Ford:2022年までに16車種のEVを投入、モビリティ・自動運転分野で提携拡大
北米はピックアップトラックとSUVの販売比率を86%に拡大、乗用車販売は2車種を残して撤退
2018/06/21
- 要約
- Fordの5ヵ年経営計画(2018-2022年)
- 北米市場の販売比率の86%はピックアップトラックとSUVへ
- 電動化への投資を45億ドルから110億ドルへ引き上げ
- モビリティと自動運転車の事業で提携拡大
- 中国市場での成長計画:2025年までに50車種の新型車を投入
- 連結業績:2018年の売上高は小幅増、1株当たり利益は前年を下回る1.45-1.70ドルの見込み
- LMC Automotive生産予測:Ford Groupの生産台数は2021年に660万台となる見込み
要約
2017年5月に就任したFordの新CEO、Jim Hackett氏は、収益性が低く、電動化や自動運転など新事業への移行が遅れ、株価が低迷しているFordの改革に取り組んでいる。Hackett氏は低採算の分野や製品を縮小し、その資金を収益性の高い分野および電動化、自動運転技術、モビリティ事業等に振り向ける5ヵ年計画を発表。2022年までに255億ドルのコスト削減や50億ドルの設備投資削減を行うことにより、自動車部門の営業利益率を6.1%から8%に引き上げるとしている。
北米市場では乗用車からSUVへの需要シフトが生じているが、FordはMustangと2019年に投入するFocus Active以外の乗用車を現行型で廃止する。北米のラインアップの86%はピックアップトラックおよびSUVとなり、収益性の高いモデルの販売を拡大する。
電動化では、2022年までに110億ドルを投資して、世界で16車種のEVを含む40車種の新型電動車両を投入する。2019年に商用バン Transit CustomのPHV、2020年に高性能SUVのEV、2020-2022年にF-150、Mustang、Explorerなど量販車種のHVを投入する。また、中国の衆泰汽車と合弁で低価格の小型EVを生産する計画。
モビリティ事業では配車サービスのLyftと提携し、自動運転車の導入を調査するほか、新興テクノロジー企業のAutonomicやTransLocを買収。自動運転車関連では、AIを開発するArgo AIと提携し、自動運転ソフトの開発で協力。Domino's PizzaやPostmatesと提携し、自動運転車による配送サービスの実験を実施している。
Fordの2017年の売上高は前年比3.3%増の1,568億ドル、調整後税前利益は原材料価格の高騰と為替レートの影響で18.7%減の84億3,700万ドル、純利益は年金費用・退職医療給付金の見直しと税金対策により65.4%増の76億200万ドル。2018年の業績見通しは、売上高は小幅増収、調整後1株当たり利益は1.45-1.70ドル(2017年は1.78ドル)になると見込んでいる。
2019年に北米に投入されるFocus Active(資料:Ford) |
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