トヨタ:米国市場でライトトラックとハイブリッド車の拡販に注力

米国に5年間で130億ドルを投資、プラットフォームごとの生産体制に再編

2020/03/27

要約

RAV4 Prime
RAV4 Prime (プラグインハイブリッド)米国仕様、2020年夏に日米市場に導入する(出典:トヨタ、以下同様)

  本レポートは、トヨタの米国事業について報告する。トヨタは、生産能力と商品開発の両面でライトトラックとハイブリッド車を強化する計画を進めている。

  生産体制については、2017~2021年の5年間に米国に130億ドル(約1兆4,300億円)を投資する計画。マツダと共同で新アラバマ工場で2021年から生産を開始するほか、主力のインディアナ、ケンタッキー、テキサス等各工場に投資し、ライトトラックとハイブリッド車の生産を強化している。同時にパワートレイン生産を強化し、USMCA(新NAFTA)の求める域内調達比率75%を実現する。

  ライトトラックについては、フルサイズおよび中型のbody-on-frame車共通に使用する新プラットフォーム「F1」の開発を進めている。またoff-road性能を強化したTRD(Toyota Racing Development)仕様を訴求している。

  ハイブリッド車については、トヨタは2017年から、TNGAの思想に基づいたエンジン「2.5Lダイナミックフォースエンジン」を搭載するハイブリッドシステムを採用。優れた燃費と、気持ちの良い加速性能を実現した。従来の省燃費のメリットに加えて、パワフルなイメージを訴求する。米国販売におけるハイブリッド車の比率を2019年の11.5%から2020年には15%に高めるとしている。


  なおトヨタは2020年3月19日、新型肺炎から従業員他関係者の健康を守ることと需要の急激な減少に対応するため、米国、カナダ、メキシコの全完成車工場および部品工場における生産を3月23日から4月3日まで2週間休止すると発表。26日には、休止期間をさらに4月17日まで延長すると発表した。

  国内工場についても3月23日に、海外の市場や需要の状況を鑑み、5工場7ラインで4月3日より一定期間稼働を停止すると発表した(停止期間は工場・ラインにより異なり、九州工場 第1ラインでの9稼働日が最長)。


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