デトロイトモーターショー2022 (1):電気自動車に重点を置く米国のOEM各社

デトロイト3社はSUVとパフォーマンスセグメントでBEVモデルのラインアップを拡大

2022/10/12

要約

GM Ultium Platform at GMC exhibit
GMC展示会場のGMアルティウムプラットフォーム

 デトロイトモーターショー(NAIAS)2022が2022年9月14日から25日まで、米国ミシガン州デトロイトで開催された。NAIASの開催は2019年1月以来となる。ショーは従来の1月の開催期間を変更し、2020年6月に開催される予定であった。しかし、新型コロナウイルスのパンデミックにより、2020年と2021年の開催は中止を余儀なくされ、2021年の開催はモーターベラ(Motor Bella)に置き換えられた。2022 NAIASにはバイデン大統領が出席し、最近署名した歳出・歳入法案(Inflation Reduction Act)について述べ、50万基、53,000マイルにわたる充電ネットワークの開発を強調した。今年のNAIASは昨年のモーターベラの開催スタイルを踏襲して、屋内オフロードテストトラック、レーシングシミュレーター、屋外テストドライブなど、来場者の参加を促進するためのさらなる双方向性を備え、ショー向けの展示製品を開発したOEMは少なくなった。

 2022 NAIASは、2019年と比べてデビューモデルが少なかったが、OEM、特にデトロイト3社はBEV(バッテリー電気自動車)の展示に大きな重点を置いていた。GMの4つのブランドすべてがBEVモデルまたはコンセプトモデルを展示し、発表済みのシルバラードEVに加えてシボレー・ブレイザーEVとエキノックスEVが展示された。キャデラック・リリックとビュイック・ワイルドキャットのコンセプトモデルも注目を集めた。フォードは発売済みのF-150ライトニングとマスタング・マッハE以外に、リンカーンブランドのL100とスターコンセプトモデルを展示した。ステランティスは最近発表したダッジチャージャー・デイトナSRTコンセプトモデルを展示した。レクサスRZとスバル・ソルテラはOEM各社が展示したが、新しいローズタウン・エンデュランスはディーラーにより、展示フロアに展示された。

 2022 NAIASでは、メイン展示フロアのスタートアップやサプライヤーの存在感が際立っていた。ロサンゼルスのスタートアップで、中型電気商用車の製造に焦点を当てているHarbingerはEVプラットフォームを発表し、各種システムを展示した。また、Autel Energy、Plug Zen、Witricityなどのスタートアップ各社が充電ステーションを展示した。

 本稿は2022 NAIASに出展された自動車コンテンツに焦点を当てるレポートの1回目である。本稿では主に、GM、フォード、ステランティスが出展したバッテリー電気自動車を紹介する。また、バッテリー電気自動車や充電技術を発表したスタートアップに関する情報も掲載する。

 

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