電気自動車(BEV/PHV/FCV)販売月報 2024年12月
12月の電気自動車販売台数は前年同月比26.0%増の180.5万台(主要12ヵ国+北欧3ヵ国)
2025/01/23
- 電気自動車(BEV/PHV/FCV)のシェア
- 各国の電気自動車シェアと推移
- 主要メーカーの電気自動車販売台数推移とパワートレイン別販売構成比
- 主要12ヵ国の乗用車販売動向(電気自動車だけではなく、内燃機関など全てのパワートレインを含む)
電気自動車(BEV/PHV/FCV)のシェア
本レポートは、世界自動車販売台数(注1)の約83%をカバーする主要12カ国に北欧3カ国(注2)を加えた計15カ国の新車販売台数(マークラインズ集計データ、商用車を除く、推計値を含む。)を対象にグローバル市場における電気自動車(BEV/PHV/FCV)の動向を分析する。
主要12カ国:中国、米国、日本、インド、ドイツ、フランス、ブラジル、英国、韓国、カナダ、イタリア、タイ
北欧3カ国:ノルウェー、スウェーデン、フィンランド
電気自動車の世界販売に占めるこれら15カ国の割合は約90%。
(注1)2025年1月22日集計
過去の台数データの一部に修正が入りました。
一部のデータには推計値が含まれます。
中国の販売台数(出荷台数)は輸出台数を除く集計値となります。
(注2)北欧諸国の電動化率が高い理由
1. 国民の元々の環境意識が高い
2. 水力、風力等、再生可能エネルギーによる電力比率が高い(潤沢な再生可能エネルギーを電気自動車に使うという意識)
3. 補助金、税制面でのインセンティブ、充電インフラ整備などの手厚い政策
4. 電気自動車のモデルラインナップが多い
主要12カ国とノルウェー、スウェーデン、フィンランドの北欧3カ国(計15カ国)における12月の電気自動車販売台数は180.5万台で過去最高を記録した。前年同月比で26.0%の大幅増、前月比では3.4%増となった。12月の電気自動車シェアは29.4%で、前年同月比で4.8ポイント増、前月比では0.4ポイントと微増した。台数、シェアはそれぞれ4カ月、5カ月連続で過去最高を更新した。2024年通年の電気自動車販売台数は前年比26.8%増の1,522.9万台で、自動車販売台数全体に占めるシェアは24.2%となった。2024年は販売台数、伸び率ともに前年を上回る結果となった。特に中国でBEV、PHV共に大きく台数が増加し、全体の伸びを牽引した。
HVの12月の販売台数は44.4万台となった。前月比で7.7%減、前年同月比では13.2%増加した。12月単月のシェアは7.2%だった。2024年のHV累計販売台数は493.0万台、前年比で17.0%増加し、自動車販売台数全体に占めるシェアは7.8%だった。
2024年はBYDに代表される中国メーカーが大きく台数を伸ばした。その一方で、各国でのEV需要の失速を受け、欧米市場を中心にメーカー各社がEV戦略の見直しを表明している。中国製EVに対する追加関税など、電気自動車市場を取り巻く環境も複雑化している。
2025年1月20日に就任したトランプ大統領は米国の対外貿易赤字の原因の調査、関税を徴収する「外国歳入庁」の創設方法に関する決定、不公正な貿易慣行の特定、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)など既存の貿易協定の見直しを指示した。メキシコとカナダに対する25%の関税については2月1日に発動する可能性を示している。また、環境規制の緩和や、EV推進の取りやめなど電気自動車市場全体に大きな影響を与え得る政策が次々と発表された。EVシフトの停滞とともに自動車業界では今後のパワートレインやサプライチェーンの動向が注目されている。
主要12カ国と北欧3カ国の電気自動車及びHVシェア
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