日本電産トーソク (株) 2013年3月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万円) |
2013年 3月期 |
2012年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 31,280 | 33,508 | (6.6) | 1) |
営業利益 | 1,715 | 3,140 | (45.4) | - |
経常利益 | 1,974 | 3,087 | (36.1) | - |
当期純利益 | 1,091 | 1,844 | (40.8) | - |
要因
1) 売上高
-主力製品のCVT用コントロールバルブについては、国内市場向けは好調な新車販売に支えられ、堅調に推移していたが、中国および欧米向けは市場の冷え込みにより売上高が減少。
-欧州向け環境対応コモンレールディーゼルエンジン用燃料流量制御弁は、欧州市場の冷え込みの影響で売上が減少。
海外事業
車載用モーター事業を強化-電動パワーステアリング (EPS) などの車載用モーター事業を強化する。グローバルでの開発体制の移行を促進するほか、インドに新工場を建設して現地生産を開始する。需要が急増しているEPS用モーターやデュアルクラッチトランスミッション (DCT) 用モーターの開発は、中国の大連に開発拠点を新設して日本と2カ国体制とする。電気自動車やハイブリッド車向けのSRモーター開発では、日本と米国、英国の3カ国間での連携を高める。インドの新工場は2013年12月に操業し、EPSやエンジン冷却用ファン、パワーウインドウなどの車載用モーターを生産する。新興国市場での自動車生産拡大により、日系や欧米メーカーからの新規受注が増えている。開発技術情報のグローバル活用で開発コストを抑制するとともに、現地生産の拡大によりメーカーの現地調達ニーズに対応する。(2012年4月26日付日刊自動車新聞より)
<米国>
-米国ミシガン州に車載用モーターの米市場統括拠点となる完全子会社「日本電産モータ・アメリカ」を4月5日に設立すると発表した。資本金は約4100万ドル(約38億円)。自動車生産が拡大する北米市場での拡販に向けて、生産・販売・開発の体制を強化し、受注拡大を目指す。(2013年3月29日付日刊自動車新聞より)
<中国>
-中国の車載モーターメーカーに出資すると発表。江蘇凱宇汽車電器有限公司の第三者割当増資を日本電産が引き受け、凱宇汽車電器が持つ株式の51%を取得することについて、株主の江蘇洛凱機電製造集団と他の株主と合意、契約書を結んだ。凱宇汽車電器は、ブラシ付電動パワーステアリング (EPS) モーターや車載用ファンを製造販売しており、中国の現地自動車メーカーを顧客に持っている。日本電産では、現在保有していないブラシ付EPSモーターの技術を獲得するとともに、中国現地メーカーへの取引拡大を見込む。(2012年6月22日付日刊自動車新聞より)
中期経営計画
-中期経営計画「TOSOKルネッサンス」に基づき、2015年度までに連結売上高を現在の約1.5倍となる500億円まで引き上げる。日系自動車メーカーから新たに受注したATやCVT用コントロールバルブの納入が14、15年度にかけて順次スタートする。受注増に合わせてベトナムに第2の生産拠点を新設。13年度には電動オイルポンプの量産を開始するなど新製品の市場投入により、計画の達成を目指す。また、ベトナムと中国でアルミダイカストの生産体制を強化する。ベトナムでは、日本電産トーソク秋葉ベトナムに工場を増設して生産能増を図る。中国では、ダイカストの金型を内製化するとともに、バルブボディーの生産を開始する。グローバルでの開発現地化や原価低減活動の推進によりグローバルで競争力を高めて、受注増につなげる。 (2012年8月1日付日刊自動車新聞より)>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2013年3月期 | 2012年3月期 | 2011年3月期 | |
全社 | 1,065 | 985 | 709 |
自動車部品事業 | - | 913 | 604 |
研究開発活動
-自動車の快適性・安全性・燃費向上ニーズ、ハイブリッド車の販売増加や電気自動車の台頭などに伴う電子制御技術分野の進展に対応する研究開発活動を推進。主に下記3分野での新技術開発と新製品拡大を推進
