CATARC提携レポート 中国新エネルギー車動向 2015年1月

2014年12月生産は3万台弱に急増、中国自動車生産の新エネルギー車比率は1%を突破

2015/02/02

中国国内生産 (概要)

このレポートは北京CATARC科学技術センター*のレポートをマークラインズが編集・翻訳したものです。


図1 電動車の車種別生産台数 (2014年1~12月)

 2014年12月の中国における電動車生産台数は前年同月比3.1倍増、前月比2.8倍増の28,012台(977台の鉛蓄電池搭載車は含まない)となり、過去最高を更新した。内訳はEVとPHV(新エネルギー車)が27,590台、HVが422台である。12月の電動車生産を車種別に見ると、乗用車は15,614台で55.7%、バスは10,242台で36.6%、特殊車両は2,156台で7.7%を占めた。2014年通年の新エネルギー車生産台数は8.49万台を記録した。

 新エネルギー車(EVおよびPHV)の12月生産は2万台を突破し、中国の自動車生産における新エネルギー車比率は1.3%となった。乗用車生産では、新エネルギー車(乗用EVおよびPHV)が0.8%を占めた。12月の新エネルギー車生産で最も拡大したのはEVバスで、生産台数は6,000台超と前月の5倍近くの規模となった。EVバスの次に拡大したEV特殊車両は前月比3倍超増加した。試験都市では建設および物流向けとしてEV特殊車両の採用を推進している。そのため、新エネルギー車におけるEV特殊車両比率は更に拡大すると考えられる。一方、新エネルギー車の対象から外れているHVは国からの補助金が受けられないため、HVの生産は減少傾向にある(図2を参照)。12月に生産されたHVはトヨタの合弁2社が85%を占めている。


図2 ハイブリッド車と新エネルギー車の生産比率推移
(2014年1~12月)

図3 新エネルギー車の車種別生産比率推移
(2014年1~12月)


乗用EV・PHV

 2014年12月の乗用EV生産は前月比で2倍超の拡大、生産モデルは約40となり、いずれも過去最高を記録した。12月の乗用EV生産をモデル別に見ると、衆泰(Zotye) 知豆(Zhidou)が1位、康迪(Kandi) K10(小電跑)が2位となり、2モデルで50%超を占めた。3位の北汽新能源汽車(北京汽車傘下) E150 EVは12月に1,800台超が生産された。この結果から乗用EV市場はA0セグメントが主力であると言える。

 北汽新能源汽車は2014年に乗用EVおよびPHVを約5,000台販売した。販売先は主にタクシーやカーシェアリングサービス向けで、個人向けの比率は低い。北京汽車は電子機器の受託生産を行う富士康(Foxconn)と新エネルギー車のレンタカー会社を設立し、レンタカー会社が新エネルギー車を購入するシステムを確立した。完成車メーカーが新エネルギー車の普及のため、レンタカー会社を設立することは新エネルギー車市場における新たなトレンドになりつつある。

 2014年12月の乗用PHV生産は前月比で微増となった。BYD 秦(Qin)は電池の供給が追いつかず、12月の生産台数は1,800台前後にとどまった。BYDの王伝福総裁は、2015年4月までに秦(Qin)の生産能力を倍増となる年間4万台に拡大すると発表している。

 大都市では新エネルギー車以外の自動車に対して、ナンバープレートの購入を制限している。そのため、乗用PHVの販売は拡大基調にあり、なかでも秦(Qin)のシェアは乗用PHV市場で最も高い。華晨BMWは12月にBMW 5シリーズのPHVを発表し、30台超を生産したが、まだ発売されていない。第一汽車の奔騰 (Besturn) B50のPHVであるCA7155PHEVは12月にモデルチェンジした。CA7155PHEVの燃費は3.2L/100km以下(NEDCモード)。EV走行での航続距離は60km/h走行で45km、40km/h走行で60kmである。

