株式会社ニチリン 2006年度の動向
ハイライト
単位: 百万円 | 2006年度 | 2005年度 | 増減率(%) | 要因 |
売上高 | 40,997 | 39,468 | 3.9% | -国内では、新車投入の少ない時期ではありながらも、受注車種が好調に推移したことや海外拠点等への輸出が増加。利益面では、原材料価格の上昇が続くなか、生産改善および経費削減などによる原価低減の推進と、販売価格低下に努めた結果、為替の影響もあり営業利益は増加。 -一方、北米では、営業の強化、原価低減活動、生産性改善や仕入部品の内製品化等を推進したものの、原油価格の高止まりによる大型車の販売減少や一部販売先の減産等もあり、売上、利益ともに減少。中国・アジア・欧州は、現地に展開する日系メーカーの拡大に支えられ、好調に推移した。 |
経常利益 | 1,486 | 1,723 | (13.8%) |
中国事業の強化
2006年12月、中国子会社、上海日輪汽車配件有限公司への出資持分の引き上げを決定したと発表。1996年ニチリンは、現地企業2社との合弁にて、中国市場における自動車用ホースの製造・組立拠点として上海日輪汽車配件有限公司を設立。ニチリングループの中国拠点として年々その業容を拡大、グループ全体の戦略上も同社の重要性が高まっていることから同社への支配力を高めるのが目的。ニチリンの同社株式保有率を現行の52%から72%に引き上げる。(2006年12月22日付け同社プレスリリースより)
2007年度の課題
-世界市場の変化に対応した生産拠点の充実と、製品・部品の相互補完による収益の向上。
-グローバル品質保証体制の確立による世界同一レベルの「きわだち品質」の実現。
-NNP(Nichirin New Production)活動の継続実践による生産改善と、購買の多様化等による原価低減。
-ニチリンR&Dセンターに技術・研究開発部門を集約することで技術開発力を強化。
開発動向
(単位:千円) | 2006年度 | 2005年度 | 2004年度 |
研究開発費 | 994,411 | 850,024 | 726,658 |
技術供与(2006年12月現在)
供与先 | 国名 | 契約内容 | 契約期間 |
和承R&A | 韓国 | 自動車用エアコンディショニングホースの製造に関する技術 |
2004年2月24日 ~2007年2月23 (3年毎自動更新) |
自動車用ブレーキホース製造に関する技術 |
2004年11月3日 ~2007年3月4日 |
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2007年3月5日 ~2010年3月4日 |
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自動車用パワーステアリングホース製造に関する技術 |
2002年10月28日 ~2007年10月27日 |
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PT.MITRA METAL PERKASA | インドネシア | 自動車用ブレーキホース組立に関する技術 |
2006年10月26日 ~2007年10月25日 |
新製品開発
自動車用ホース:
制動性、高耐久性などの機能を強化したブレーキホース、横滑り防止装置用ホースなど、自動車の安全性を高めるホースを開発中。横滑り防止装置用ホースはすでに納入を開始。
カーエアコンホース:
地球環境への影響が大きいフロン系冷却に代わる二酸化炭素(CO2)冷媒に対応する配管用ホース(EF-Tube)は、既に一部の燃料電池車両用に採用され、また、国内外のエアコンシステムメーカーへもに多数の試作品を納入。このEF-Tubeの内部流体が透過しない構造、高い柔軟性を持つ構造の特徴を生かして、他分野へも展開中。
その他のホース:
自動車の横揺れを低減するための油圧配管用ホースの開発、また、ディーゼルエンジンのコモンレールシステム用ホースについては、本格的に量産を開始、さらに、ディーゼルエンジンから搬出される窒素酸化物(NOx)の低減を目的とした尿素SCRシステム用のホースも開発中。
設備投資
(単位:千円) | 2006年12月 | 2005年12月 | 2004年12月 |
日本 | 1,170,103 | 608,920 | 414,035 |
北米 | 455,492 | 437,180 | 401,849 |
アジア、欧州 | 132,156 | 206,655 | |
合計 | 1,757,751 | 1,252,756 | 815,885 |