アイシン精機 (株) 2012年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:億円)
  2012年
3月期
2011年
3月期
増減率(%) 要因
売上高 23,041 22,574 2.1 1)
営業利益 1,218 1,327 (8.2) -
経常利益 1,291 1,478 (12.7) -
純利益 554 696 (20.4)  -
アイシン精機グループ
売上高 8,220 8,257 (0.4) -国内得意先自動車メーカーの生産が回復
営業利益 426 537 (20.7)

要因
1)
-震災およびタイにおける洪水に伴う得意先の稼働状況に応じた生産調整の影響があったが、トランスミッションや電動ポンプをはじめとするハイブリッド車向け製品が好調に推移したことに加え、年明けからは得意先での挽回生産が本格化した。

合弁会社

-同社とトヨタ紡織の合弁会社TBAI Polandは、自動車用シートフレーム・シートカバーの生産開始を祝い、開所式を行った。TBAIが生産するシートフレームは、材質の一部に980メガパスカル級高張力鋼板を使用することで軽量化・省資源化を図るとともに、乗り心地性能を追求した新世代シートフレーム「TB-NF110シリーズ」。このシートフレームは、既に2011年6月より生産を開始しており、フランスのToyota Boshoku Somain S.A.S.でシートASSYに組み立てられ、新型「Yaris」を生産するToyota Motor Manufacturing France S.A.S.に納入している。敷地面積は約8万平方メートルで、日本・北米に続き3番目の生産拠点となる。なお、合弁会社への出資比率はToyota Boshoku Europeが70%、Aisin Europeが30%。(2011年10月17日付プレスリリースより)

2012年3月期の見通し

(単位:億円)
  2013年3月期 (予想) 2012年3月期 (実績) 増減 (%)
売上高 25,000 23,041 8.5
営業利益 1,500 1,218 23.2
経常利益 1,550 1,291 20.1
純利益 670 554 20.9


>>> 次年度業績予想(売上、営業利益等)


中期経営計画
-同社は、2020年度までに売上高を11年度見通しに比べ5割増の3兆3千億円に引き上げる長期ビジョンを策定した。営業利益は3倍の3300億円以上を目指す。今後は07年度に確保した過去最高業績(売上高2兆7千億円、営業利益1800億円)を大幅に上回る目標の達成に向け、12年度以降の新中期経営計画を策定。製品、地域別に新たな事業戦略に乗り出す。これにより、部品メーカーとして長期的に世界第3位グループの地位を維持し続けることを目指す。(2012年1月13日付日刊自動車新聞より)

開発動向

研究開発費

(単位:億円)
  2012年3月期 2011年3月期 2010年3月期
アイシン精機グループ 507 - -
アイシン高丘グループ 11 - -
アイシンAWグループ 490 - -
アドヴィックスグループ 157 - -
その他 47 - -
全社 1,214 1,114 1,011

研究開発活動

-システム化、モジュール化からITS関連商品の開発など、最先端の自動車部品技術を基盤に、住環境と生態の科学的研究、燃料電池やレーザーをはじめとする先端技術研究などさまざま分野へ開発の領域を広げている。

アイシン精機グループ
-主な成果
  • 商用車用ハイブリッドオートマチックトランスミッションシステム
  • 家庭用燃料電池コージェネレーションシステム
  • スポーツカー用高性能マニュアルトランスミッション

製品開発

車車間通信システム
-同社と日本自動車研究所など5社は27日、車車間通信だけで最新の道路交通情報などを蓄積してユーザーに提供する「センターレスプローブ情報システム」を開発したと発表した。携帯電話などの通信インフラを使用しないため、大規模災害が発生した際でも利用することができる。システム搭載車では約12%の二酸化炭素 (CO2)の排出抑制効果があるという。今後、検証実験などを重ねたうえで、規格化を目指す。開発に参加したのは両者のほか、慶應義塾大学SFC研究所、道路交通シミュレーションパッケージの販売などを手掛けるアイ・トランスポート・ラボ、ソフトウエア開発のNECソフト。(2011年6月28日付日刊自動車新聞より)

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2012年3月期
アイシン精機グループ 61,324
アイシン高丘グループ 23,919
アイシンAWグループ 52,955
アドヴィックスグループ 8,239
その他 6,113
消去 (1,753)
全社 150,798

