自動運転時代に向けた技術・MaaSへの取り組み

自動車技術会2019年春季大会フォーラムより、ドライブレコーダーの活用など

2019/06/11

要約

  自動車技術会の2019年春季大会フォーラム(会期:2019年5月22日~24日、会場:パシフィコ横浜)では、いくつかのセッションにおいて自動運転時代に向けた技術への取り組みが紹介されていた。

  本レポートでは自動運転に関する下記3つのセッションにおいて、技術的なテーマやMaaS / Businessをテーマにした以下のプログラムについて概要を抜粋して報告する。

メインタイトル プログラム 講演者
Y-6
SIP第1期「自動走行システム」の研究開発成果
自動運転時のドライバー状態評価と大規模実証実験 産業技術総合研究所
情報セキュリティ ~車両のセキュリティ性能評価法の開発~ PwCコンサルティング合同会社
地図情報の差分更新・自動図化 三菱電機
歩行者事故低減 ~歩車間通信技術を用いた安全支援システムの開発~ パナソニック
Y-13
映像情報活用の最前線
自動車運送事業におけるドライブレコーダーの活用 国土交通省 自動車局
ドライブレコーダー協議会の活動紹介 ~推奨ガイドライン・製品テストを中心に~ ドライブレコーダー協議会
人工知能を搭載したドライブレコーダーによる事故予防 Nauto Japan 合同会社
ドライブレコーダーの保険サービスへの活用 ~ドライブエージェントパーソナル 東京海上日動火災保険
Y-18
Cars that think and communicate
-高度自動運転へ 互いにわかりあえるクルマを目指してII -
The future of Mobility Toyota Research Institute - Advanced Development, Inc. (TRI-AD)
ナビタイムジャパンのMaaSに関する取り組みと今後の展開 ナビタイムジャパン
自動運転時代に求められるエッジコンピューティングプラットフォームの特徴と解決 エヌエスアイテクス (NSI-TEXE)

 

  自動運転関連技術としては、以前のような走行系に対するセンシングや自動運転システムの内容よりも、データ解析や情報セキュリティ、社会に対する取り組みといった将来の自動運転時代における周辺技術に対するセッションが多く見受けられた。

  その中でもドライブレコーダーを取り巻く環境は激変しており、ドライブレコーダー製品もネットワーク化、AI化されてきたと同時に、このデバイスを活用したビジネスの確立を目指す企業も増加している。急速に市場に広がったドライブレコーダー市場だが、発売当初のエンターテイメント性が強かった製品から、現在は安全装備やMaaS (Mobility as a Services) の基幹デバイスとしての位置づけなど、様々な用途に広がってきた。これに伴い、ネットへの接続やAI技術の導入など高度な技術が備わった映像装置としてDMS (Drive/Driver Monitoring System) と呼ばれる車載機器の新しいカテゴリーも誕生した。

 

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