カーボンニュートラル・テック・フェア2025
CO2削減、省エネ、水素・アンモニア、リサイクル
2025/03/07
- 概要
- 材料技術、表面処理技術
- CO2を排出しない先進的発電技術
- CO2を分離・回収する技術、CO2を再利用するメタネーション技術
- 水素(H2)・アンモニア(NH3)関連技術
- リサイクル技術(資源循環技術)
概要
カーボンニュートラル・テック・フェア(主催・会場:名古屋商工会議所)は2025年1月28日(火)~29日(水)に開催された。水素技術を紹介するイベントである名古屋水素技術フェア(主催:名古屋市経済局イノベーション推進部次世代産業振興課)も同時開催され、合計22の民間企業・大学等が出展した。
CO2排出の無い将来の新発電技術、エネルギーのカーボンニュートラルに向けた水素・アンモニア関連技術、CO2 を分離・回収・再利用する技術、省エネルギーに貢献する材料・表面処理技術、資源循環技術等の展示があり、本稿ではこれらの中から自動車のカーボンニュートラルに貢献する各種技術について紹介する。
自動車のカーボンニュートラルを進めていくためには、従来から取り組んでいる自動車部品製造時の省エネルギーや部品そのものの効率向上も重要であるが、電力製造時、水素・アンモニア製造時、材料・部品製造時、完成車の運搬時、走行時、リサイクル時など、ライフサイクル全体でのCO2排出低減技術が必要であり、それらの効率化、省エネルギー化を図り、CO2排出低減にかかるコストを可及的に抑えていく必要がある。
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会場外観(名古屋商工会議所) | 会場風景(5F会議室) |
自動車のカーボンニュートラルについて
自動車のカーボンニュートラルとは、排出する温室効果ガス(CO2等)を実質的にゼロにする事であるが、ライフサイクルでCO2排出量を評価する必要がある。
例えば、EVは走行時にCO2を排出しないためエコカーと呼ばれるが、バッテリー製造時のCO2排出量が多いため、通常の内燃機関車よりも製造時のCO2排出量が多くなる場合もある。また、EVを充電する時の電気が火力発電所で作られた場合、そこで排出されるCO2もライフサイクルでのCO2排出量に加算される。したがって、ライフサイクルで考えた場合、EVのCO2排出量が内燃機関車よりも少なくなるとは限らない。
FCVもEVと同様に、走行時にCO2を排出しないが、FCセル製造時のCO2排出量がやや多く、また燃料となる水素(H2)の製造時にCO2発生があると、ライフサイクルでのCO2排出量に加算される。そこで、CO2 の排出が無い発電技術や、水素製造時に発生したCO2を分離回収して固定あるいは再利用する技術が開発されれば、CO2排出量を減らす事ができる。さらに最近では、水素だけでは無く、アンモニア(NH3)もCO2を排出しない燃料として注目され、水素、アンモニアそのもののCO2排出の無い製造方法も検討されている。
次に自動車の車体や部品は、鋼板、アルミ、銅等の金属や樹脂等の有機物、そして無機物等の材料でできているが、これらの材料や部品の製造時、そして完成車の運搬時、廃車後のリサイクル時にも電気や燃料が使用され、CO2が排出される。これらライフサイクルにわたるCO2排出量(カーボンフットプリント:CFP)の低減が重要で、欧州や中国等では乗用車/バンやバッテリーのCFP申告義務等の規制をかける動きもある。
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