水素エンジンの実用例と開発の現状
自動車向け水素利用への最短距離、高圧水素用のイグニッション、水素タンク
2023/08/03
- 要約
- 日本・米国・EU・韓国の水素供給計画
- 水素エンジンの実用例(BMW、MAN、Ford、Cummins)
- 最新の技術動向 - エンジン開発(トヨタ、デンソー、TNO、FEV、Mahle、Bosch)
- 最新の技術動向 - 水素タンク開発(トヨタ、Linde - Daimler、日野、日鉄ステンレス)
要約
燃料電池(以下FC)のインフラが整備されるならば、同じ水素をエンジンに使用すればFCより早期に水素利用の拡大が図れるとする考えがある。水素エンジンは概ね化石燃料用の既存設計を流用できるため、既に社会実証や市販でまとまった台数が供給されてきた。
水素エンジンは基本的にはすでに実証された技術であるが、近年の高圧噴射機器や水素貯蔵技術の進歩を織り込んだ開発がなお多数報告されている。本稿では過去の実用例及び2023年の自動車技術会講演などから、エンジン開発、水素タンク開発を中心に最新の事例を紹介する。
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長年の開発を経て2006年よりBMW Hydrogen 7が100台市販されたが、水素の「クリーン度」が不十分などの背景で市販は終了した。(出所:BMW) | トヨタは競技用車両を1台レースに参加させている(事例(7)参照)が、今後BMWを追い実用面の評価が始まるものと期待される。(出所:トヨタ) |
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