GKN Plc 2011年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ポンド)
  2011年
12月期
2010年
12月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 5,746 5,084 13.0 -
営業利益 374 385 (2.9) -
部門別売上高
ドライブライン部門 2,678 2,433 10.1 1)
粉末冶金部門 845 759 11.3 2)

要因
1) ドライブライン部門
-世界の自動車生産が3%成長したのに対し、CVJシステムが7%、それ以外の製品が22%成長するなど堅調な推移を見せた。

-地域別では、北米、欧州、中国、日本において好調で、市場シェアが増加。需要が引き続き強い高級車セグメントに強みを持ち、AWDシステムやトランスアクスルなど幅広い製品ミックスが奏功した。

2)粉末冶金部門
-自動車業界の回復と、新規プロジェクトが生産に入り市場シェアが増加したことが奏功し、全ての地域で売上高が増加した。

受注

<ドライブライン部門>
-PSA Hybrid 4用のeアクスルを受注。
-欧州自動車メーカーから、1速eトランスミッションを受注。
-欧州および北米自動車メーカーから、2速eトランスミションを受注。
-ドライブシャフトとCVJシステムをOpel/Vauxhaullの新型電気自動車「Ampera」に納入すると発表。「Ampera」は2011年末に欧州で発売開始となる予定。なお、同モデルは2013年までに欧州での販売台数が1万台に達する見込み。(2011年7月14日付プレスリリースより)

<粉末冶金部門>
-2011年は、年換算で100百万ユーロを超える受注を獲得。
-マツダ車のトランスミッション用(アジア生産)のワンウェイクラッチを受注。
-Volkswagen車の可変バルブタイミングステータ用スプロケットを受注。

企業買収

<Getrag>
-Getrag Driveline Products(米国)のGetrag CorporationおよびスウェーデンのGetrag All Wheel Drive AB)の買収を完了したと発表。これによりGetrag Driveline Productsは、GKN Drivelineに統合される。また、同社はGetragより、EV・HV向け電動ドライブトレイン技術の独占ライセンスを取得。この技術は主に、欧州・米国で使用される。(2011年9月30日付プレスリリースより)

-Getrag KGより四輪駆動(AWD)用部品事業を買収することで合意したと発表。今回の買収に含まれるのは、GetragとDanaによる米国合弁会社Getrag Corporationと、Getrag・Dana・Volvoのスウェーデン合弁会社Getrag All Wheel Drive AB。両社は「Getrag Driveline Products」事業に属し、四輪駆動車向けパワートランスファーユニット(PTU)およびリアドライブユニット(RDU)や、後輪駆動車向けファイナルドライブユニット(FDU)などを生産している。買収完了後、「Getrag Driveline Products」はGKN Drivelineへ統合される予定。またこの他にGKNは、電気自動車・ハイブリッド自動車向け電動ドライブトレイン技術の独占ライセンス権をGetragより取得する。この技術は、主に欧州・米国で使用される予定。なお、今回の買収金額は283百万ポンド。買収手続きは2011年9月に完了する見込み。(2011年7月28日付プレスリリースより)

合弁事業

-EVO Electric Ltdとの合弁会社を英国に設立したと発表。EVO Electricは英国を本拠とする、自動車用の電気駆動システムメーカー。新会社「GKN EVO eDrive Systems」ではハイブリッド車・電気自動車向けに、軸方向磁束電動モーターおよび駆動システムの生産・販売を行う。なおGKNは今回、EVO Electricの株式25.1%を取得する。 (2011年6月22日付プレスリリースより)

海外事業

-中国におけるCVJ(等速ジョイント)システムおよびAWD(全輪駆動)システムの生産能力が、今後4年間で50%以上増加する見込みと発表した。また、中国でのAWD用プロペラシャフト生産量は、2010年の40万台から2014年には80万台とほぼ倍増する予定。同社は現在、36件以上の電気自動車・ハイブリッド/電気自動車プロジェクトを、世界の主要自動車メーカーと進行中で、これには中国国内メーカー向けプログラムも含まれる。欧州では2011年中に同社のハイブリッド技術が、Peugeot 「3008 HYbrid4」で採用される予定。Peugeot-Citroen向けeアクスルの開発に加えて、同社はアジア・北米での生産用に予定している数種の電気自動車プログラム向けに、eトランスミッションも開発中。このeトランスミッションの中国における組立は、2012年に開始を予定している。なお、同社は今後5年間で8,000万元(約870万ユーロ)を投資し、上海の研究開発センターを拡張する計画。(2011年4月18日付プレスリリースより)

受賞

-Porscheより「Supplier Award 2011」を生産資材部門で受賞したと発表。(2011年7月25日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発体制

-中国において、今後5年間で8,000万元(約870万ユーロ)を投資し、上海の研究開発センターを拡張する計画。(2011年4月18日付プレスリリースより)

製品開発

Countertrack 等速ジョイント
-高効率および燃料消費の低減
-SX8 47標準タイプは2013年に立ち上げ予定

フェイススプライン ハブ接続
-軽量、接続時の緩みを除去
-BMW "7 Series"に搭載済み。また、新型BMW "5 Series"、"6 Series"にも2011年末に搭載予定。

設備投資

設備投資額

(単位:百万ポンド)
  2011年12月期 2010年12月期 2009年12月期
自動車部品部門 113 73 73
粉末冶金部門 44 27 10

海外投資

<メキシコ>
-メキシコでのCVJシステムの年間生産量を、2005年の3百万基から2015年までに9百万基にすると発表。同社は、2005年からメキシコ拠点へ1億米ドル(14億ペソ)超を投じている。この間、Celayaにおいて工場拡張、テクニカルセンター開設、精密鋳造設備の建設を行った。また、Villagran近郊には組立工場も新設。同社は、メキシコ国内の自動車メーカー10社向けに、ドライブラインシステムおよびソリューションを供給している。(2011年11月17日付プレスリリースより)

<インド>
-インドChennai近郊のOragadamに精密鍛造品工場を新たに開設した。投資額は約480百万ルピー(6.6百万ポンド)。工場面積は5,000平方メートルで、Oragadamにある同社のCVJシステム工場向けに精密鍛造部品を納入する。このCVJシステム工場では、年間1.2百万本のサイドシャフトを自動車メーカーの南インド拠点に供給している。(2011年11月2日付プレスリリースより)

-インドPuneに新工場を建設開始した。等速ジョイントシステムおよびトランスアクスルを生産する。投資額は13億ルピー(18百万ポンド)で、従業員200名を雇用予定。Fiat、Volkswagen、GM、Tata、Renaultなど、多数の顧客拠点から30km以内の距離に位置する。新工場の面積は8,000平方メートルで、2012年8月にフル稼働する計画。等速ジョイントシステムの年産能力は60万個を見込む。なお同社は、インドに3工場(Faridabad、Dharuhera 、Oragadam)を保有している。(2011年5月26日付プレスリリースより)

<中国>
-吉林省長春(Changchun)市にCVJシステムの生産工場を新設。

-武漢拠点の製造能力を増強。