電気自動車(BEV/PHV/FCV)販売月報 2025年4月
4月の電気自動車販売台数は前年同月比31.6%増の134.1万台(主要12ヵ国+北欧3ヵ国)
2025/05/23
- 電気自動車(BEV/PHV/FCV)のシェア
- 各国の電気自動車シェアと推移
- 主要メーカーの電気自動車販売台数推移とパワートレイン別販売構成比
- 主要12ヵ国の乗用車販売動向(電気自動車だけではなく、内燃機関など全てのパワートレインを含む)
電気自動車(BEV/PHV/FCV)のシェア
本レポートは、世界自動車販売台数(注1)の約83%をカバーする主要12カ国に北欧3カ国(注2)を加えた計15カ国の新車販売台数(マークラインズ集計データ、商用車を除く、推計値を含む。)を対象にグローバル市場における電気自動車(BEV/PHV/FCV)の動向を分析する。
主要12カ国:中国、米国、日本、インド、ドイツ、フランス、ブラジル、英国、韓国、カナダ、イタリア、タイ
北欧3カ国:ノルウェー、スウェーデン、フィンランド
電気自動車の世界販売に占めるこれら15カ国の割合は約90%。
(注1)2025年5月21日集計
過去の台数データの一部に修正が入りました。
一部のデータには推計値が含まれます。
中国の販売台数(出荷台数)は輸出台数を除く集計値となります。
(注2)北欧諸国の電動化率が高い理由
1. 国民の元々の環境意識が高い
2. 水力、風力等、再生可能エネルギーによる電力比率が高い(潤沢な再生可能エネルギーを電気自動車に使うという意識)
3. 補助金、税制面でのインセンティブ、充電インフラ整備などの手厚い政策
4. 電気自動車のモデルラインナップが多い
主要12カ国とノルウェー、スウェーデン、フィンランドの北欧3カ国(計15カ国)における4月の電気自動車販売台数は134.1万台となり、前月比で10.2%減、前年同月比では31.6%の大幅増となった。3月は中国と英国で季節要因による増加があったため前月比では減少したが、前年同月比でみると大幅増が続いている。4月の電気自動車シェアは25.5%で、前年同月比で4.6ポイント増加、前月比でも1.3ポイント増加した。1~4月の電気自動車累計販売台数は、前年同期比34.5%増の494.7万台で、自動車販売台数全体に占めるシェアは23.8%となった。
HVの4月の販売台数は43.0万台となり、前月比25.5%減、前年同月比で16.2%増加した。4月のシェアは8.2%となり、前月比で1.2ポイント減、前年同月比では0.6ポイント増加した。1~4月のHV累計販売台数は184.5万台、前年同期比で22.3%増加し、自動車販売台数全体に占めるシェアは8.9%だった。
米国の自動車・自動車部品に対する25%の追加関税は4月3日に発効し、自動車部品については、米国内で自動車を生産する企業への軽減措置が発表され、5月3日に発動した。トランプ政権と各国の交渉では、5月8日に米英間で貿易協定が締結され、英国から米国への輸入車は年間10万台まで10%の税率を適用し、これを上回る部分には25%の税率を適用することで合意した。欧州委員会は同日、米国との交渉で一連の関税が撤廃できなかった場合に向け、最大950億ユーロ(1080億ドル)の米国からの輸入品に対する対抗措置を提案した。米国から輸入される自動車や自動車部品も対象としている。また、EUに対して一時的に設定されている10%の相互関税と、自動車及び自動車部品に対する25%の追加関税について、WTOに提訴すると発表した。中国との交渉では、5月12日に米中間で双方の関税率を115%引き下げることで合意し、14日から90日間の交渉に入る。
関税を巡る今後の見通しは依然不透明だが、メーカー各社の対応や各国の自動車市場の変化に引き続き目を配る必要がある。
無料会員登録により、期間限定で続きをお読みいただけます。