トヨタ紡織株式会社 2006年度の動向
ハイライト
(単位:百万円) | 2007年3月期 | 2006年3月期 | 増減率 | 要因 |
全社 | ||||
売上高 | 1,082,755 | 877,596 | 23.4% | シート、ドアトリムなどの増産により増収。 |
経常利益 | 52,143 | 37,838 | 37.8% | 製品価格の変動や労務費の増加などの減益要因はあったものの、増産増収の効果、グループ全体の合理化などにより、連結経常利益、当期純利益ともに増益。 |
当期純利益 | 30,105 | 21,187 | 42.1% | - |
自動車部品事業 | ||||
売上高 | 1,078,714 | 873,954 | 23.4% | シート、トリムなどの内装品やエアフィルターなどの増産による。 |
地域別業績
<日本>
レクサス、カローラなどの新車効果があり、売上高は655,486百万円と前年度比111,952百万円(20.6%)の増収。
<北中南米>
メキシコのGM向けビジネスの本格稼動が寄与。売上高は230,248百万円と対前年度比5,051百万円(2.2%)の増収。
<アジア>
中国、天津で新規立ち上げ車種のクラウン、マークXが収益に大きく貢献したことに加え、アセアンでのIMVシリーズの生産増加により、売上高は145,994百万円と対前年度比68,731百万円(89.0%)の増収。
<その他>
オーストラリアでの新規立ち上げ車種のカムリが売上に寄与し、売上高は51,026百万円と対前年度比19,423百万円(61.5%)の増収。
受注
トヨタのグローバル車種であるカローラ、およびレクサスブランドの旗艦車種であるLSが生産開始となり、人間工学に基づいたリラックス姿勢を実現する同社のリヤシートリラクゼーションシステムがLSに採用された。
新経営体制
以下2制度を採用し各事業を推進
①本部制: ミッションを明確にし、各事業の業務を一体化
②グローバル地域統括制: 世界の四つの地域を機能横断的に推進
- 2006年6月、「本部制」を採用する組織改正を実施すると発表。また、海外の生産拠点を含めて全社機能を横断的に統括する「グローバル地域統括制」も採用。本部制を導入するのは、各部門の責任と権限を明確化するとともに、内装、フィルター・パワートレーン、繊維外装の業務を一体化させるため。「組織能力推進本部」、「収益改善推進本部」、「海外事業本部」を新設。また、「品質向上推進本部」や、車室全体の開発・設計を行う「技術開発本部」を新設。さらに「生技生産本部」を新設し、その傘下に「生産技術センター」「生産管理センター」「製造センター」を置き、異なる製品でも生産についてはすべて担当する。(2006年6月23日付日刊自動車新聞より)
海外子会社統合
- 2006年6月、同社は北米およびタイの子会社を統合すると発表。北米では7月1日付で3社を統合、アラコアメリカ(ARA)を存続会社とし、社名を「トヨタ紡織アメリカ(TBA)」に変更。統合するのは内装品の調査および開発を手がけるARAのほか、内装品の開発・調査とドアトリムを販売するタカニチユーエスエー、自動車部品販売のトヨダボウアメリカ。TBAは従業員63人で、05年度に約59億円の売り上げを計画する。タイではフィルター販売や内装システムを開発するトヨダボウアジア(TBAS)と、シートおよび内装品のシステムサプライヤーであるティーエヌエーティー(タイランド)を統合。TBASを存続会社とし、7月1日付で社名を「トヨタ紡織アジア」に変更する。同社は従業員57人(05年度末計画)で、05年度に約78億バーツの売り上げをめざす。(2006年6月28日付日刊自動車新聞より)
国内事業
国内生産・供給体制の構築
- 子会社のトヨタ紡織九州の宮田工場を増築し、自動車のドアトリムやエアクリーナーなどの生産能力を増強。トヨタ自動車九州が生産台数を増やしていることから、生産能力を増強する。
- 2006年9月、滋賀県甲賀市に、ダイハツ工業に納入する部品を専門に製造する新会社を設立すると発表。自動車用フィルター・パワートレーン機器、内・外装部品を07年8月から生産する予定。
⇒ 詳細は設備投資
海外事業
グローバル展開
<中国>
