電動車の拡大とICE(内燃機関車)の改善状況(その1)
2030年の内燃機関は更に革新が進み熱効率45%以上へ
2017/06/21
- 要約
- 電動化時代を迎えたパワートレイン開発の方向性:(トヨタ自動車 友田氏)
- ホンダの電動化時代に向けたエンジン技術:(本田技術研究所 新里氏)
- 内燃機関の次の進化に向けた第1歩:(日産自動車 平工氏)
- まだまだ頑張る内燃機関:(マツダ 山本氏)
- エンジンシステムの高効率化の可能性と到達点:(早稲田大学研究院 大聖教授)
要約
2017年5月、創立70周年を迎えた自動車技術会主催の「人とくるまのテクノロジー展横浜」にて各種フォーラムが開催された。そのうち 『2030年の乗用車用パワートレインの世界』というテーマでガソリンエンジンの革新状況が議論された。2015年の同フォーラムから2年が経過した現在、内燃機関の開発進捗状況について議論が産官学で行われた。
講演はトヨタ自動車、本田技術研究所、日産自動車、マツダ、Robert Bosch、AVL List、早稲田大学、科学技術振興機構(講演順)からなされ、 講演後パネルディスカッションが開催された。正味熱効率45%の実現は間近にせまっており、「その次の技術」は何かという観点からパネルディスカッションが進められた。
トヨタはプリウス、C-HR、カムリなどで、すでに熱効率41%以上を実現したガソリンエンジンをHEVに投入し、TNGA世界展開に合わせて新規パワートレインのラインアップを拡充している。ホンダはi-CVCCと命名した副室急速燃焼システムにより単気筒ではあるが、45.2%の正味熱効率を実現したという。日産自動車はVC-ターボを採用することで高圧縮比18.0の実現とロングストローク化を無理なく実現することができるという。マツダからはSKYACTIVの3rd stepとして遮熱による冷却損失の低減研究状況が紹介された。早稲田大学からは2020年度にはJC08モードで企業平均燃費目標20.3 km/Lが実現目標として国交省から定められているが、ガソリン内燃機関は正味熱効率50.35%まで上がる目途があり、まだ改善の余地ありと報告されている。本レポートではトヨタ、ホンダ、日産、マツダの内燃機関の革新状況を紹介する。
「2030年の乗用車用パワートレインの世界」パネリスト | NSX 用66Hzの固有振動数を実現したアルミ接合フレーム |
(人とくるまのテクノロジー展からMarkLines撮影) |
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