欧州のEV/PHEV:2020年後半に販売が急増、ドイツでは12月にシェア26.6%

コロナ禍の不況対策も兼ねて各国とも高額のインセンティブを支給

2021/02/03

要約

VW ID.3
2020年9月に価格29,990ユーロで発売されたVW ID.3は欧州主要国でインセンティブの対象となる

  本レポートは、欧州でのEV/PHEV(以下EVとPHEVの合計をECV (Electrically-chargeable vehicle)と呼ぶ)の販売台数とシェアの推移と、その背景にあるEUの2021年CO2規制、各国のECV購入支援策、主要国でのガソリン車/ディーゼル車の販売禁止及び都市への乗り入れ禁止の動き、およびEUで検討されているさらなるCO2規制の強化・EVの導入加速を促す計画について報告する。

  2020年のEU26カ国での乗用車販売台数は9,942,509台で、前年比23.7%減少した。しかしECVの販売台数とシェアは2020年後半に急増し、特に12月にはECVのシェアがドイツで26.6%、フランスで19.2%、英国で23.4%まで高まった。

  その結果2021年CO2規制については、2020年初めには自動車メーカーは巨額のペナルティを支払わねばならないとの予測もあったが、各社の平均CO2排出量が大幅に下がり、トヨタ、Daimler、BMWなどはCO2目標を達成した。VWは0.5g/km未達で1億ユーロ超のペナルティを支払うことになると発表した。

  欧州の主要国は、コロナ禍の不況対策も兼ねてECVへの高額のインセンティブ(補助金)支給を開始し、ECVの販売拡大を支えている。フランスはECV 1台当たり最大12,000ユーロ、ドイツは最大9,000ユーロのインセンティブを支給する。

  また2015年12月にパリ協定が採択されてから、各国が2030~2040年を中心に、ガソリン車、ディーゼル車の販売を禁止する方針を発表、また主要都市が市街地への乗り入れを禁止する方針を発表している。こうした動きも、ECV販売拡大の要因の一つとされている。

  EUの欧州委員会(European Commission)は、CO2排出量削減をさらに強化する計画を発表した。2019年9月に、2030年のEU全体の温室効果ガス削減目標を、従来の1990年比40%削減から、55%削減に修正する提案を発表。これに伴い、新車乗用車のCO2削減目標を、2019年4月に決定した2021年比37.5%削減から50%削減に修正する案が検討されている。また、2020年12月に、2030年に欧州にゼロエミッション車(BEV + FCEV)を3,000万台普及させる計画を発表した。しかしACEA(欧州自動車工業会)は、EUおよび各国政府の強力な支援がなければ達成は困難だと反論している。


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