- 同社は、2010年度までに、中国での売上高を今年度実績見通しの約2.5倍に当たる1500億円規模に拡大する。
- 2006年7月より、デンソーと合弁で佛山豊田紡織を設立しオイルフィルターを中国国内とアジア向けに生産。2007年には欧州向けの生産も開始する。2007年に約1億元(同15億円)の売り上げを見込む。
<フランス>
- トヨタ紡織フランス(TBF、オナン市)が、2006年5月に操業を開始。当面は「カローラ」や「ヤリス」「アベンシス」など欧州生産車向けの補修用バンパーを生産。
<南アフリカ>
- トヨタ紡織南アフリカが2006年4月より生産を開始。07年度は、約104億円の売上を計画。
<カナダ>
- 2006年7月、同社はカナダに自動車用内装部品生産会社を設立すると発表。同社が北米で単独出資する初めての「シート生産会社」で、08年に操業を開始し、シートのほかトリム類などを製造、主に北米の自動車メーカーに供給する。
<ロシア>
- 2006年4月、同社は豊田通商と合弁でロシアに自動車用シートの生産子会社を設立すると発表。トヨタグループの部品メーカーとしては初のロシア進出。設立するのは「トヨタ・ボウショク(ロシア)」で、トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・ロシア(TMMR、サンクトペテルブルク市)内に建設する。
⇒ 詳細は設備投資
今後の課題
(1) 快適な車室空間の提供
(2) 世界トップの自動車用フィルターの提供
2010年までに同製品の世界生産を現状の約7割増の年間1億個強に引き上げる計画。中国やタイなどアジア地域を中心に既存の生産拠点の拡張や新工場の設置などを進める考え。これと並行して、ろ過効率のアップなど性能向上を図りながら、OEM用と補修用、それぞれのニーズに適合した製品開発を行い、拡販に結びつける。これにより、同分野における世界シェアを10%に拡大する計画。(2005年4月14日付日刊自動車新聞より)
(3) グローバルな供給体制の構築
開発動向
研究開発費の金額は26,404百万円
研究開発体制
- 2006年7月、先行技術の開発体制を強化すると発表。現行の体制では製品開発分野に多くの要員を割いているが、今後は新技術など先行開発分野に人員を重点的に配置していく方針。“健康”や“快適”など自動車の室内空間に求められるニーズは一段と高度化しており、こうした分野での先行技術の開発体制を強化して競争力の一層の強化につなげる。従来、開発部門における開発者の割り振りは、製品開発分野が開発全体の85%を占め、15%は先行開発に充てていた。今後は開発人員を増員するのに合わせて先行技術開発分野に重点的に開発者を配置して、製品開発、先行開発両分野の人員割合を50対50にする。(2006年7月3日付日刊自動車新聞より)
<内装システムサプライヤー事業>
トヨタのモデルチェンジに対応し、国内では、レクサスブランドの旗艦車種であるLSが、また、海外ではグローバル車種であるカムリやIMVシリーズ(南アフリカ)が生産開始。
・レクサスLS
新規システムとして開発した、後席リラクゼーションシートをはじめ、リアードアトリム内に格納された電動サンシェードが採用された。また、新たに電子技術の取り組みとして、ブレイドにLEDの間接照明タイプの大型イルミネーションが採用された。
・同社は植物を原料とするバイオプラスチックを用いたドアトリムの開発を推進。一年草のケナフとトヨタ自動車が生産するポリ乳酸樹脂を混合した「ケナフ・ポリ乳酸基材」を活用したもので、すでに試作を終えた。ケナフ・ポリ乳酸基材はトヨタ自動車、東レと共同開発。石油原料の樹脂と比べて価格は上昇するが、製品重量は3分の2程度に抑えられる。(2006年6月24日付日刊自動車新聞より)
<フィルタ・パワートレイン機器事業>
・性能向上や低コスト化に加え、モジュール化、システム化、環境対応、快適性向上などに対応して新製品を開発。
・特に、エアクリーナーでは、パルプと化繊を組み合わせた高性能新濾紙を開発、エアクリーナーの小型化を実現させ、レクサスLSに搭載された。これは、従来の濾材よりも通気抵抗が低く、また、ダストの捕捉性能も良いことが特徴であり、エンジンの高出力化、信頼性確保に貢献。
