分析レポート ブレーキ (日本市場編)
AEBS / 踏み間違い防止など安全法規制への対応強化
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Ⅰ. はじめに
ブレーキはクルマの基本性能の一つである「止まる」をつかさどるシステムであり、その性格上から重要保安部品として管理のもと生産・品質保証されている。本稿ではABSやESCなどのブレーキ制御システム、ブレーキブースターやブレーキペダルなどの補機類や補助ブレーキ類については特に言及しない限り触れず、ファウンデーションブレーキ、つまりブレーキ機構部品であるディスクブレーキ構成3部品・ドラムブレーキ構成3部品を中心に扱い、主要サプライヤーのビジネス概要と搭載情報をもとにしたシェア状況を分析する。また近年電動パーキングブレーキ(EPB)がリアブレーキに急速に普及しており、シェアも大幅に変わってきているためパーキングブレーキについて加筆を行った。また商用車については、ドラムブレーキの種類や適用車種の解説にとどめる。
一般的に四輪車の制動力前後比は前7:後3と言われており、またFF車が主流となり前後配分比が前輪主であることから、前輪のほぼ100%にディスクブレーキが採用され、また後輪はCセグメント以上ならびに1.5L超の小型乗用車を中心に市場の半数強はディスク式が採用されている。しかし、軽自動車、Bセグメント以下の小型廉価車、商用車を中心に市場の半数弱がコスト主要因にて後輪ドラム式となっている。
日系OEMごとの傾向でみると、ディスクブレーキ搭載モデルが多いのは、現在商用車を生産していないSUBARUとマツダ。マツダは、”Mazda2”を除いたモデルはすべて全輪ディスクブレーキ搭載である。
一方、ドラムブレーキ搭載モデルが多いのが、軽自動車とBセグメント以下の小型車が主要生産モデルであるダイハツとスズキである。
その中間がトヨタ、日産、ホンダ、三菱である。三菱の国内向けは軽自動車や小型商用車でドラムブレーキの搭載が多い。トヨタと日産とホンダは全輪ディスクブレーキ搭載モデルも多いが、複数のBセグメントや商用車も生産しているため、ドラムブレーキ搭載モデルも多くみられる。
これら前後輪を合算すると、日本市場におけるブレーキ部品の構成比はディスク式が約3/4を占め、残り約1/4がドラム式となっている。今後もディスク式の比率が上昇していくものと推測される。歴史が長いドラム式ではあるが、近年になってブレーキドラムに電動パーキングブレーキ(以下EPB)を一体化した新製品が実用化されている。特に、軽自動車で採用が伸びているため、軽自動車におけるドラムブレーキの採用率は維持される見通しとなっている。また欧州では、AUMOVIOのEVの将来コンセプトでは、リアブレーキはドラムブレーキが提案されている。引きずりがなく、粉塵を閉じ込め易いことが理由だが、採用されるかは未知数である。
本稿は日本市場についての分析であるが、主要各社ともグローバル化に伴う海外拠点強化に取り組んでいるため、必要に応じグローバル化の視点でも言及する。最近の日系ファウンデーションブレーキのサプライヤーの全体動向をみると、一部のサプライヤーを除いては新製品の開発や生産国拡大よりも事業統合や縮小を伴う再編の動きの方が目立ってきている。ホンダ系の浅間技研工業はすでに住友商事の傘下入りしており、一方、日信工業も2021年1月より、日立Astemo(日立製作所系列)に統合されたが、2025年4月にはAstemoに社名変更、2027年3月期をめどに本田技研工業の連結子会社となることから、ブレーキビジネスの規模を大きくして元の鞘に戻る。




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