業所、大型ショッピングモール、設置条件を備えたガソリンスタンド、観光地、路肩駐車スペースなどである。普通充電、急速充電のレイアウトを見ると、設置済みの直流充電器は894台、交流充電器は499台となっており、北京市が先に発表した「公共充電施設は急速充電を主とする。」という構想に合致している。

北京市:電動車を通行規制の対象外に、輸入EVはナンバープレート取得可能に

 2015年4月2日、北京市政府は「中華人民共和国道路交通安全法」及び「北京市大気汚染防止条例」の規定により、2015年4月11日から2016年4月10日まで引き続き平日の車両ナンバープレート末尾による通行規制を実施すると発表した。通行規制の時間帯は7時から20時までで、範囲は五環路を除く五環路内の道路である。今回注目する点は、乗用EV(二次電池を唯一の動力源とするモーター駆動の車両)が平日のピーク時間帯に限り、特定の区域で行われる通行規制を受けないことである。具体的な実施時間帯は交通管理局によって発表される。

 北京市では新エネルギー乗用車に関する法案が可決され、輸入EVでも新エネルギー車のナンバープレートを取得できるようになる。また、2015年には乗用車の購入枠を持つ組織及び個人による新エネルギー車の購入と、保有している乗用車を新エネルギー車へ買い換えることを奨励する条例が可決される見通しである。

成都市が新エネルギー車優遇措置を発表

 2015年4月13日、成都市は「経済の安定成長に関する成都市人民政府の方針」を発表した。同方針の中で成都市は、新エネルギー車の充電施設への投資、個人が所有する駐車場への充電器の設置を奨励しており、それらに対して補助金を支給する。公共サービス分野では新エネルギー車の購入を推進しており、新エネルギー車の購入に対して中央政府の補助金の60%を地方補助として支給する。また、新エネルギー車はナンバープレート末尾による通行規制を受けない上に、国有資本を投じて建設された公共駐車場では駐車料金が免除される。

BYD、上海モーターショーにe5/T3/商/唐/宋/元を出展

 2015年4月20日に上海モーターショーが開幕し、BYDは唐、宋、元、Dual Modeを搭載したMPVの商、初出展のe5、T3などを出展した。e5はEVタクシーで、T3は物流向けのEVである。コンパクトSUVの宋はBYD S3のDual Mode版で、補助金対象となれば価格は12~16万元となる。サイズは全長が4,565mm、全幅が1,830mm、全高が1,703mm、ホイールベースが2,660mm。小型SUV の元はBYD S1のDual Mode版で、サイズは全長が4,320mm、全幅が1,765mm、全高が1,650mm、ホイールベースが2,520mm。1.5Lエンジンと2基のモーターで駆動するのが特徴である。

BMWと普天新能源、北京に充電器200台を設置

 BMWは自社製の交流充電器200台を普天新能源北京分公司(Potevio New Energy Co., Ltd. Beijing Branch)に納入した。この充電器は主にBMW i3、i8、華晨BMW 之諾(Zinoro)などBMWのEVユーザーが公共の場で充電するためのもので、充電口は中国とドイツで統一されているためBMW以外のEVでも充電が可能となる。

 普天新能源の関係者によると、同社は2015年に北京市内の充電器をさらに増やす計画を打ち出している。北京市の公共充電施設は主に直流充電器を使用しているが、BMWの交流充電器200台を充電器建設計画に盛り込み、BMWユーザーの使用環境に合わせて設置していく。

出典:
Energy-saving and new energy vehicle network www.chinaev.org
CATARC Beijing Operations

*1 CATARC (China Automotive Technology & Research Center; 中国自動車技術研究センター)は国務院国有資産監督管理委員会に所属する国営企業で、自動車業界標準及び技術法規の策定、製品認証テスト、 品質保証システム認証、業界企画及び政策研究、情報コンサルティングなどを行う。
CATARCが提供する新エネルギー自動車産業向けの情報サービス「省エネ・新エネルギー車ネットワーク (Energy-saving and new energy vehicle network)」は中国の省エネ・新エネルギー車関連の情報をタイムリーに提供する情報サービスで、マーケティングおよび技術コンサルティングや調査・研究、予測等も行います。