国内投資

-同社は、2011年12月中にもハイブリッド車(HV)向け自動変速機(AT)に搭載する大型モーターの生産を小川工場(愛知県安城市)で開始する。ATを手がける小川工場にモーター生産の専用ラインを設置した。投資額は10億円弱で、最大生産能力は月500台。今後3年間の生産規模は月250台程度を見込む。従来、同社のモーター生産は半田工場(愛知県半田市)のみだったが、日野自動車から商用HV向けATを受注したことに合わせて効率的な生産、供給体制を整えた。同社が供給するHV用ATは、日野自動車が12年初頭に北米市場に投入する小型ハイブリッドトラックに搭載される。(2011年12月3日付日刊自動車新聞より)

海外投資

<インド>
-インド北部と南部に新たな生産子会社を設立したと発表した。北部のハリヤナ州には営業、設計機能から生産までを手がけるアイシン・オートモーティブ・ハリヤナ(AHL)を設置した。南部のカルナタカ州にはアイシン・オートモーティブ・カルナタカ(AKL)を置いた。従来、現地にはカルナタカ州に車体部品などを製造する拠点を設置していたが、新会社2社の設立を機に事業拡大を図る。トヨタ自動車を始め、現地に進出する日系メーカーから幅広く受注を獲得することを目指す。(2012年1月6日付日刊自動車新聞より)

<中国>
-中国・江蘇省にサンルーフを手がける新生産会社「愛信車身零部件」を設立したと発表した。現地メーカーの信昌機械廠、慧国工業と合弁で設立したもので、信昌機械子会社の工場の一部を借り受けて生産体制を整える。投資額は設備を中心とする3億円。12年3月をめどに生産を開始する。これにより、中国でサンルーフを手がける拠点は3カ所目となる。新会社では、15年に年間売上高で25億円を確保する計画だ。新会社の出資比率はアイシン精機が51%、信昌機械が40%、慧国工業が9%。(2011年11月29日付日刊自動車新聞より)

-2012年12月をめどに中国で電子部品の生産を開始すると発表した。広東省・佛山市に新生産会社愛信精機電子を設立。新工場を設け、ABS、サンルーフなどに活用するECU(電子制御ユニット)やセンサーを生産する。同社が電子部品を海外生産するのは米国に続き2カ国目。アイシングループ各社が製品に組み込むECUの現地化を図り、供給効率の向上を図る。投資額は約34億円。新会社の売り上げ規模は15年に50億円を見込む。(2011年11月29日付日刊自動車新聞より)

-中国江蘇省に車体部品の設計・開発会社「愛信(南通)汽車技術中心有限公司」を設立すると発表した。従来、日本が主体となって実施していた中国市場向けの設計業務を現地化する。9月中にも設立し、10月に稼働させる計画だ。投資額は約1億6千万円。当初の従業員数は日本人を中心とした14人。2015年度に向けて現地採用を図り、陣容を約50人に拡大する。アイシン精機が海外に開発会社を設立するのは、08年に設置した米国拠点に続いて2カ所目。(2011年9月1日付日刊自動車新聞より)

<ブラジル>
-ブラジル・サンパウロ州に生産子会社「アイシン・オートモーティブ(略称AAL)」を設立したと発表した。2012年後半の本格稼働に向けて新工場(ブラジル・第2工場)の生産準備を進めており、AALが同工場の運営を行う。生産開始当初はシート部品やドアフレームなどを手がけ、トヨタ自動車の新開発小型車に向けて供給する。新会社設立や生産体制の整備に伴う投資額は33億円。中期的には他のユニット系部品に生産品目を拡大することも視野に入れており、15年度に売上高50億円を確保することを目指す。(2011年10月6日付日刊自動車新聞より)

設備の新設

(2012年3月31日現在)
  投資予定額 (百万円) 主な設備投資の内容
アイシン精機グループ 73,800 ボディ関連製造設備、エンジン関連製造設備等
アイシン高丘グループ 25,000 鋳造設備等
アイシンAWグループ 80,000 ドライブトレイン関連製造設備等
アドヴィックスグループ 12,400 ブレーキおよびシャシー関連製造設備等
その他 9,700 ドライブトレイン関連製造設備等
消去 (900) -
合計 200,000 -