・オイルフィルターでは、キャップ部分を従来のアルミから樹脂に変更することで、コスト低減と軽量化を実現。性能は従来品と同等であり、万が一のオイル漏れを防ぐ安全構造を追加しており、レクサスLSに搭載された。
設備投資
2006年度の設備投資は製造設備の新設および新製品対応などに総額47,550百万円を実施。
・内装品では、シート・ドアトリムなどの新製品対応、トヨタ紡織九州㈱宮田工場の増築、中国・北中南米での増産対応などに36,840百万円の投資。
・フィルター・パワートレイン部品では、エアフィルター・オイルフィルターの新製品対応などに6,068百万円の投資。
国内
- 2006年9月、子会社のトヨタ紡織九州の宮田工場を増築し、自動車のドアトリムやエアクリーナーなどの生産能力を増強すると発表。投資額は約13億5千万円。トヨタ紡織九州は、トヨタ自動車九州向けに、「ハリアー」や「クルーガー」「レクサスIS」などのシート、ドアトリムなどを生産・供給している。トヨタ自動車九州が生産台数を増やしていることから、生産能力を増強するため、宮田工場を増築する。07年3月に完成する予定で、ドアトリムやデッキサイドトリム、エアクリーナーを生産する予定。(2006年9月27日付日刊自動車新聞より)
- 2006年9月、滋賀県甲賀市にダイハツ工業に納入する部品を専門に製造する新会社を設立すると発表。自動車用フィルター・パワートレーン機器、内・外装部品を07年8月から生産する予定で、ダイハツの滋賀工場、京都工場、池田工場、西宮部品センターに供給する。同社がダイハツ向け部品の専用工場を設けるのは初めて。新会社は「トヨタ紡織滋賀」で、トヨタ紡織が全額出資する。資本金は2億4千万円で、社長には、同社の堀悦郎参与が就任する。従業員数は200人の予定。新工場では、樹脂成形部品を中心に製造する予定で、樹脂製インテークマニホールド、エアクリーナー、カーペット・ドアトリム、補修用バンパーなどを生産する。(2006年9月2日付日刊自動車新聞より)
- 2007年1月、トヨタ紡織とデンソーは合弁会社である佛山豊田紡織汽車零部件有限公司の開業式を行った。佛山豊田紡織は、オイルフィルターを同年7月から中国国内とアジア向けに生産しており、07年には欧州向けの生産も開始する。佛山豊田紡織は同年に約1億元(同15億円)の売り上げを見込む。(2007年1月24日付日刊自動車新聞より)
海外
<中国>
- 2010年度までに、中国での売上高を今年度実績見通しの約2・5倍に当たる1500億円規模に拡大する。トヨタ自動車の中国での生産が大幅に増加する見込みであることから、現地生産車向けの内装部品の受注を拡大する。同社はトヨタのグローバル展開に応じ、海外での生産を強化している。現地の開発・生産体制の強化を図りながら事業規模の拡大に取り組み、中国での事業を日本、米国に次ぐ規模に育成する。(2006年11月24日付日刊自動車新聞より)
- 2007年1月、アイシン精機、同社、デンソーのトヨタグループ3社は23日、中国広東省佛山市の部品製造会社2社の合同開業式を、現地時間の22日に行ったと発表。開業式を行ったのは、アイシン精機の子会社、愛信精機(佛山)車身零部件有限公司と、トヨタ紡織とデンソーの合弁会社、佛山豊田紡織汽車零部件有限公司の2社。愛信精機(佛山)は2006年5月から電動サンルーフ、パワーシートのモーターハウジングを生産している。佛山豊田紡織は、オイルフィルターを2006年7月から中国国内とアジア向けに生産しており、2007年には欧州向けの生産も開始する。愛信精機(佛山)は07年に約3億7700万元(約56億7千万円)、佛山豊田紡織は同年に約1億元(同15億円)の売り上げを見込む。(2007年1月24日付日刊自動車新聞より)
<フランス>
- 2006年10月、同社はフランスの自動車バンパー生産拠点であるトヨタ紡織フランス(TBF、オナン市)が本格生産の体制に入ったのに伴い、9日に開所式を開催したと発表。TBFは、トヨタ車向けの補修用バンパーを生産する新設拠点で、生産能力は年間25万本。TBFは、同社の全額出資子会社で、設立は05年1月。これまでに約800万ユーロを投じて自動車用バンパーの工場を建設、今年5月に操業を開始した。当面は「カローラ」や「ヤリス」「アベンシス」など欧州生産車向けの補修用バンパーを生産する。(2006年10月11日付日刊自動車新聞より)
