VW グループ(上):世界販売が2015年4月から前年割れ、7月も3.7%減
上半期決算は、ユーロ安効果で売上高・営業利益とも10%超拡大
2015/09/07
- 要 約
- 2015年度上半期:VW Group販売台数は4月から前年割れ
- 業績:2015年上半期の売上高と営業利益はユーロ安が貢献し10%超拡大
- VW Group:長期を見据えた組織の大幅改編計画を作成
- LMC Automotive 生産予測:VW Groupの2015年世界生産は980万台と予測
要 約
![]() ![]() |
VW Groupは、2014年に過去最高の販売台数、売上高、営業利益を達成し、2015年上半期には、トヨタを抜いて世界販売台数で首位に立った。しかし2015年4月から販売台数は下降しており、上半期の世界販売台数は504万台へ0.5%減少した(トヨタは、1.5%減の502万台)。
厳しい販売状況が続いているロシア、ブラジルに加え、VW Groupの最大市場である中国の販売台数も3月から前年同月実績を割り込み、上半期で3.9%減。月を追うごとに前年比マイナス幅が拡大し7月は13.6%減少した。北米と西欧は追い風があるとしているが、新興国市場の販売減少を補いきれていない。
ブランドごとに見ると、最量販ブランドであるVWブランドの上半期販売は3.9%減で、また従来からの低収益性が改善されていない(営業利益率は2.7%)。
一方、Groupの上半期業績は、ユーロ安と収益性の高いAudi、Porscheの販売増が貢献し、売上高、営業利益とも拡大した。
今後の方向性として、VW Groupは巨大化した組織を4つの持株会社に分割し、意思決定の迅速化を図る方針と報道されている。
関連レポート:
好調な北米が一部新興国の不振をカバー:日本乗用車7社の第一四半期決算 (2015年8月)
中国市場2015年上半期:伸び率は1.5%に低下 (2015年7月)
VW:2014年新車販売は1000万台へ、世界一に挑む (2014年8月)
2014年の世界販売:乗用車販売は4.9%増、VWブランド乗用車は1.6%の小幅増
2014年VW Groupの世界販売台数は、2013年の973万台から1,014万台に4.2%増加した。乗用車販売は、905万台から949万台に4.9%増。乗用車販売を主要地域で見ると、西欧は6.5%増の291万台、北米は横ばいで88万台、中国では12.3%の大幅増で367万台。しかし南米はブラジル、アルゼンチンとも不振で、69万台に17.0%減少した。世界販売の38.7%を中国で販売した。
ブランド別には、収益性の高いAudi(174万台)とPorsche(19万台)が10%超拡大、VWブランドは1.6%増(612万台)にとどまった。SEATは10.0%拡大(39万台)したが、営業赤字が続いていた。
無料会員登録により、期間限定で続きをお読みいただけます。