メキシコ・ブラジルの日系部品メーカー:工場新設/生産能力拡充が続く
小糸製作所、新日鉄住金、ショーワ、豊田合成、日本精工、古河電工、ケーヒン、ヨロズなどの動向
2013/05/24
要 約
メキシコの2012年の自動車生産台数は前年比18%増の302万台とはじめて300万台の大台を超えた。販売台数は9.4%増の103万台、輸出台数は前年比9.9%増の236万台(大型バス・トラックを除く)と内外需が共に増加している。こうした中、日系完成車メーカー各社は新たな工場建設を進めており、合計の生産能力は2012年の約70万台から2014年に120万台超に拡大する見込みである。この他、2012年にはフォードによる完成車工場拡張やGMのトランスミッション工場の新設、両メーカーによる新車種の生産開始なども行われている(右地図のリンク先をご参考下さい)。
こうした動きに対応した、日系自動車部品メーカーによるメキシコへの新規進出や生産能力増強投資などが続いている。取引先については、特定の1社だけへの納入でなく、様々な形態が見られる。
ブラジルは、2012年の自動車販売台数が前年比4.7%増の380万台だったが、生産台数は前年比1.9%減の334万台で、完成車輸入も減少した。ブラジル政府は現地生産や自動車産業の高度化を 促進するために、2012年10月に新自動車政策のInovar-Autoで、政策に呼応するメーカーに自動車にかかる工業製品税率を軽減する措置を定め た。現在、現地生産している日米欧完成車メーカーは全てその対象として認可を得た。
日系部品メーカーのブラジルへの投資では、新規進出の動きが多く見られた。
以下は、メキシコ、ブラジルにおける日系部品メーカーの最近動向である(収録対象は、2013年5月中旬までの約9カ月間)。
メキシコでの新規工場設立
複数の日系メーカーに納入を計画 | 小糸製作所、椿本チエイン、日本精工、古河電工、三菱電機など |
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欧米メーカーにも納入を計画 | ケーヒン、ヨロズ、ユーシン:VWグループ向け、エフテック:GM向け |
メキシコでの生産能力拡充・事業体制強化
日産の増産計画に対応 | 河西工業、ジヤトコ、タチエスなど |
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複数の日系メーカーに納入 | 東海ゴム、西川ゴム、日本プラストなど |
メキシコを北米全体への供給拠点に位置づけ | キリウ、ショーワ、テイ・エステック、日本精工、日立化成など |
新たな事業拠点設立 | R&D拠点:日本化薬、事業統合の新会社:テイ・エステック、 販売会社:スタンレー電気 |
ブラジルでの新たな事業展開
日系完成車メーカーの生産能力増強に対応 | カルソニックカンセイ、タチエス、豊田合成、ヨロズなど |
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欧州メーカーへの納入も視野 | 鬼怒川ゴム、小糸製作所、住友ゴム、ユニプレスなど |
他業種への事業展開も計画 | 新日鉄住金、日東電工など |
関連レポート:日系部品メーカー動向レポート
タイ編 (2013 年2月)、ASEAN編 (2013 年2月)、欧州編 (2012年12月)、インド編 (2012年11月)、
メキシコ・ブラジル編 (2012年9月)、中国(華中地区/西南地区)編 (2012年7月)、中国(華南地区-広東省)編 (2012年7月)、
中国(華東地区)編 (2012年6月)、中国 (東北/華北地区)編 (2012年5月)、米国編 (2012年7月)、