<南アフリカ>
- 2006年10月、同社と豊田通商は南アフリカにおける初の生産拠点であるトヨタ紡織南アフリカ(クワズルナタール州)の開所式を実施したと発表。両社幹部や現地行政府の要人らが参加、自動車内装部品の最新工場などを公開した。トヨタ紡織南アフリカは、シートやドアトリムなどの自動車内装部品の生産会社として、2005年7月に設立された。総投資額は約43億円で、2006年4月に生産を開始した。07年度は、約104億円の売り上げを計画。(2006年度10月5日付日刊自動車新聞より)
<カナダ>
- 2006年7月、カナダに自動車用内装部品生産会社を設立すると発表。同社が北米で単独出資する初めての「シート生産会社」で、08年に操業を開始し、シートのほかトリム類などを製造、主に北米の自動車メーカーに供給する。09年度の売り上げは、約150億円を見込んでいる。新会社は「トヨタ紡織カナダ」(TBCA)として、加オンタリオ州ウッドストック市に設立。トヨタ自動車など日系カーメーカーの部品現地調達ニーズに応えるとともに、グローバルレベルの競争力強化を目的とする。08年に操業開始するトヨタモーターマニュファクチャリングカナダ(TMMC)で生産される乗用車「RAV4」の内装部品を供給する計画であるなど、トヨタ紡織の北米事業で重要な拠点と位置付けている。(2006年7月11日付日刊自動車新聞より)
<ロシア>
- 2006年4月、同社は豊田通商と合弁でロシアに自動車用シートの生産子会社を設立すると発表。トヨタグループの部品メーカーとしては初のロシア進出で、同社の海外拠点としては56番目。設立するのは「トヨタ・ボウショク(ロシア)」で、トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・ロシア(TMMR、サンクトペテルブルク市)内に建設する。TMMRが07年12月から乗用車「カムリ」を生産するのに合わせ、同シートを年2万セット生産する。シートスライドやシートレールなどの機構部品やシート生地など、大半の構成部品を日本から輸出するCKD生産でスタート。ウレタンフォームや生地の裁断など、機械設備の移管・新設に約3億3千万円の投資を行う。生産開始時の従業員は約90人でスタートする。(2006年4月11日付日刊自動車新聞より)
設備の新設 |
(単位:百万円)
|
会社名 事業所名 |
所在地 | 設備の内容 | 投資予定 総額 |
着手 | 完了 予定 |
猿投工場 | 愛知県 豊田市 |
シート、ドアトリムの新製品対応、設備の維持更新 |
7,753 |
2007.04 | 2008.03 |
刈谷工場 | 愛知県 刈谷市 |
エアフィルター等の新製品対応、設備の維持更新 |
4,339 |
2007.04 | 2008.03 |
滋賀工場 | 滋賀県 甲賀市 |
バンパー、シリンダーヘッドカバー他の工場建設、新製品対応 | 3,280 | 2007.04 | 2008.03 |
大口工場 | 愛知県 丹羽郡 大口町 |
成形天井、フェンダーライナー等の新製品対応、設備の維持更新 | 2,149 | 2007.04 | 2008.03 |
土橋工場 | 愛知県 豊田市 |
電子部品の研究開発、新製品対応 | 2,017 | 2007.04 | 2008.03 |
藤岡工場 | 愛知県 豊田市 |
ドアトリムの新製品対応、設備の維持更新 | 1,662 | 2007.04 | 2008.03 |
高岡工場 | 愛知県 豊田市 |
シート、ドアトリムの新製品対応、設備の維持更新 | 1,238 | 2007.04 | 2008.03 |
豊橋北工場 | 愛知県 豊橋市 |
シートの新製品対応、設備の維持更新 | 1,028 | 2007.04 | 2008.03 |
トヨタ紡織カナダ(株) | カナダ オンタリオ州 |
シート、ドアトリムの新製品対応 | 6,454 | 2007.04 | 2008.03 |
Trim Masters Inc. グループ11社 | 米国 ケンタッキー州 |
