Weifu High-Technology Group Co., Ltd.[無錫威孚高科技集団股份有限公司] 2023年12月期の動向
業績 |
(単位:百万元) |
2023年12月期 | 2022年12月期 | 増減率 (%) | 要因 | |
売上高 | 11,093.14 | 12,729.63 | (12.86%) |
-天然ガス大型トラックや海外輸出市場の好調などがあったものの、マクロ経済環境、自動車業界の競争激化、貴金属価格の下落の影響を受け、売上高が前年同期比12.86%減となった。 |
営業利益 | 1,921.64 | 181.63 | 958.00% | |
経常利益 | 1,934.34 | 179.61 | 976.97% | |
純利益 | 1,913.15 | 190.95 | 901.91% |
-主な事業製品別分析:
- フューエルインジェクション:コモンレールポンプの年間販売量が145万台超となった。ガソリン浄化装置の年間販売量は約280万セット、ディーゼル浄化装置の年間販売量は26万セット超、天然ガス浄化装置の年間販売量は6万セット超。
- 吸気システム:4気筒ディーゼルターボチャージャーの年間販売量は約58万台、ガソリンターボチャージャーの年間販売量は26万台超。6気筒ターボチャージャーは、複数の国内主要顧客のディーゼルおよび代替燃料プロジェクトを獲得した。
- 電動駆動システム部品:モーターシャフト製品の年間販売量は140万個近くに達し、前年比で1.5倍の成長を記録した。
- 4Dイメージングレーダー:KargoBotおよびArbeと戦略的提携を結び、試作品の納入と路上試験を完了した。また、山西安数智能科技有限公司と戦略的提携を結び、スマートマイン分野での商用化を推進している。
受注
‐イスラエルのArbe Roboticsは、威孚高科から2024年分としてレーダーチップセット1,160万ドル相当を予備受注したことを発表した。さらに威孚高科は、今後12カ月間にわたるArbeのチップセットをベースとしたレーダーシステム設計用プロフェッショナルサービス (Arbeのエンジニアリングサービス、テストラボの設置、先進サポートなど)を100万ドルで発注した。両社は2019年から協業しており、中国の自動車産業向けにサービスの提供を行っている。Arbeの知覚レーダーチップセットは、ドライバー、歩行者、その他の交通弱者の安全を優先し、ADASや自動運転事故の原因に対処するための、車両周辺のフリースペースマッピングや、誤警報を排除して視野全体の静止物体を検出する機能などを提供する。(2023年7月28日付プレスリリースより)
-新エネルギー車(NEV)向け製品が国内外の複数メーカーからの受注を獲得したと発表した。駆動モーターシャフトは量産開始しており、2025年には年産能力が500万個に達する見込み。電動オイルポンプは2023年上半期に量産開始予定。4Dミリ波レーダーは現在、技術開発段階にある。同社はまた、水素エネルギー事業部や燃料電池の合弁会社を設立し、燃料電池部品の国産化を促進する。また、威孚高科はBoschとの提携事業について、ディーゼル油、ガソリンシステムから電動駆動、燃料電池などの新エネルギー分野に拡大していると明らかにした。両社合弁の博世動力総成有限公司はセル、エアコンプレッサーなどを中心に燃料電池事業を推進しているほか、研究開発センターの建設も行う。威孚高科子会社の無錫威孚氫隆動力科技有限公司隆動力科技有限公司は、燃料電池部品事業を推進する。(2023年2月8日付威孚高科投資家イベント公告より)
戦略的提携
東風技術センター
‐同社は、東風汽車と共同開発したホイールハブ駆動乗用車の実証実験を江蘇省で始動したと報じた。このモデルは、ホイールハブモーターとコントローラーの統合技術を採用したEVの4駆。フロントシャフトには東風汽車が開発したセントラルモーターを、後輪にはホイールハブモーターを配置した3モーター方式で4輪駆動を実現した。2022年3月、両社は連携し四輪駆動乗用車の開発を進めている。(2023年3月13日付複数メディア報道より)
展示会
-威孚高科は、7月5日-7日まで上海で開催された2023国際水素エネルギー・燃料電池車大会および展覧会 (FCVC 2023)に燃料電池コア部品を出展した。同社は電動ウォーターポンプ、水素循環ポンプ、膜電極、電解触媒などを含む燃料電池コア部品やPEM型水素製造の2つの面における製品を展示した。(2023年7月11日付FCVCのWechat公式アカウントより)
研究開発体制
-1999年、ポスドク科学研究ステーション、国家レベルの承認を得た企業技術センターを設立。
-エンジニアリングセンター(省レベル)、排気後処理システムセンター、過給機研究開発センターを保有。
-半導体メーカー STMicroelectronics と自動車用パワーICの研究開発を行う共同実験室を同社のテクニカルセンター内に設立。同社はSTMicroelectronicsの先進的な自動車エレクトロニクスソリューションを導入し、電子制御ディーゼルポンプや電子制御後処理システムの技術レベルを国際水準まで引き上げたいとしている。
-2021年、「威孚インテリジェント製造5G+」研究所の建設を完了。
研究開発費 |
(単位:百万元) |
年度 | 2023年12月期 | 2022年12月期 | 2021年12月期 |
研究開発費 | 667.87 | 581.49 | 595.41 |
研究開発費の売上高に占める比率(%) | 6.02 | 4.57 | 4.35 |
-2023年末現在、同社は研究開発員1,258名を保有、総従業員の21.84%を占める。