吉利控股集団 (Geely):Volvo買収後の世界戦略

Volvoと提携・中期的にVolvo PHV/EVも生産、陜西省/広西にも自主ブランド車新工場建設を検討

2012/12/28

要 約

 吉利控股集団 (Geely Holding Group) は低価格・販売量重視を柱としたローエンド車経営戦略から、安全志向・製品品質重視のミドル/ハイエンド車経営戦略へ、2007年から方針転換している。英 MBH (Manganese Bronze Holdings PLC) への資本参加・合弁生産販売開始、豪大手変速機メーカー DSI (Drivetrain Systems International Holding Pty. Ltd.) の買収に加えて、2010年はFordからVolvo Car (以下はVolvo) を買収。世界で評価の高い技術を獲得し、国内のみならず、グローバルで高品質・安全性重視というスローガンを掲げ、自主ブランド車のグローバル事業展開・拡大を図っている。

吉利控股集団の販売 (工場出荷ベース)
 2011年末時点、中国国内における吉利の自主ブランド乗用車の保有台数は220万台を超えている。2008年から2011年にかけて、海外のノックダウン(CKD/SKD)生産台数および完成車輸出を含む自主ブランドの乗用車販売台数の増加幅が急激に縮小した(前年比で、2009年は48.4%増、2010年26.5%増、2011年4.0%増)。2012年には、輸出の急速な成長により販売台数全体が増加したが、国産車の国内販売はやや停滞している。2012年の販売台数は年初計画の46万台から48万台になり、うち、輸出と海外ノックダウン (KD) 生産車販売は年初計画より 2万台増の 10万台になる見通し。

 吉利控股集団はグローバル販売目標を2012年の約48万台から2015年に3倍強増の200万台に拡大するとしている (Volvoの目標台数を含むか否か不明)。その内訳は、国内販売を2012年の約38万台から2015年の70万台、国産車の輸出と海外生産車の販売を2012年の約10万台から130万台に引き上げる。
 なお、2015年200万台のグローバル販売目標の実現について、吉利控股集団幹部は当初、国産車の輸出と海外生産車販売の合計がその三分の二を占めるとし、後にその比率は半分であるというなど、発言が二転三転し、実現の難しさを物語っている。


 以下に、吉利控股集団の自主ブランド事業と子会社Volvoと、それぞれの中期事業計画、技術提携および生産工場拡充等の中国における生産体制や販売体制整備、モデル計画などの最新動向をまとめる。

 関連レポート

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    北京モーターショー2012 (1): 吉利などの中国新興自動車メーカー 8社の展示取材 (2012年5月14日掲載)