シート、ドアトリム、フレームの新製品対応 | 4,447 | 2007.04 | 2008.03 |
2006年度の設備投資は製造設備の新設および新製品対応などに総額47,550百万円を実施。
・内装品では、シート・ドアトリムなどの新製品対応、トヨタ紡織九州㈱宮田工場の増築、中国・北中南米での増産対応などに36,840百万円の投資。
・フィルター・パワートレイン部品では、エアフィルター・オイルフィルターの新製品対応などに6,068百万円の投資。
国内
- 2006年9月、子会社のトヨタ紡織九州の宮田工場を増築し、自動車のドアトリムやエアクリーナーなどの生産能力を増強すると発表。投資額は約13億5千万円。トヨタ紡織九州は、トヨタ自動車九州向けに、「ハリアー」や「クルーガー」「レクサスIS」などのシート、ドアトリムなどを生産・供給している。トヨタ自動車九州が生産台数を増やしていることから、生産能力を増強するため、宮田工場を増築する。07年3月に完成する予定で、ドアトリムやデッキサイドトリム、エアクリーナーを生産する予定。(2006年9月27日付日刊自動車新聞より)
- 2006年9月、滋賀県甲賀市にダイハツ工業に納入する部品を専門に製造する新会社を設立すると発表。自動車用フィルター・パワートレーン機器、内・外装部品を07年8月から生産する予定で、ダイハツの滋賀工場、京都工場、池田工場、西宮部品センターに供給する。同社がダイハツ向け部品の専用工場を設けるのは初めて。新会社は「トヨタ紡織滋賀」で、トヨタ紡織が全額出資する。資本金は2億4千万円で、社長には、同社の堀悦郎参与が就任する。従業員数は200人の予定。新工場では、樹脂成形部品を中心に製造する予定で、樹脂製インテークマニホールド、エアクリーナー、カーペット・ドアトリム、補修用バンパーなどを生産する。(2006年9月2日付日刊自動車新聞より)
- 2007年1月、トヨタ紡織とデンソーは合弁会社である佛山豊田紡織汽車零部件有限公司の開業式を行った。佛山豊田紡織は、オイルフィルターを同年7月から中国国内とアジア向けに生産しており、07年には欧州向けの生産も開始する。佛山豊田紡織は同年に約1億元(同15億円)の売り上げを見込む。(2007年1月24日付日刊自動車新聞より)
海外
<中国>
- 2010年度までに、中国での売上高を今年度実績見通しの約2・5倍に当たる1500億円規模に拡大する。トヨタ自動車の中国での生産が大幅に増加する見込みであることから、現地生産車向けの内装部品の受注を拡大する。同社はトヨタのグローバル展開に応じ、海外での生産を強化している。現地の開発・生産体制の強化を図りながら事業規模の拡大に取り組み、中国での事業を日本、米国に次ぐ規模に育成する。(2006年11月24日付日刊自動車新聞より)
- 2007年1月、アイシン精機、同社、デンソーのトヨタグループ3社は23日、中国広東省佛山市の部品製造会社2社の合同開業式を、現地時間の22日に行ったと発表。開業式を行ったのは、アイシン精機の子会社、愛信精機(佛山)車身零部件有限公司と、トヨタ紡織とデンソーの合弁会社、佛山豊田紡織汽車零部件有限公司の2社。愛信精機(佛山)は2006年5月から電動サンルーフ、パワーシートのモーターハウジングを生産している。佛山豊田紡織は、オイルフィルターを2006年7月から中国国内とアジア向けに生産しており、2007年には欧州向けの生産も開始する。愛信精機(佛山)は07年に約3億7700万元(約56億7千万円)、佛山豊田紡織は同年に約1億元(同15億円)の売り上げを見込む。(2007年1月24日付日刊自動車新聞より)
<フランス>
- 2006年10月、同社はフランスの自動車バンパー生産拠点であるトヨタ紡織フランス(TBF、オナン市)が本格生産の体制に入ったのに伴い、9日に開所式を開催したと発表。TBFは、トヨタ車向けの補修用バンパーを生産する新設拠点で、生産能力は年間25万本。TBFは、同社の全額出資子会社で、設立は05年1月。これまでに約800万ユーロを投じて自動車用バンパーの工場を建設、今年5月に操業を開始した。当面は「カローラ」や「ヤリス」「アベンシス」など欧州生産車向けの補修用バンパーを生産する。(2006年10月11日付日刊自動車新聞より)
