Fordの欧州事業:新型車投入と生産体制再編で市場縮小に対応
ロシア・Sollersとの合弁会社でExplorerとTransitを生産へ
2012/03/13
要 約
Ford欧州部門は、債務危機等で縮小する欧州市場に対し、多数の新型車投入と生産体制再編で対応する。新型車では、Bセグメントの新モデルB-Maxなど小型車を追加し、低燃費エンジンEcoBoostの採用等で低燃費化を進める。
欧州の工場では、セグメント別に生産を集約するなど、稼働率・生産効率を向上させる。一方、市場が拡大しているロシアでは、Sollersとの合弁会社を設立し、生産を拡大する計画。タタルスタンにある合弁会社の2工場で、大型SUVのExplorerと中型商用車のTransitの生産も開始する。
Ford欧州部門の2011年の販売台数は、前年比1.8%増の160.2万台。Fordの予測 (2012年1月発表) によると、2012年の欧州19カ国の市場規模は1,400万-1,500万台 (2011年1,530 万台) に縮小するが、Fordの市場シェアは前年並み (8.3%) の見込み。
2011年のFord欧州部門の業績は、売上高が前年比13.3%増加したものの、税引き前利益が27百万ドルの赤字となった。Fordは、2012年に欧州市場が上記予測通りに縮小すると、同社の税引き前赤字は500-600百万ドルに拡大すると予想している。
関連レポート:Ford (全社)(2011年4月掲載)、欧州Ford (2011年3月掲載)、欧州GM (2012年1月掲載)