電動バス

 2014年12月のEVおよびPHVバス生産は1万台超となり、中でもEVバスは6,287台と前月より大幅に拡大した。12月に生産されたEVバスは航続距離が60~245km、全長が6~12mで、二次電池は主にリン酸鉄リチウムイオン電池が採用されている。PHVバスの12月生産は3,786台で、前月の2.3倍となった。PHVバスの電池は主にリン酸鉄リチウムイオン電池が採用されている。PHVバスのハイブリッドシステムはシリーズ式とパラレル式がそれぞれ5割前後を占めている。また、HVバスは12月に169台が生産された。

電動車輸入

 2014年12月の乗用EV輸入台数は770台で、その多くがTesla MotorsのModel Sである。BMWのEV i3(レンジエクステンダー式EVを含む)の輸入台数は約40台。VWのEV e-up!は12月に輸入を開始し、50台が輸入された。乗用HVは12月に2,000台超が輸入され、そのほとんどがレクサスブランドのHVである。BMWのPHV i8は12月に20台超が輸入された。

 



国内動向

福田汽車、山東省の新エネルギー車工場で生産開始

 福田汽車(Foton)は2015年1月5日、山東省にある新エネルギー車工場の開業式を開催し、その際に欧輝(AUV)ブランドの新エネルギーバス生産が1万台に達したことを発表した。

 山東省の新エネルギー車工場では欧輝ブランドのEVおよびPHVバスを生産する。投資額は15億元で、年間生産能力は1万台(スクールバスを含む)、売上高70億元を目指す。

吉利と新大洋機電のEV合弁、蘭州で知豆D1の生産開始

 吉利と新大洋機電集団(Xin Dayang Mechanical and Electrical Group)の折半合弁会社である新大洋電動車科技(Xin Dayang Electric Vehicles)は2015年1月11日、甘粛省蘭州で第1号車の知豆D1をラインオフした。微型EVの知豆D1は軽量ボディとEV用シャシーを採用している。航続距離は約160km、電力消費量は8kWh/100kmである。

 2014年12月現在の蘭州工場の生産能力は年間10万台だが、将来的には年間30万台に引き上げる。今後、新大洋電動車科技は吉利と新大洋機電の技術を融合し、中国の新エネルギー車市場の開拓を進める方針である。

BYD、深セン市に自動車向け二次電池工場

 BYDは2015年1月5日、深セン市の坑梓工業団地で自動車向け二次電池工場の建設に着工した。敷地面積は約10万平方メートルで、2015年末に完成予定。同拠点は自動車用電池の研究開発も行う。電池の生産能力は年間8GWhで、約25,000台のバスまたは60万台超の乗用HVへの電池供給が可能となる。

北汽新能源汽車、紳宝EV(ES210)を発売

 北汽新能源汽車は2014年12月17日、B セグメントの紳宝(Senova) D70をベースにしたEV 紳宝ES210を発売した。容量38kWhのリチウムイオン電池を搭載しており、航続距離は180km超。最高速度は130km/h。紳宝ES210は社用および公用車として採用されることを目指している。

北京~上海の高速道路で急速充電施設を整備

 北京~上海の高速道路ではEVでの長距離利用を可能にするため、急速充電施設が整備される。高速道路の長さは1,262kmで、平均50km毎に1ヵ所の急速充電施設が設置される。充電時間は30分。

出典:
Energy-saving and new energy vehicle network www.chinaev.org
CATARC Beijing Operations

* CATARC (China Automotive Technology & Research Center; 中国自動車技術研究センター)は国務院国有資産監督管理委員会に所属する国営企業で、自動車業界標準及び技術法規の策定、製品認証テスト、 品質保証システム認証、業界企画及び政策研究、情報コンサルティングなどを行う。
CATARCが提供する新エネルギー自動車産業向けの情報サービス「省エネ・新エネルギー車ネットワーク (Energy-saving and new energy vehicle network)」は中国の省エネ・新エネルギー車関連の情報をタイムリーに提供する情報サービスで、マーケティングおよび技術コンサルティングや調査・研究、予測等も行います。