インドネシア:2025年にEV生産40万台へ、国営・民間企業が車載電池生産で協力
国内市場は奢侈税減免措置で需要喚起、免除期間を2021年末まで延長
2021/10/20
- 要約
- 電動化政策:2023年にEV向けバッテリーセルの生産開始へ
- インドネシア政府:奢侈品販売税の減免措置期間を延長
- 市場動向:2021年1-7月は奢侈税引き下げの効果で販売台数は61%増
- 輸出動向:2021年1-7月の完成車輸出は38%増、CKD輸出は151%増
- 生産動向:現代自動車が新工場を建設、トヨタ、ホンダ、三菱、スズキは生産投資
- 国内市場:2021年1-7月にSUVと小型商用車が大幅増
- LMC Automotive生産予測:インドネシアの生産台数は2024年に134万台となる見込み
要約
インドネシアの電動化戦略について、同国政府は2021年7月にEV生産ロードマップを発表。2025年に40万台、2030年に60万台、2035年に100万台のEVを生産する計画。インドネシアをEVの生産ハブとするため、同国に豊富にあるニッケル鉱石を利用して、国営企業と民間企業が協力し、国内でEV用バッテリーを生産する。また、サプライチェーンとなる採掘、精錬、前駆体、正極、バッテリーパック、リサイクル等の合弁会社も設立する計画。
インドネシア政府は新型コロナウイルスの影響を受けた自動車産業に対する需要刺激策として、2021年3月から奢侈品販売税の減免措置を開始。当初、排気量1500cc以下の四輪車に対する奢侈品販売税を100%免除する期間は5月末までだったが、後に12月末までに延長。排気量1501-2000ccの二輪駆動車に対しては50%減税、四輪駆動車に対しては25%減税措置期間が12月末まで延長される。
インドネシア自動車製造業者協会(GAIKINDO)の統計によると、2020年の生産台数は前年比46.4%減の69.0万台、販売台数は48.4%減の53.2万台、輸出台数(完成車)は30.1%減の23.2万台。新型コロナウイルス感染拡大の影響で生産・販売・輸出とも大幅減となった。
2021年1-7月の生産台数は前年比49.4%増の58.9万台、販売台数は60.8%増の46.0万台、輸出台数(完成車)は38.2%増の16.6万台となった。政府の自動車産業支援策である奢侈品販売税の引き下げが需要を拡大した。
生産に関する動きでは、現代自動車が年産能力15万台の工場を建設しており、2021年12月に生産を開始する予定。トヨタ、ホンダ、三菱、スズキは電動車の生産等に向けて投資を計画している。また、ダイハツは2021年4月にインドネシアで発売したサブコンパクトSUVのRockyを、ホンダは3月に発売したコンパクトハッチバックの新型City RSを同国の工場で生産する。
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Daihatsu Rocky (2021年4月発売のSUV) (写真:ダイハツ) |
インドネシアの自動車生産・販売・輸出台数 (出所:GAIKINDO資料より作成) |
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