ウィーンモーターシンポジウム2024(2)未来のパワートレイン
閉会プレナリーセッション:AVL、CNH、VWの講演より
2024/06/13
- 要約
- グローバルな変革プロセスにおけるエンジニアリング企業の戦略的志向(AVL List)
- CNHの代替パワーソリューション
- VWグループの変革
- 総括
要約
オーストリア自動車技術会(Austrian Society of Automotive Engineers (ÖVK))が主催する「国際ウィーンモーターシンポジウム(International Vienna Motor Symposium)」は、今年で45回目を迎えた。このシンポジウムは4月24日から26日まで、例年どおりオーストリアのウィーンにあるホーフブルク宮殿で開催され、世界各国から1,000人をはるかに超える参加者が集まった。
合わせて80以上のプレゼンテーションが3セッション並行で行われ、そのうち65は会場で、さらに16の充実した内容のビデオ講義がウェブプラットフォーム上でバーチャル開催された。
この年次イベントでは、自動車OEMと部品サプライヤーの専門家、学識経験者が一堂に会し、クライメートニュートラルな将来のドライブソリューションについて意見交換を行っている。
今年のシンポジウムでは、異なるパワートレインシステム(電気モーター、燃料電池、内燃エンジンなど)やエネルギー源(eフューエル、水素、電気など)の共存が主な議題となった。さらに、バッテリーや水素ソリューションなどの貯蔵システムも議題に取り上げられた。
全講演のアジェンダは公式ウェブサイトで確認できる(https://wiener-motorensymposium.at/en/programme/technical-programme)。また、以前のシンポジウムの会議資料も入手可能である(https://wiener-motorensymposium.at/en/conference-documents)。
初日の夕方と休憩時間には、参加者は併設された展示会の60のブースを見学することができた。サプライヤー、サービス/ソリューションのプロバイダー、研究機関、エンジニアリングコンサルタント会社などが、最新の製品、技術、コンセプトを紹介していた。
また、会場の屋外エリアでは、参加者が展示車両の最新技術を間近で見て、試乗体験する機会も設けられた。
また今年は、ウィーン工科大学のオーケストラのメンバー5人が、ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルの「水上の音楽」の伝統的なファンファーレでオープニングを飾った。
オーストリア自動車技術会(ÖVK)理事長のBernhard Geringer教授・博士は、短い開会スピーチで、気候保護がさらなる技術開発の第一目標であることを強調した。
2050年までに脱炭素化を達成するためには、私たちは技術に対してオープンでなければならず、またグリーンエネルギー源を利用できるように最大限の努力をしなければならないと彼は述べた。
本稿は「Powertrains of the future(未来のパワートレイン)」をテーマとした閉会プレナリーセッションの概要を含む、イベントレポートの第2部である。
第1部では「Energy First!(エネルギー最優先!)」をモットーにした開会プレナリーセッションの基調講演の概要を紹介した。第3部では、技術講演の一部を紹介する予定である。
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