Knorr-Bremse AG 2007年度の動向
ハイライト
業績
単位: 百万ユーロ | 2007年度 | 2006年度 | 変動率(%) | 説明 |
売上高(連結) | 3,250.6 | 3,120.6 | 4.2 | - |
営業利益 (連結) | 197.8 | 185.5 | 6.6 | |
売上高 (Commercial Vehicle Systems) | 1,966.4 | 1,967.8 | (0.1) | 下記の(注1)を参照。 |
(注1)
欧州
欧州連結企業の売上高は12%増加。これにより米国での減収の大部分を相殺。
北米
当初の予期どおり、2007年1月1日からの新排ガス規制施行に伴い、米国の商用車の生産台数は約40%の大幅減。 多くの物流企業がコスト増を避けるために、施行日直前に車両を前倒しして購入したことが要因。
Bendixはこのような状況に備えて周到に準備を進め、生産調整を行ったが、売上高は約30%減少した。
米国のトラック市場は今後数年間のうちに回復すると見込まれる。
南米
南米の車両生産台数は大幅に増加(28%)。これは、農業機器セクターの需要増と輸出拡大が主な要因。 同地域における売上高は36%増加。
アジア/オーストラリア
インドおよび中国では、資本を投下して引き続き道路網を拡大して いる。 現地メーカーは現在、主に商用車の需要拡大によって業績を伸ばしており、中期的には輸出台数増加も目指す。
また、OEメーカーでは、輸出市場での品質問題に対する認識が高まっており、 同社の場合、この傾向はコンプレッサー部門で特に顕著になっている。
2007年度は、Dongfeng/Cumminsよりコンプレッサー100,000基の納入契約を受注。
同地域の売上は好調(25%増)で、特に日本、インドおよび中国の売上が寄与。 中国では上海および大連の事業を拡大し、日本では2006年に設立された坂戸工場の生産量が引き続き増加。
ロシア市場への進出
企業買収
2007年度初め、Hasse & Wredeは、世界第3番位の粘性ダンパーメーカーであるSTE SchwingungsTechnik
GmbH (以下、STE) を買収。 同社はベルリン近郊のKliekenに本拠を置 く。この買収により、2007年度のHasse &
Wredeの売上は約25%増加。 今回の買収によって、STEが、ロシア最大のトラックメーカー、KAMAZに粘性ダンパーを納入する単独のサプライヤ
ーとなることから、この買収はロシア市場進出への大きな足がかりとなる。
合弁事業
Knorr-BremseとKAMAZはこのほど、ロシアでトラック用ブレーキシステム一式を生産するため、合弁会社を設立することで正式に合意した。KAMAZは旧ソ連邦国(CIS
states)の中で最大規模を誇るトラックメーカー。締結した合意書によると、KAMAZは自社のドラムブレーキ生産事業を新会社に移行する。一方、パートナーのKnorr-Bremseは、KAMAZの既存工場内で、ディスクブレーキ、
制振ダンパーなどの生産に着手するという。両社は折半出資により合弁会社を設立、事業運営面ではKnorr-Bremseが主導的役割を担う。新会社で生産する製品は、KAMAZ製トラック搭載用に供給するほか、ロシア及び近隣諸国に拠点をおく他の商用車メーカーにも出荷する。2007年におけるKAMAZの大型トラック生産台数は、3軸6輪駆動車を含め、55,000台に達する見通し。(2007年12月5日付プレスリリースより)
アジアにおけるグローバル ソーシング
2007年度、グローバルソーシングチームを設立し、中国、台湾、ベトナム、韓国、タイにおける活動を大幅に拡大した。このチームは上海と大連を
拠点とし、上海のチームは輸出を、大連のチームは現地生産のための購買をそれぞれを担当する。 同様のチームがインドに既に存在。
開発動向
(単位:百万ユーロ) 2006年度 2005年度 2004年度 2003年度 2002年度 研究開発費 141 133 124 120 119 研究開発体制
本社のあるミュンヘンに新設された、Knorr Bremse Technology Centerは、2005年末に本格稼動した。
設備投資
各年12月期 (単位:百万ユーロ) |
2006 年度 |
2005 年度 |
2004 年度 |
2003 年度 |
2002 年度 |
有形及び無形資産への投資額 (fixed and intangible assets) |
107 | 114 | 78 | 70 | 70 |
原価償却費 (Depreciation) |
104 | 97 | 94 | 79 | 83 |
資本投資の部門別配分:
各年12月期 |
2006 年度 |
2005 年度 |
2004 年度 |
2003 年度 |
2002 年度 |
商用車システム部門 (Commercial Vehicle Systems) |
69.5 | 62.4 | 45.0 | 43.0 | 38.9 |
鉄道車輛システム部門 (Rail Vehicle Systems) |
36.8 | 50.4 | 30.3 | 23.9 | 25.0 |
海外投資
大連新規コンプレッサー工場
- 2006年8月、同社は、中国大連でコンプレッサーの生産を開始した。 新規工場の生産能力は、年間約150,000台。最新鋭の生産設備で、顧客ニーズに合わせた高品質なコンプレッサーの生産が可能である。この工場は、国内マーケット向けに製品を供給するのみならず、アジア太平洋地区及びその他の同社マーケット向けにも供給する。
インド工場稼動開始
- 世界で最も成長している市場の一つであるインドで、同社の新規工場が2005年5月に稼動開始した。国内生産の開始により、2006年度の期間中に、同社は、インド国内のマーケットでの地位を強化することが出来た。 Puneにあるこの工場は、Knorr-Bremse
Asia Pacific (Holding) Ltd., Hong Kong社 と Tata Auto-Comp Systems Ltd.社の合弁会社であるKnorr-Bremse Systems for Commercial Vehicles
India Pvt. Ltd社によって運営されている。 同工場では、エアサプライ及びトリートメントシステム、エアブレーキバルブ、ブレーキシリンダーを生産。 2007年度からは、オートマティックスラックアジャスター、及び、ドラムブレーキも生産する。