<南アフリカ>
- 2006年10月、同社と豊田通商は南アフリカにおける初の生産拠点であるトヨタ紡織南アフリカ(クワズルナタール州)の開所式を実施したと発表。両社幹部や現地行政府の要人らが参加、自動車内装部品の最新工場などを公開した。トヨタ紡織南アフリカは、シートやドアトリムなどの自動車内装部品の生産会社として、2005年7月に設立された。総投資額は約43億円で、2006年4月に生産を開始した。07年度は、約104億円の売り上げを計画。(2006年度10月5日付日刊自動車新聞より)
<カナダ>
- 2006年7月、カナダに自動車用内装部品生産会社を設立すると発表。同社が北米で単独出資する初めての「シート生産会社」で、08年に操業を開始し、シートのほかトリム類などを製造、主に北米の自動車メーカーに供給する。09年度の売り上げは、約150億円を見込んでいる。新会社は「トヨタ紡織カナダ」(TBCA)として、加オンタリオ州ウッドストック市に設立。トヨタ自動車など日系カーメーカーの部品現地調達ニーズに応えるとともに、グローバルレベルの競争力強化を目的とする。08年に操業開始するトヨタモーターマニュファクチャリングカナダ(TMMC)で生産される乗用車「RAV4」の内装部品を供給する計画であるなど、トヨタ紡織の北米事業で重要な拠点と位置付けている。(2006年7月11日付日刊自動車新聞より)
<ロシア>
- 2006年4月、同社は豊田通商と合弁でロシアに自動車用シートの生産子会社を設立すると発表。トヨタグループの部品メーカーとしては初のロシア進出で、同社の海外拠点としては56番目。設立するのは「トヨタ・ボウショク(ロシア)」で、トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・ロシア(TMMR、サンクトペテルブルク市)内に建設する。TMMRが07年12月から乗用車「カムリ」を生産するのに合わせ、同シートを年2万セット生産する。シートスライドやシートレールなどの機構部品やシート生地など、大半の構成部品を日本から輸出するCKD生産でスタート。ウレタンフォームや生地の裁断など、機械設備の移管・新設に約3億3千万円の投資を行う。生産開始時の従業員は約90人でスタートする。(2006年4月11日付日刊自動車新聞より)
設備の新設 |
(単位:百万円)
|
会社名 事業所名 |
所在地 | 設備の内容 | 投資予定 総額 |
着手 | 完了 予定 |
猿投工場 | 愛知県 豊田市 |
シート、ドアトリムの新製品対応、設備の維持更新 |
7,753 |
2007.04 | 2008.03 |
刈谷工場 | 愛知県 刈谷市 |
エアフィルター等の新製品対応、設備の維持更新 |
4,339 |
2007.04 | 2008.03 |
滋賀工場 | 滋賀県 甲賀市 |
バンパー、シリンダーヘッドカバー他の工場建設、新製品対応 | 3,280 | 2007.04 | 2008.03 |
大口工場 | 愛知県 丹羽郡 大口町 |
成形天井、フェンダーライナー等の新製品対応、設備の維持更新 | 2,149 | 2007.04 | 2008.03 |
土橋工場 | 愛知県 豊田市 |
電子部品の研究開発、新製品対応 | 2,017 | 2007.04 | 2008.03 |
藤岡工場 | 愛知県 豊田市 |
ドアトリムの新製品対応、設備の維持更新 | 1,662 | 2007.04 | 2008.03 |
高岡工場 | 愛知県 豊田市 |
シート、ドアトリムの新製品対応、設備の維持更新 | 1,238 | 2007.04 | 2008.03 |
豊橋北工場 | 愛知県 豊橋市 |
シートの新製品対応、設備の維持更新 | 1,028 | 2007.04 | 2008.03 |
トヨタ紡織カナダ(株) | カナダ オンタリオ州 |
シート、ドアトリムの新製品対応 | 6,454 | 2007.04 | 2008.03 |
Trim Masters Inc. グループ11社 | 米国 ケンタッキー州 |
シート、ドアトリム、フレームの新製品対応 | 4,447 | 2007.04 | 2008.03 |