Motor Bella 2021:米国のSUVとライトトラック需要は堅調に推移
フォード「Expedition」、ジープ「Wagoneer」、ビュイック「Enclave」など技術向上をアピール
2021/10/22
- 要約
- フォード:フルサイズSUV「Expedition」とリンカーン「Navigator」の2022年型モデル
- GM:ビュイックのプレミアムSUV、オフロードに特化したGMC「Terrain」、性能重視の「Corvette」など幅広いラインナップを披露
- ステランティス:「Compass」「Wagoneer」「Grand Cherokee L」でジープをアピール
- トヨタ、日産:シカゴオートショー出展車両の再展示
要約
モーターベラ(Motor Bella)が、2021年9月21日から9月26日まで、米ミシガン州ポンティアック(Pontiac)のM1コンコース屋外イベント会場とテストコースで開催された。これは、中止された2021年北米国際自動車ショーの代替措置として、1度限りのイベントである。M1コンコースでは、約15万平方メートルの敷地に、テストコースを囲むように車両と技術の展示エリアが設定され、35余りのブランドの350を超すモデルが展示された。また、フォード「ブロンコ(Bronco)」、マスタング「マッハE(Mach-E)」、「ラム1500TRX(Ram 1500 TRX)」、ジープ「グランドチェロキー(Grand Cherokee)」などの同乗試乗が行われ、M1コンコース周辺の街路ではフォードとアウディの各モデルの試乗会も催された。
モーターベラでは、従来のショーに比べて来場者との相互交流を図る意識が強く感じられた。これは、オートショーに変化が生じていることを示すもので、多くのOEMが新車発表をプライベートイベントや仮想イベントの形で行っていた。こうして、今回1度限りのモーターベラは、少なくとも一部が屋外で開催されると予想される今後の北米国際自動車ショーの、小規模な予行演習になった。つまり、新型コロナウイルス流行の中で、オートショーの新しい形に対する人々の関心を測定する役目を果たしたといえる。
![]() |
![]() |
M1コンコース中央テストコース付近のデトロイトスリーの展示 | フォード「ブロンコ」のオフロードデモエリア |
モーターベラでは、新車発表は例年の北米国際自動車ショーより少なかったものの、SUV、クロスオーバー、ライトトラックを中心に、米国市場の状況を反映したモデルが展示された。フォードは「エクスペディション(Expedition)」のマイナーチェンジを発表した。他に、2021年シカゴオートショーでデビューした、日産「フロンティア(Frontier)」、トヨタ「カローラ クロス(Corolla Cross)」、新型ジープ「コンパス(Compass)」などが注目を集めた。デトロイトスリーは、ビュイック「エンクレーブ(Enclave)」、リンカーン「ナビゲーター(Navigator)」、ジープ「グランドワゴニア(Grand Wagoneer)」などのSUVを展示した。また、すべての車両セグメントで先進技術の普及が進んでいる傾向が目についた。
本レポートではモーターベラの展示内容を2回に分けて紹介する。今回はその前編で、注目すべき内燃機関車に焦点を当てる。後編では電動化車両を取り上げる予定である。
関連レポート:
米国市場:バイデン政権がEV推進・半導体強化の計画を発表 (2021年7月)
Stellantis(下):北米で大型SUV、ピックアップ、欧州で小型SUV、LCVを投入 (2021年4月)
Ford(上)新CEOのもと得意分野への重点投資とVW提携による事業効率化を進める (2020年11月)
North American International Auto Show 2019:
デトロイトモーターショー2019:欧米メーカーの展示取材
アジアメーカーの北米向け高性能モデル、電動車コンセプトなど