アイシン・エィ・ダブリュ (株) 2017年3月期の動向

近年の動向

事業概況 (2017年3月期)

-2017年3月期の売上高は、海外への拡販活動の成果などによりATの販売が世界的に好調で、前年比12.1%増の1兆4,311億円。
-営業利益は、研究開発費などの費用増加や為替差損などの減益要因があったものの、売上増、原価改善など収益体質強化活動の成果などにより、前年比21.7%増の1,229億円。

事業計画

-ドライブトレーンの新ブランド「SYNCROMATIC(シンクロマチック)」を立ち上げた。ブランドを設定するのは同社初の試み。高性能ドライブトレーンのシンボルとして、まずはトヨタ自動車の「TNGA」コンセプトを採用した新製品から展開し、順次新製品に採用していく。川本社長は新ブランドについて「デュアルクラッチトランスミッションなどに対してATは古い変速機という印象を持たれている。ATも高性能なシステムだということをアピールしていきたい」と狙いを述べた。(2016年12月10日付日刊自動車新聞より)

-2016年10月1日付で「電子事業本部」を新設したと発表した。自動変速機(AT)事業の電子技術部門と、VIT(ビークルインフォメーションテクノロジー=カーナビゲーション)事業の電子技術部門と生産部門を統合、約1200人体制の部門となる。同社ではこれまで、主力製品であるATの開発部門とカーナビの開発部門がそれぞれ独自にコンピューター設計やソフトウエア開発を行ってきた。今回の組織改正を機にそれぞれの技術やノウハウを持ち寄り、開発効率の向上を図る。(2016年10月1日付日刊自動車新聞より)

研究開発費

(単位:百万円)
2017年3月期 2016年3月期 2015年3月期
全社 69,200 65,800 55,400

研究開発拠点

名称 所在地
ものづくりセンター 愛知県安城市
AW Technical Center U.S.A., Inc. 米国ミシガン州
AW Technical Center Europe S.A. ベルギー ブレンラリュー
AW蘇州テクニカルセンター 中国江蘇省蘇州市

研究開発活動

-ドライブトレインシステムの多様化やクルマ社会の高度情報化などに対応するため、トランスミッションやナビゲーションといったこれまでに培ってきた商品・技術を基盤に、次世代に先駆けた商品開発を推進。

-2016年12月、EV向けパワートレーン事業に参入すると発表。駆動用モーターから減速機、インバーターまで自社開発してパッケージとして自動車メーカーに供給。欧州メーカーの中国市場向けなど、2020年頃の実用化を目指す。これに伴い17年1月にEVシステムなどの先行開発部門を新設し、電動化技術のエンジニア数を20年に倍以上へ増員する。ハイブリッドシステムの開発で培ったモーター技術の知見を生かすことで、将来的に需要拡大が見込まれるEVシステムを開発し、新たなビジネスに育成していく。(2016年12月10日付日刊自動車新聞より)

製品開発

レクサス「LC」向けトランスミッション
-トヨタ自動車と共同でレクサスブランドの新型クーペ「LC」向けに、ハイブリッド車(HV)モデル用「FRマルチステージハイブリッドトランスミッション」、ガソリン車モデル用「FR10速オートマチックトランスミッション(AT)」を開発。(2017年3月28日付日刊自動車新聞より)

ハイブリッド車向けワンモーター変速機
-2018年にもハイブリッド車(HV)向けにワンモーター変速機を実用化する。現在量産している2モーター式と比べて構造をより簡素化することができ、中国地場系や欧州の自動車メーカー向けを中心に需要を開拓していく。HV向け変速機のラインアップを拡充して、幅広いニーズに対応し事業の拡大を図る。(2017年1月12日付日刊自動車新聞より)

設備投資額

(単位:百万円)
2017年3月期 2016年3月期 2015年3月期
全社 72,319 123,236 78,820

設備の新設計画

-2017年3月31日現在、同社はドライブトレイン関連製造設備等に81,000百万円を投資する計画。