電気自動車(BEV/PHV/FCV)販売月報 2025年5月
5月の電気自動車販売台数は前年同月比23.1%増の143.1万台(主要12ヵ国+北欧3ヵ国)
2025/06/25
- 電気自動車(BEV/PHV/FCV)のシェア
- 各国の電気自動車シェアと推移
- 主要メーカーの電気自動車販売台数推移とパワートレイン別販売構成比
- 主要12ヵ国の乗用車販売動向(電気自動車だけではなく、内燃機関など全てのパワートレインを含む)
電気自動車(BEV/PHV/FCV)のシェア
本レポートは、世界自動車販売台数(注1)の約83%をカバーする主要12カ国に北欧3カ国(注2)を加えた計15カ国の新車販売台数(マークラインズ集計データ、商用車を除く、推計値を含む。)を対象にグローバル市場における電気自動車(BEV/PHV/FCV)の動向を分析する。
主要12カ国:中国、米国、日本、インド、ドイツ、フランス、ブラジル、英国、韓国、カナダ、イタリア、タイ
北欧3カ国:ノルウェー、スウェーデン、フィンランド
電気自動車の世界販売に占めるこれら15カ国の割合は約90%。
(注1)2025年6月20日集計
過去の台数データの一部に修正が入りました。
一部のデータには推計値が含まれます。
中国の販売台数(出荷台数)は輸出台数を除く集計値となります。
(注2)北欧諸国の電動化率が高い理由
1. 国民の元々の環境意識が高い
2. 水力、風力等、再生可能エネルギーによる電力比率が高い(潤沢な再生可能エネルギーを電気自動車に使うという意識)
3. 補助金、税制面でのインセンティブ、充電インフラ整備などの手厚い政策
4. 電気自動車のモデルラインナップが多い
主要12カ国とノルウェー、スウェーデン、フィンランドの北欧3カ国(計15カ国)における5月の電気自動車販売台数は143.1万台となり、前月比で7.6%増、前年同月比では23.1%増と順調に伸びた。中国やドイツ、英国で台数が増加した。5月の電気自動車シェアは26.6%で、前年同月比で3.8ポイント増加、前月比でも1.3ポイント増加した。1~5月の電気自動車累計販売台数は、前年同期比31.0%増の634.4万台で、自動車販売台数全体に占めるシェアは24.3%となった。
HVの5月の販売台数は41.2万台となり、前月比9.9%減、前年同月比で7.4%増加した。5月のシェアは7.7%となり、前月比で1.0ポイント減、前年同月比では0.2ポイント増加した。1~5月のHV累計販売台数は227.1万台、前年同期比で21.2%増加し、自動車販売台数全体に占めるシェアは8.7%だった。
トランプ大統領は6月12日、自動車関税をさらに引き上げる可能性があると発言した。関税の引き上げがOEMに対し、米国への更なる投資を促す効果があるとし、GMや現代が米国への追加投資を発表したことを成功例として挙げている。一方で、OEM各社は25%の追加関税を削減するよう、ホワイトハウスに働きかけている。鉄鋼・アルミニウムとその派生品目に対する輸入関税については、6月4日に25%から50%に引き上げられている。
米国と各国間の交渉が行われる中、英国は米英繁栄協定(EPD)を締結し、6月18日に両国首脳から最終合意が発表された。英国の自動車メーカーが毎年米国に輸出する車両のうち、最初の10万台については米国の追加関税が25%から10%に引き下げられ、10万台を超える部分については25%の追加関税が適用される。英国製の鉄鋼・アルミニウム製品とその派生品については、一定の量まで関税を0%または低い水準に引き下げる関税割当が設定される。
中国のレアアース輸出規制も各国の自動車生産に影響を及ぼしている。中国政府は4月4日にレアアースを対象に輸出規制を発動した。レアアースは電子部品や永久磁石など自動車生産に不可欠な部品に用いられており、輸出規制によってメーカー各社が部品不足で一部車種が生産停止に陥るなど、業界全体への影響が大きくなりつつある。中国商務部は6月7日、一部のレアアース輸出申請を承認したと発表した。
トランプ政権の動向と各国間の協議の進展や、メーカー各社の動向を引き続き注意深く見ていく必要がある。
無料会員登録により、期間限定で続きをお読みいただけます。