Schaeffler AG 2011年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ユーロ)
  2011年
12月期
2010年
12月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 10,694 9,495 12.6 -
EBIT 1,689 1,509 11.9 -
自動車部門
売上高 7,160 6,325 13.2 1)
EBIT 1,074 990 8.5 -

要因
1)
-2011年、自動車部門は、完了したプロジェクトと入れ替えに大型の新規や追加受注を獲得し、売上を伸長。しかしながら、年後半に成長率が減速。

-2011年通年では、売上はアジア市場(前年比20%増)、北米市場(同13%増)、欧州市場(同13%増)に牽引された。製品ごとでは、トルクコンバーター(同27%増)、ボールベアリング(同18%増)、テーパードローラーベアリング(同18%増)が平均以上の成長を見せた。また、乾式ダブルクラッチ、ボールスクリュードライブ、フル可変電磁油圧バルブコントロールシステム「UniAir/MultiAir」などの革新的な新製品の売上は、特に高い成長率を得たとしている。

新規事業

-同社は、電動モビリティ関連の事業を集約し、「eMobility Systems Division」を新たに設置すると発表した。新部門ではまず従業員300名を増員する。これに伴い、ドイツのHerzogenaurach、Buhl、Suhlにおける開発拠点が拡張される計画。同部門で扱う製品はスタート・ストップシステム、ハイブリッドクラッチ、電気駆動システムなど。また今後は中国・北米においても、同社の電動モビリティ事業の拡大が見込まれる。(2011年7月7日付プレスリリースより)

受賞

-Schaeffler Trading (Shanghai)が長安福特馬自達発動機(Changan Ford Mazda Engine)より「Best Supplier 2011」を受賞したと発表。同グループがこの賞を受賞するのは、今回で3度目となる。(2011年12月15日付プレスリリースより)

-Porscheより「2011 Supplier Award」を受賞したと発表。同グループの切換え可能なバケットタペットやカムシャフトフェージングユニットは、Porscheのバルブコントロールシステム「Porsche VarioCam Plus」に採用されている。(2011年8月1日付プレスリリースより)

-Daimlerよりパワートレイン部門において「Daimler Supplier Award 2010」を受賞したと発表。同社はまた、長城汽車(Great Wall Motors)より「Great Wall Motors Best Development Awards」を受賞した。(2011年4月20日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
  2011年12月期 2010年12月期 2009年12月期
全社 495 467 384

 

研究開発体制

-世界中にある40カ所を超える研究開発センターで約6,000名が新製品や新技術の開発に従事。
-出願中の技術を含み18,000以上の特許を取得。

研究開発拠点

<日本>
-日本国内の研究・開発スタッフを3年後をめどに現状の3倍に当る300人に増員する。昨年開設した横浜市の研究機関を中心に、調査部門を含め研究・開発エンジニアを増員し、日本での事業基盤強化を強化する。同時に完成車メーカーへの研究員の派遣も今後さらに積極化し、参加する部門を拡大するほか開発のスピードアップにも貢献、協力関係を一層強化していく。シェフラーの日本法人であるシェフラージャパンの研究開発センターは、資本提携する独コンティネンタルグループの開発センター内に昨年設置した。現在の人員は250人で、うち研究開発要員は約100人。この研究開発スタッフを3年後をめどに300人に増員するほか、テスト装置や解析機器なども拡充する。(2011年12月28日付日刊自動車新聞より)

製品開発

アクティブエレクトリックディファレンシャル
-四輪駆動電気自動車のコンセプトカー「ACTIVeDRIVE」を開発。Skoda 「Octavia Scout」がベースとなっている。このコンセプトカーのフロントアクスルおよびリアアクスルには、アクティブエレクトリックディファレンシャル(eDifferential)が搭載。この2つのディファレンシャルを用いることで、走行ダイナミクス・安全性が向上し、最大出力210kWを実現した。(2011年3月28日付プレスリリースより)

乗用車用スパーギアディファレンシャル
-乗用車用スパーギアディファレンシャルの新製品を開発。従来のベベルギアディファレンシャルに比べてスリム化することで、重量を最大30%軽量化するとともに、軸スペースを最大70%拡張した。これにより、1つのディファレンシャルで重量を3kg低減するほか、ギアボックス内に90mmの追加スペースを確保。このスパーギアディファレンシャルは現在テストを行っている。量産を決定した後、設計最適化の段階に入る予定。(2011年1月28日付プレスリリースより)

油圧式連続可変バルブコントロールシステム
-Fiat Powertrain Technologyと共同で、油圧式連続可変バルブコントロールシステムを開発。この「UniAir」は、Alfa Romeo 「MiTo」の1.4 MultiAirエンジンに採用される。また、2011年中に発売されるFiat 「500」米国モデルにも、「Uniair」の搭載が決定している。このバルブコントロールシステムは、最大25%の燃費向上およびCO2削減を実現。ウォームアップ段階において、ウォームアップ段階において、炭化水素(HC)排出を40%、窒素酸化物(NOx)排出を60%、それぞれ最大で削減する。(2011年1月10日付プレスリリースより)

遠心振り子ダンパー機構付きトルクコンバーター
-遠心振り子ダンパー機構付きトルクコンバーター(LuKブランド)の新製品を開発した。このコンバーターは、2010年9月に欧州で生産開始を予定している。また今後は、米国やアジアのカーメーカー向けに生産する見込み。(2011年1月10日付プレスリリースより)

設備投資

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
2011年12月期 2010年12月期 2009年12月期
全社 846 386 325
自動車部門 621 284 88

 

海外投資

<中国>
-中国の江蘇省南京(Nanjing)市に新工場を開設すると発表。南京江寧科学園(Nanjing Jiangning Science Park)内に建設する同工場へ、第一フェーズで100百万ユーロを投資。工場の面積は25万平方メートルで、自動車用および産業用ローリングベアリングを生産する。2012年末までに完成予定で、2013年の第1四半期に量産開始を目指す。2016年末までに3,000名から4,000名の増員を見込んでいる。(2011年4月13日付プレスリリースより)