電気自動車(BEV/PHV/FCV)販売月報 2024年11月
11月の電気自動車販売台数は前年同月比40.0%増の175.0万台(主要12ヵ国+北欧3ヵ国)
2024/12/26
- 電気自動車(BEV/PHV/FCV)のシェア
- 各国の電気自動車シェアと推移
- 主要メーカーの電気自動車販売台数推移とパワートレイン別販売構成比
- 主要12ヵ国の乗用車販売動向(電気自動車だけではなく、内燃機関など全てのパワートレインを含む)
電気自動車(BEV/PHV/FCV)のシェア
本レポートは、世界自動車販売台数(注1)の約83%をカバーする主要12カ国に北欧3カ国(注2)を加えた計15カ国の新車販売台数(マークラインズ集計データ、商用車を除く、推計値を含む。)を対象にグローバル市場における電気自動車(BEV/PHV/FCV)の動向を分析する。
主要12カ国:中国、米国、日本、インド、ドイツ、フランス、ブラジル、英国、韓国、カナダ、イタリア、タイ
北欧3カ国:ノルウェー、スウェーデン、フィンランド
電気自動車の世界販売に占めるこれら15カ国の割合は約90%。
(注1)2024年12月23日集計
過去の台数データの一部に修正が入りました。
一部のデータには推計値が含まれます。
中国の販売台数(出荷台数)は輸出台数を除く集計値となります。
(注2)北欧諸国の電動化率が高い理由
1. 国民の元々の環境意識が高い
2. 水力、風力等、再生可能エネルギーによる電力比率が高い(潤沢な再生可能エネルギーを電気自動車に使うという意識)
3. 補助金、税制面でのインセンティブ、充電インフラ整備などの手厚い政策
4. 電気自動車のモデルラインナップが多い
主要12カ国とノルウェー、スウェーデン、フィンランドの北欧3カ国(計15カ国)における11月の電気自動車販売台数は175.0万台だった。前年同月比で40.0%増の大幅増、前月比でも9.1%と続伸し、過去最高を更新した。11月の電気自動車シェアは29.1%で、前年同月比で6.5ポイント増、前月比で1.2ポイント増だった。台数、シェアはそれぞれ3カ月、4カ月連続での過去最高記録となる。1~11月の電気自動車累計販売台数は、前年同期比27.2%増の1,345.6万台で、自動車販売台数全体に占めるシェアは23.7%となった。
HVの11月の販売台数は44.1万台となった。前月比で0.3%増、前年同月比では15.2%増加した。11月のシェアは7.3%だった。1~11月のHV累計販売台数は441.9万台、前年同期比で15.6%増加し、自動車販売台数全体に占めるシェアは7.8%だった。
11月5日の米大統領選挙で勝利した共和党のドナルド・トランプ氏は、選挙期間中から、追加関税、EV義務化の撤廃、ガソリン車の規制緩和などについて言及していたが、当選後にはインフレ抑制法(IRA)に基づく、電気自動車購入時の税額控除(最大7,500ドル)廃止や、USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)による一定の条件のもとゼロ関税のカナダとメキシコに25%、中国に10%の追加関税を課すと述べている。
欧州でもEVシフトの流れが停滞する中、自動車メーカーはEV戦略の見直しを行っている。米国での方針転換は将来の電気自動車販売市場全体に大きな影響を与える可能性があり、今後のトランプ氏と新政権の動きを注視する必要がある。
一方で、中国市場を中心にBYDの躍進が続いている。BYDは2023年の販売台数が283.0万台だったが、2024年は10月時点で前年を上回り(300.8万台)、11月までの累計では前年同期比39.0%増の349.5万台に達している。主要メーカーの大半が前年同期比で販売減となる中、12月23日には日産とホンダが経営統合に向けた協議・検討の開始に合意したと発表した。三菱自動車も合わせた3社で販売台数は787.2万台(2023年累計)で世界3位の規模になる。しかし、電気自動車販売台数は未だ20万台未満(2024年1~11月累計)にとどまる。今後の業界再編の動きと各国・地域の電気自動車市場の変化について注視していく必要がある。
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