1. 既存商品については自動変速機 (A/T)、無段変速機 (CVT) 用のコントロールバルブASSYの更なる高機能化と高性能化。また複数の中国民族系自動車メーカーとの新製品開発への取り組み。
2. 電磁弁技術の応用としてディーゼルエンジン用流量制御などの自動車用環境・省エネ対応商品の開発。新分野適用として家電用電磁弁の開発。
3. 電子制御・モーター・インバーター技術分野拡大による電動オイルポンプ等のハイブリッド車、電気自動車用の電動化対応製品の開発。
グローバルでの開発体制を強化
-グローバルでの開発体制を強化する。新興国市場での自動車生産拡大に伴いメーカーからの新規受注が増えている。これに対応し、2013年後半以降に納入を開始する予定で、新たな部品開発能力の増強により、部品メーカーや自動車メーカーの現地対応力を高める。
- ベトナム:これまでの約40人体制から、12年に100人まで技術担当者を増加。
- 中国:蘇州高新区科技域に新たに開発拠点を開設、50人体制で開発を行う。
- 日本:100人体制で行っている開発機能を維持。
製品開発
電動オイルポンプを製品化-電動オイルポンプの生産に参入する。ハイブリッド車 (HV) やアイドリングストップ車向けとして、2013年にベトナム工場で生産を開始する。新たに開発した電動オイルポンプは、ミッションのステッピングモーターの開発技術をベースに小型化と耐久性を高めたことで、自動車メーカー数社から受注を獲得している。生産規模が拡大するHVやアイドリングストップ車に対応する製品として、日系・非日系メーカー双方へと供給先の拡大を目指す。 (2012年7月23日付日刊自動車新聞より)
技術導入契約 |
(2013年3月31日現在) |
契約会社名 | 相手方の名称 | 国名 | 契約内容 | 契約期間 |
日本電産トーソク | 日産自動車 | 日本 | 画像処理装置についての技術情報の提供および製造・販売権の許諾 | 1993年6月28日 - 6年 (自動継続) |
技術供与契約 |
(2013年3月31日現在) |
契約会社名 | 相手方の名称 | 国名 | 契約内容 | 契約期間 |
日本電産トーソク | テルスターエンジニアリング社 | 韓国 | コラム型空気マイクロメータ、AE変換機およびコラム型電気マイクロメータの製造技術情報およびノウハウの提供、製造・販売権の許与 | 2000年12月21日 - 5年 (自動継続) |
日本電産トーソク | Kefico社 | 韓国 | RXC配線板の製造技術情報およびノウハウの提供、製造・販売権の許与 | 2003年3月24日 - 8年 (自動継続) |
日本電産トーソク | Unick社 | 韓国 | 6速用比例弁の技術情報およびノウハウの提供、製造・販売権の許与 | 2007年3月26日 - 5年 (自動継続) |
設備投資
設備投資費 |
(単位:百万円) |
2013年3月期 | 2012年3月期 | 2011年3月期 | |
全社 | 10,418 | 3,597 | 6,892 |
自動車部品事業 | - | 3,412 | 6,330 |
-新工場への投資と新製品生産のための投資を実施。
設備の新設計画 |
(単位:百万円) |
会社名/所在地 | 所在地 | 設備の内容 | 投資予定 総額 |
着手 年月 |
完了 予定 |
本社工場 | 神奈川県 座間市 |
生産設備 | 581 | 2013.04 | 2014.03 |
Nidec Tosok (Vietnam) Co., Ltd 本社工場 |
ベトナム ホーチミン市 |
生産設備 | 1,475 | 2013.04 | 2014.04 |
Nidec Tosok Akiba (Vietnam) Co., Ltd. | ベトナム ホーチミン市 |
生産設備 | 606 | 2013.04 | 2013.12 |
日本電産東測 (浙江) 有限公司 [Nidec Tosok (Zhejiang) Corp.] |
中国浙江省 | 生産設備 | 1,285 | 2013.04 | 2013.12 |
日本電産魚岸東測 (平湖) 有限公司 [Nidec Tosok Uogishi (Pinghu) Corp.] |
中国浙江省 | 生産設備 | 427 | 2013.04 | 2013.12 |
Nidec Tosok Precision Vietnam Co., Ltd. | ベトナム ベンチェ省 |
生産設備 | 1,527 | 2013.04 | 2013.12 |